ロマネ・コンティ・一九三五年 六つの短篇小説 (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・本 (197ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167127046

感想・レビュー・書評

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  • 釣り、阿片、ワインなど6つの短編それぞれにテーマがあり、それらの持つ魔力を圧倒的な表現力で描いている。
    表現や比喩、言葉の豊富さにはまさに圧倒された。それらから描写されるテーマごとの魅力は、『魔力』と呼ぶにふさわしく、読者自身がどうしても手を出してみたくなってしまう。どれも一般人には簡単に手を出せるものではない。だからこそ、渇望を生まれ、魔力を大きくする。

    名酒中の名酒ロマネコンティは枯れていた。しかし、その中からも飲むものの奥底にあった記憶を想起させるような魔力は失せていなかった…。その味わいを賛美し、千の言葉で褒め称えるのが当然だと思っていた私には衝撃だった。

  • 著者の作品はほぼ読んでいると思う。
    この珠玉の短編集は大変読み応えがあって再読した。

  • 読後感が村上龍に似てる気がする、勘違いかもしれませんが。個人的には好みではない文体で正直あまり入り込めなかったけれど、それでも読ませる圧が確かにあります。
    酒と食べ物の描写の生々しさは秀逸かと。

  • 猥雑で混沌としてた少し前の日本や世界の情景を感じさせるリアルな文体。とりわけ酒に対する描写は秀逸

  • 「GRAND BAR by TOHUEMON」おすすめの一冊
    http://www.omn.ne.jp/~goody/grandbar.htm

  • 日本の短編集の中でも最上質の一つと信じる。
    僕はこれを大学時代に読もうと思ったけど、最初の「玉、砕ける」で全然手ごたえがなく面白みも感じなかったので、あとが進まなかった。
    僕は今40代後半だが、ちょっと年をとらないと分らない味というのが、文学でも音楽でもあるように思う。いろんな段階がありえるだろうが、僕が唯一はっきり意識できたのが、30歳あたりにあるそういう境目。それまで良さが分らなかったものの多くのものの良さが分った。あとは僕の場合、35歳でも45歳でもあんまり変わりないように思うのだが。
    これは40歳を過ぎてから読んだけれど、濃くて深い味のあるフランス料理の一品をたべたような満足感をどれも与えてくれた。
    大学の時分らなかった「玉、砕ける」は、人間の無力感がテーマなのだと思い、いいと思った。

  • 開高健はどれを読んでも面白い。これもかなりオススメできる。なにせ読みやすい。6編の短編小説が収録されている。うち、前から4つが面白い。タイトルにもなっている6編目のロマネ・コンティだけは平凡な気がする。

  • 読み手の感性に問いかける内容です。一文一文味わってみてください。

  • 語彙力に脱帽。これはかなわん。

  • 傑作!!!

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著者プロフィール

開高 健(かいこう・たけし):1930年大阪に生まれる。大阪市立大を卒業後、洋酒会社宣伝部で時代の動向を的確にとらえた数々のコピーをつくる。かたわら創作を始め、「パニック」で注目を浴び、「裸の王様」で芥川賞受賞。ほかに「日本三文オペラ」「ロビンソンの末裔」など。ベトナムの戦場や、中国、東欧を精力的にルポ、行動する作家として知られた。1989年逝去。

「2024年 『新しい天体』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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