議論の作法 (文春新書 993)

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  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784166609932

感想・レビュー・書評

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  • 国際的なジャーナリスト、櫻井よしこさんの本。

    題名は内容と違う。
    議論の作法について書いているのは触りだけで、あとは諸外国(特に中韓)や、安倍晋三総理との議論の記録。

    櫻井さんが意識している作法は以下。5は国際的な仕事をしているということを前提にあるので、自分の仕事、立場などに誇りを持つ、ということでよいと思う。

    1 事実に忠実でいる
    2 相手の言い分に十分耳を傾ける
    3 正しいと確信することは譲らない
    4 ユーモアを忘れない
    5 日本人としての誇り

  • 著者の講演会での臨時売店で購入。
    議論を戦わせる際のノウハウ本かと思って読み始めたら、対談集でした。
    確かな知識と洞察力などがなければ議論の場でしっかりした場に立てないということが分かります。

  • この本を読んで、「ヤバい!」と思った。
    私は、議論の用意ができていない。
    知識よりも、意識の準備ができていない。
    これは、根本的にまずい。

    今までの教育で、私は基本的に以下の姿勢を植え付けられてしまっている。

    ・相手の言うことをとりあえず聞くこと。
    ・途中で口を挟むのは、とても失礼なこと。
    ・人を疑ってかかるのは、悪いこと。
    ・それなりの肩書の人(学者とかジャーナリスト)は、正しい情報を伝えてくれているはず。
    ・人の本性は善だ

    こんな基本姿勢で議論に臨もうとすれば、絶対に不利になるのは当たり前だ。

    相手方は、とにかく自分の意見を押し通すこと、利益を最大限にあげることをめざし、
    それは巧妙な策を使ってくる。
    情に訴え、論理をすり替え、虚偽を交え、威嚇してくる。
    そこで「正々堂々」を求めても無駄なこと、元より価値観が違うのだ。

    そんな相手に、どれだけ自分の言い分を通し、利益を確保していくか、
    この本は色々な示唆を与えてくれる。

    とにかく、ぬるま湯につかっている私を含め日本人は、意識を改めないといけないと思う。
    世界の中で、日本ほど甘っちょろい国はなく、このままでは絶対不利なのだ。
    相手がずるい、とかではなく、むしろ日本が異質なのだ。
    そんな日本の甘っちょろさも、国内であればとても素敵だと思うのだけど。

    あともうひとつ。今の教育方針、これでいいのか?
    もしかしたら、教育もダブルスタンダードで行うべきなのかもしれない。
    国内的なすばらしく情に厚い部分と、国際的なしたたかな部分。
    その両方を持ち合わせなければ、日本と世界、両方では戦えないはずだ。

著者プロフィール

ベトナム生まれ。ハワイ州立大学歴史学部卒業。「クリスチャン・サイエンス・モニター」紙東京支局員、日本テレビ・ニュースキャスター等を経て、フリー・ジャーナリストとして活躍。『エイズ犯罪 血友病患者の悲劇』(中公文庫)で大宅壮一ノンフィクション賞、『日本の危機』(新潮文庫)を軸とする言論活動で菊池寛賞を受賞。2007年に国家基本問題研究所(国基研)を設立し理事長に就任。2010年、日本再生に向けた精力的な言論活動が高く評価され、正論大賞を受賞した。著書に『何があっても大丈夫』『日本の覚悟』『日本の試練』『日本の決断』『日本の敵』『日本の未来』『一刀両断』『問答無用』『言語道断』(新潮社)『論戦』シリーズ(ダイヤモンド社)『親中派の嘘』『赤い日本』(産経新聞出版)などがある。

「2022年 『わが国に迫る地政学的危機 憲法を今すぐ改正せよ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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