発達障害 (文春新書 1123)

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 87
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784166611232

感想・レビュー・書評

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  • 良くも悪くも、広範囲に発達障害を知れる本。入門書としては良いと思う。
    うちがええと思ったんは、「発達障害の今」を反映しているところ。
    日本において、発達障害の扱いは結構ぞんざい。精神科医やカウンセラー、個々人の見解に任せられてるところも少なくない。そんな現実を実例織り交ぜて紹介しているところが良かった。

  • このところ多忙につき、読感を書いている時間がない。
    とりあえず、読みましたということで、読了日と評価のみ記載。

  • 2017/07/17

  • ASD、ADHD、アスペルガー症候群など、発達障害の症状や症例が豊富。
    事件性のある症例や、いわゆる偉人となった例などが挙げられていたりもしているが、多くは日常的な生活が「送りにくい」とか、周りより「トラブルが多い」人なのではないかと思った。

    私としては、どんな風に対応をしていけばいいのかとか、どんな医療機関やケアがあるのかという方をもっと詳しく知りたかった。
    もちろん、ネットで調べたら情報は出てくるだろうが、こうした書籍で網羅的に扱ってくれると、信憑性という点でやや安心できる。(まあ、新書だからってそう変わらんよ、という意見もあるかもしれないけれど)

    成人してからの発達障害を扱う施設は少ないとある。
    また、医師がそう判断せず、本人の甘えだとしたケースもあった。

    私も、とても苦しくて医療に助けを求めた時、それはあなたの性格だ、とだけ言われたことがある。
    多くの、酷い症状を抱える患者の中では、その程度と思われることだったのかもしれない。
    けれど、救われなかった残念な思いが、今も少しの不信感として残っているのは事実だ。

    知ろうとする人、疑い悩む人への、結果ではなく過程の優しさがあれば、当事者にとっては違うのかもしれない。

  • 題名通り、代表的なASDとADHDについての一般向けの解説本。特に成人の発達障害を専門にされている著者ならではの成人発達障害に対しての解説はわかりやすい。ASDとADHDは合併しやすいが、その鑑別などについてもわかりやすく解説。診断についても常識的。障害が偏見や誤解を生む元となった犯罪についても診断の重要性について説明。現在の成人発達障害の臨床を知るには入門書として良いと思った。

  • 最近、NHK等で発達障害関連の番組が多く放送されている
    ように思います。書籍も多くでていると思います。
    また、内容にもありましたが、やっと最近青少年の犯罪が
    なんでも発達障害に関連して報道される風潮も少しは
    なくなってきたのではないかと思います。
    豊川の事件も佐世保の事件も実は、発達障害ではなかった
    のだということがこの本に書かれていました。
    誤解がなく、生きずらさが少しでも和らぐ世界になれば
    といつも思います。

  • いささか我田引水気味の論法や主張も散見されるが、臨床経験が多い医師の視点から捉えたASD、ADHDの定義や現状がよく分かった。
    もちろん私自身そうであることは言うまでもないが、この本の中で繰り返し紹介されているASD、ADHD患者の持つ特徴を読んで、丸っきり自分のことではないか…! と戦慄する読者は少なからずいるだろう。
    個人的には、先天的・後天的な脳器質の明らかな差異は別として、発達障害は陰か陽かバチッとラインを引いて峻別することができるものだとは思っていないし、各々の人格が持っている個性のブレに過ぎないんじゃないかと考えている。
    昔のように「あいつは変な奴だ」の一言でつき放し、世間から爪弾きにすることがいいとはもちろん思わないが、「障害、病である」とカテゴライズして、それ相応のスペシャルな扱いが必要なのかと問われれば、そうでしょうとも答えられない。
    さも当たり前のことのように、投薬によって症状は治まった、という例がいくつも書かれているが、もちろん当人及び家族等周囲にいる人たちにとって深刻なケースは少なくなく、"治療"によっていくらかでも救われている人も多いという事実は理解するものの、それは本当にベストではないまでもベターな方法と言えるのだろうか?

    そういえば、ADHDを提唱した張本人の医学者が、晩年に「ADHDは作られた病だ」と告白したとかいうニュースを読んだ記憶があるのだが、あれはどうなったのだろう?

  • 大人も含めた発達障害、とくにASDとADHDについて、数多くの様々な症例とともに紹介している。事例は具体的かつ切実なものばかりで、興味を持続したまま読み進めることができる、
    ADHDが甘えや怠けではないのだということを、周囲の人ももちろん、本人が理解しておかなくてはならない。

  • 本物の本だ。

  • ADHDとASDについて詳しく書かれており、世の中的に色眼鏡で見る対象となった事件なども書かれていて、関係者以外は知る機会のない内容を知る事はできる。でも事前に治療できたら防げる内容なのかとか、もう少し救われるような記載がいいような気がする。
    並行して読んだサイコパス話と違って、治療がある程度効果がある分野ですから。

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著者プロフィール

昭和大学医学部精神医学講座主任教授

「2023年 『これ一冊で大人の発達障害がわかる本』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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