- Amazon.co.jp ・本 (470ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167192259
作品紹介・あらすじ
清流と木立にかこまれた城下組屋敷。淡い恋、友情、そして忍苦。苛烈な運命に翻弄されながら成長してゆく少年藩士の姿をゆたかな光の中に描いて、愛惜をさそう傑作長篇。(秋山駿)
感想・レビュー・書評
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時代小説というよりれっきとした純文学のにおい。青春群像と身分制社会の様子はまるで「疾走」のよう。今のところ藤沢周平中ベスト。
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傑作
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まるで江戸時代にタイムスリップしたかの様でした。
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少年時代の友情、淡い初恋、勧善懲悪の爽快感。
ド定番の時代もの。
物語はさくさく進み、続きがどうなるのかと気になって一気に読みました。
田圃道に滲む夕陽や、松林でけたたましく鳴く蝉の声。
実際に体験したことはないはずなのに、なぜか懐かしい郷愁におそわれる。
「高い空に、銀盤を嵌めたような月が光り、人影もない屋敷町の幅ひろい道を照らしていた」
文四郎に身の危険が迫っている夜の描写。銀盤のように冷たく感じる月の夜、という鋭く、どこか不穏な空気感が醸し出されている。 -
ノスタルジーに変わりはないのですが、2人が、生乾きの気持ちを保ち続けたからこそ、この魅力があるのだと思います。蝉しぐれも、2人の時をつなぐようで、終わりを告げるようで。最後のお福様のセリフが絶妙です。
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少年の成長を描いた「動」のストーリーと、その時代の情景を巧みに描いた「静」の世界。二つの相反する世界観に引き込まれました。
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主人公の文四郎と藩主の側室となるふくの哀しくも募る想いや、文四郎、逸平、与之助の友情が繊細に描かれている。さらに、秘剣村雨など剣の世界の描写も緊迫感を感じるほどリアルに表現されており最後までテンポよく読み進められた。
文四郎とふくが最後に心を触れ合わせるシーンが切なく、どこか暖かい気持ちにさせる。
懐が深く、色々な感情にさせてくれる作品。 -
一気に読了。評判通りのいい内容で、すっかりハマった。時代小説にハマり出したら、もはやいい歳こいたオヤジまっしぐらだと勝手に思ってたから、単なる食わず嫌いだった。時代小説だけど青春小説でもあった。いい作品だった。
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友情とか、恋とか、武器とか
いろいろな材料が加わったお話。