歴史と風土 (文春文庫 し 1-75)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (301ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167105754

感想・レビュー・書評

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  • 俯瞰的に歴史を考えられる名著だと思います。表現って著者の自由ですよね。

  • 数々のヒーローを"産み出してきた"著者だが、竜馬にせよ道三にせよ歳三にせよ、むしろ非業に倒れたり敗者となったりと、いわば本流でなかった人達が、作品内での活躍によって時代の主役になった側面がある。司馬遼太郎は実はアウトローや辺境に身を置き、その視点から世界を鳥瞰する作家で、本書はその辺境観が良く表れた一冊。やや強引な解釈もあるように思うが、そこはエッセイなので割り引いて読むのが適当。

  • 都鄙
    中央の文化に逆らえない。政治ではなく、文化に弱い。戦国江戸のみ地方が存在した日本。



  • mmsn01-

    【要約】


    【ノート】

  • 15/8/22読了

  •  渋いです。

     硬派です。

     でもって、非常に柔軟だと感じました。

  • 小説の余韻。執筆の背後にある筆者の意図や空気感が感じられる。

  • 司馬遼太郎のエッセー集。著者の、中国辺境の民族に対する造詣の深さ、仏教などの宗教への造詣の深さには改めて驚かされる。

  • なるほど、と納得させられる所も多いけど、ちょっと雰囲気でものを言っているなあ、と感じる所も多い。

    以下傍線
    「アジア的な原理で動いてきたことはないんだ」
    「天保の庄屋同盟、関ヶ原の怨恨」
    「天皇家と出雲大社家をのぞいては、連続した名家というのは存在しない」
    「江戸体制というのは非常に特異で停頓しているように見えて、実は特異なことをやっているのは幕府だけ」
    「密教世界の誘惑、天地をも動かしたいという大変な祈祷者の魂みたいなもの」
    「家康という人はお百姓の感覚で一生を生きた人ですから、堺的なことはまったくわからない」
    「スキタイという西欧人顔の民俗で、彼等が遊牧文明を発明した。二つの征服王朝が中国の領土を広げた」
    「日本古代史のなかに、安曇として出てくる水の民族も濊の仲間だったかもしれません」
    「日本仏教はこんにち前代未聞の葬式仏教になっている」
    「日本人は中国人より技術的には優れ、美学的にも優れている。同時になんでも美学にしてしまう」
    「せっかく農業生産と武力にそれに潔さ、廉恥心というかつて日本になかったすばらしい倫理意識を持って地方を充実させた彼らが、多分にインチキな源平藤橘になってしまうばかりか、雑木の小枝みたいな低い官位w都からもらってうれしがっている」

  • この作品は司馬遼太郎さんが月刊誌などで談話されたものがいくつも紹介されている。

    「中央と地方」では現代社会、現代人の中央文化に危機を感じ、薄っぺらい主体性の無さを嘆いている。
    かつて坂東武者達が縁者を頼りに京に行き、あってもなくても変わらぬような官位を欲しがり、そしてそれを故郷で権威として振りかざした。
    だが次第に戦国大名のような力を持ったものが各地に台頭すると地方ごとに文化が生まれ、江戸期にはさらにそれが顕著に現れてくる。

    だが明治維新でそれは崩壊し、約300年間培われた地方文化は薄れ、東京こそ正しいというような風潮を特に若者が抱いているのが現代かもしれない。
    我々は坂東武者に戻ってしまったのかもしれない。

  •  作家が膨大な知識の中、日本の風土を鑑みながらその歴史観を披露する。歴史小説を読む手引きとしても利用できるほど本書は優れている。290ページ程度の薄い本ではあるが内容は濃い。

  • 歴史って奥が深いと改めて感じた。教科書で習う歴史は見出し程度で人間味がない。知れば知るほど人間味が出てくる。
    司馬さんの視点で書かれていて、知識の足りない自分には理解に苦しむところがあるけど、それでも、日本というものの性質とはこういうものかというのがなんとなく理解できた気がする。そして、その日本観は、果たして自分は日本人らしき日本人なのかと考えさせられるものであった。

  • もう何冊読んだかわからない、司馬遼太郎。
    (数えたら、もうそろそろ100冊でした)

    何がそんなにいいのかというと、まったくもってわかりやすいの一言に
    つきると思う。
    歴史を歴史として話すのではなく、現在を通して歴史を伝える。
    そして歴史も当時の現在の一瞬一瞬の積み重ねが歴史なのだということを
    気づかせてくれる。
    あと5年くらいしたら、全部読んでしまうだろうな。
    そしたらまた竜馬がゆくでも読もうかな。

  • シバさんは本を書く天才なのかなと思っていたけど、結構物語を作るまでに悩んでいる。それと妄想癖。親近感がわいた。

  • 15の小さなお題に分かれていて、まさに歴史と風土のタイトルどおり、そのお題についての司馬遼太郎の価値観というものが顕れている。なかにはそこまで言うの、と思うものもあるが、総じてやはり司馬とうならされるような視点で、読んでいると面白い。

  • 09.9.12

  • 歴史と風土

    日本に対して、
    今まで自分が以下に興味を抱いてこなかったかを
    実感。
    面白い。

    久し振りに読んでいて興奮する本に出会った。

  • 090114(m 090225)

  • 2008.4.1 了/宗教の話が多く,楽しさはあまりなし.

  • いろんな人物の話

  • 司馬さんの小説における司馬史観というものをたずねるような作品です、小説だけでは知りえない司馬さんの視点を感じることができる本ですよ。

  • 納得する…てか感動する。

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著者プロフィール

司馬遼太郎(1923-1996)小説家。作家。評論家。大阪市生れ。大阪外語学校蒙古語科卒。産経新聞文化部に勤めていた1960(昭和35)年、『梟の城』で直木賞受賞。以後、歴史小説を次々に発表。1966年に『竜馬がゆく』『国盗り物語』で菊池寛賞受賞。ほかの受賞作も多数。1993(平成5)年に文化勲章受章。“司馬史観”とよばれ独自の歴史の見方が大きな影響を及ぼした。『街道をゆく』の連載半ばで急逝。享年72。『司馬遼太郎全集』(全68巻)がある。

「2020年 『シベリア記 遙かなる旅の原点』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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