続・僕たちが何者でもなかった頃の話をしよう (文春新書 1158)
- 文藝春秋 (2018年2月20日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (212ページ)
- / ISBN・EAN: 9784166611584
作品紹介・あらすじ
2017年2月刊行『僕たちが何者でもなかった頃の話をしよう』の第2弾。偉大な構成を残し、今なお挑戦し続ける各界の著名人たちの生きざまを、細胞学者にして歌人の永田和宏氏が、「天才の原点」を引き出す。若き日の大きな決断の時、思い切って一歩を踏み出した瞬間、など生きていく上で道しるべとなる珠玉の言葉があふれた一冊。第1章 池田理代子(劇画家・声楽家)自分が今ここにある意味を見つけよう「人間の一生のうち、自分がやりたいことにチャレンジできるチャンスというのは、一回か二回巡ってくるかこないかだと思います」第2章 平田オリザ(劇作家・演出家・青年団主宰)わかりあえないことから「コミュニケーション能力なんていうものは大したことはない。恐れることはないんです」第3章 彬子女王殿下(京都産業大学日本文化研究所専任研究員)石橋を適当にたたいて渡る「自分に対して嘘をつかない正直な生き方をすることを、留学を通して学んだ気がしております」第4章 大隅良典(東京工業大学栄誉教授・2016年ノーベル生理学・医学賞受賞)知りたいという欲求「信頼する人が面白いと言ってくれることだけで、相当な苦労もしのげるようになります」
感想・レビュー・書評
-
いつ、どこで、なにが、どうつながるのか分からないから、いろんな方の話しに触れるのは面白い
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
続・僕たちが何者でもなかった頃の話をしよう
チャレンジをテーマとして各氏の講演と主催者である永田和宏氏との対談が収められている。何者でもなかった頃の話かと言われるとそうでもない感じもするが、基本的には若者向けのメッセージになっている。学びは多いと思う。
池田理代子
漫画家を中断してまでも声楽家を目指すために47歳で音大に入り直す。やらないで後悔したくないというのがモチベーション。
平田オリザ
コミュニケーション能力について。相手のコンテクストを読み取ることができる医師を育成するために阪大は劇作家である氏を招聘した。劇の役割は解答を与えることではなく問題提起であるという意見も興味深い。やや説教臭い感じはある。
彬子女王
面白そうがモチベーションとなって「石橋を適当にたたいて」周りを巻き込みながら挑戦してしまう勢いがある。オックスフォード留学での経験が自身を大きく変えた。
大隅良典
オートファジー(自食)の仕組みを解明したことによりノーベル賞を受賞した。冒頭に若者へのメッセージをまとめているので分かりやすい。
1. 長い人類の歴史の中で自分の生きている時代を考えよう
2. 自然と親しみ、小さな発見を大切にしよう
3. 権威や常識に囚われず、自分の興味、抱いた疑問を大切にしよう
4. 情報にながされず自分の眼で確かめよう
5. 最初の疑問に繰り返し立ち返ろう
6. 人と違うことを恐れずに、自分の道を見極めよう
7. はやりを追うことはやめよう
8. 役に立つこととはなにか、長い目線で考えよう
9. 自分の理解者をつくろう -
-
池田理代子さん、平田さん、大隅先生のパートが良かった。
池田理代子は成功した漫画家の地位を捨てて47歳で音楽家を目指し大学に入りなおしたことで有名だが、"私にとって一番怖い後悔は、あの時やろうと思えばできたのにどうしてやらなかったのかというものです。"というところに共感した。やって失敗したらしょうがないがそもそもやらなかったことは非常に引きずるものである。 -
本に紹介された著名人の若くて貧しかった頃の苦労談だとばかり思ってたけど実際は若よ者に対する訓示めいた内容が多かった。
池田理代子氏以外それ程刺さらなかったかな。 -
「僕たちが何者でもなかった頃の話をしよう」を読んで、ぜひ続編も読みたいと思い読んだ。名言があふれる本。ラッシュを避けて会社に早くついて、始業前に読んだが、やる気をあたえてくれた。自分が生きていて、ここに存在することを肯定する。これは劇作家・声楽家の池田理代子先生の言葉。最近、仕事が難しくて自信をなくしていたが、今日会社に来れているだけでも素晴らしいこと。ここにいるだけで尊いこと。心に刻んだ。
-
大隅先生の話を読むだけでも価値があると思う。若い将来のある人たちに読んでほしい本です。科学の魅力をわかりやすく伝えるのは、やはり非常に重要だと思いました。
-
【北海道大学蔵書目録へのリンク先】
https://opac.lib.hokudai.ac.jp/opac/opac_link/bibid/2001697944