資産フライト 「増税日本」から脱出する方法 (文春新書)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784166608300

感想・レビュー・書評

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  • 投資仲間から新しく借りた本がこれ、資産フライト。

    やはり日本の財政破綻は確実に起こってしまうのかと思ってしまう本ですね。超富裕層と呼ばれる人たちが2006年にすでに資産を海外に移し終えていたという驚愕の事実。僕なんてやっとその重要性に気付いたから遅すぎるといえば遅すぎるんだが、でもこのタイミングで気付いたということをプラスに考えるようにする。

    今の政治は富裕層に増税して庶民の苛立ちを分散させようとしていますが、そもそも税収のほとんどは彼ら富裕層が払っているので、こんなことするのは間違っていますね。僕もこの本読むまでは富裕層増税賛成でしたが、富裕層が日本に残るようなシステムを作らないと彼らがいなくなってしまったら日本は潰れてしまいます。

    富裕層は日本を愛しているけれども、政府や今のシステムが完全に彼らを締め出そうとしているので、やむなく海外に資産を移しているという印象を受けた。

    印象に残ったところの一つで、ジム・ロジャースが震災後に新聞のインタビューで「赤字を増やさない復興」を主張したそうだが、正にそうだと思う。今の支出は異常だ。なぜ収入の倍以上も支出をし続けることができるのだ?日本が立ち直るためにやらなければいけないことは明白なのにそれが出来ない今の日本は本当に機能不全だ。だから新しい風をこの国に吹かせなければそれこそ本当に日本が破綻してしまう。

    そうなったときに一番負担を強いられるのは結局何もしていない庶民なのに。官僚たちは自分たちの資産は防衛しているだろう。こんな不条理な世の中はおかしい。でもそれを放置せざるを得ない状況も悔しい。僕が小さなできることを始めることがいつかは大きなパワーになるのではないか。影響の輪に集中する。

    また著者は英語教育の重要性を強く主張している。これは本当にその通りだと思う。僕はアメリカ人に生まれる必要はないと思う。ちゃんと母国語を持っているほうが、英語しかしゃべれない人間よりずっとましだと思う。でもグローバル化が進んでいる今、日本語しか話せないのは社会システムにアクセスできない赤ん坊のようである。幸いにも僕は英語の重要性を早くから認識していたので今英語をしゃべることが出来るわけだが、でも英語だけ出来ても差別化できないので、そこが僕の課題だ。英語+αのαの部分を強化する。

    今の中高等教育の英語は社会に役立つ英語とはとても言いがたい。こんな時間があれば別のことをしたほうがよほどましだと思う。僕は日本人が英語をしゃべるために何をしたらいいかは分からないが、少なくともこの教育だと全く役に立たないことは分かる。だから若い間に半年でもいいので海外留学することを勧める。まして日本人がいない場所で。自分以外誰も頼れないところで生活すると自分という人間を大きく成長させることができるからだ。

    そして一日でも早くお金を貯めて、海外で運用することが必要ですね。

  • ここ5年で読んだ本の中では一番得るものはなかったけど、最初の導入のところはちょっと興味が湧いちゃったんだよね。意地になって最後まで読んだけど。一般化できないけれどちょっと興味のわく風景の描写>その風景から今の日本の問題点を摘出、その問題点を起こした原因(通常は、政府、官僚)を三段論法で断定。という流れがひたすら続く。この新書を平積みにした紀伊國屋書店を信じた私が悪かった。でも5刷だって!

  • タイトルとは少し異なり、資産を国外にどうやって動かすか、という細かい方法が載っている本ではない。いくつか体験談はあるので、それを元に調べてくれというスタンスなのだろうか。ただし、資産移動の可能性も検討する価値があるかもしれないと感じさせてくれる本だった。

    現在の日本の税制は金持ちからいっぱい金を取るスタンスで、マスコミもそれを是とする傾向が強い。一方、金持ちは外国へ逃げるだけのお金は持っているので、当然逃げるか資産を移す。金持ちがどう考え、どう動こうとしているのが分かる本だった。こういった傾向は、テレビを見ているだけではわからない。自分の視座をいつもと変え、なるほど、と思いながら物事を見つめることができた本だった。

  • 日本と世界の経済の状態が分かりやすく書かれた一冊。

    その中で、資産を国外に飛ばすことの重要性が書かれています。

    タックスヘイブン(租税回避)etc・・・

    資産を分散することはリスクを分散することにも直結します。


    ぜひ、読んでほしい一冊です!

  • 殆どの内容は既知であったが、新しい情報を書き留めておく。
    いまだに日本滞在の外国人が日本の銀行に口座を開けない国。制度的にはできるが煩雑な手続きと日本の銀行の英語力のなさで実質的に解説できない。証券投資もできない。帰国すれば口座はクローズ
    中国では旅行者でも口座開設ができる。
    米国では25兆円の寄付が毎年行われている。日本では約1兆円。
    海外に一回に持ち出せるのは現金は100万円未満
    東電の処理は、世界中の投資家を唖然とさせた。このようなルール無視はありえない。
    法律ではなく庶民感情で裁判を行うでたらめ司法。しかし、一部は最高裁でまともな判決がでてよかった。

  • 今の日本における政治・経済の状況、金融行政、税制をみる限り、日本で投資・運用を行っていくことは無意味であり海外で投資することは必要である、という意見には賛成。

    ただし、帯やタイトルに書いてあるような資産フライトの方法が具体的に記されていることを期待して本書を読むと若干期待外れ。前半部分に数名の体験談が記載されているだけ。一般人にまでも資産フライトが広がっていると記載されているが、具体的な根拠は無い。著者の主観によるものが大きいように思える。

  • (要チラ見!)

  • 資産フライトという言葉と帯に魅かれて購入。しかし、まったくそのような内容でなく、求めていたものとずれていたことは否めない。もっとまともに日本の現状、富裕層はなぜ資産を持って海外に行ってしまうのかが書かれており、これはこれで楽しめた。しかし、著者の感情・思い込みが先行し過ぎている部分も多い本であった。

  • 資産を海外に避難させておくこと。
    英語を勉強しておくこと。
    これから日本をまっている波乱の展開に、どちらも必要なことに思えました。
    さっそく実践しよ。

  • 期待していたほど資産を国外逃避させる具体的な方法は書いていなかった。所々明らかに事実誤認しているところがあり、途中で若干読む気が失せかけたが、本書全体の要旨自体に特段の違和感は覚えなかった。

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著者プロフィール

1952年、神奈川県横浜市に生まれる。立教大学文学部を卒業後、光文社に入社。「光文社ペーパーバックス」を創刊し、編集長を務めた後、2010年からフリーランスになり、国際政治・経済・ビジネスの分野で取材・執筆活動を展開中。
著書には『出版大崩壊』『資産フライト』(以上、文春新書)、『本当は怖いソーシャルメディア』(小学館新書)、『「中国の夢」は100年たっても実現しない』(PHP研究所)、『円安亡国』(文春新書)、『地方創生の罠』(イースト新書)、『永久属国論』(さくら舎)、翻訳書に『ロシアン・ゴッドファーザー』(リム出版)などがある。

「2018年 『東京「近未来」年表』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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