玄鳥 (文春文庫 ふ 1-28)

著者 :
  • 文藝春秋
3.58
  • (18)
  • (57)
  • (67)
  • (7)
  • (0)
本棚登録 : 497
感想 : 34
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167192280

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 1994年第1刷、文藝春秋の文春文庫。全5編。解説は中村孝次。『闇討ち』闇討ちに失敗した友人の敵討ち。「家に代えてもつらぬきたい一念」という言葉がぐっとくる。『鷦鷯』貧乏だが誇り高い男。その誇り高さが最初にうまく提示されている。そして、娘の婚姻相手として浮上してきた男への感情の揺れが面白い。全体に滑稽な部分と剣を使って悪役を断つ部分(決して剣豪な部分ではない)がマッチしていて面白い。

    収録作:『玄鳥』(げんちょう)、『三月の鮠』(はや)、『闇討ち』、『鷦鷯』(みそさざい)、『浦島』、解説:中村孝次

    少し考えたこと:滑稽さというのは対外的に対面を保とうとする(いわゆる「武士は食わねど高楊枝」)ところからくるような気がする。江戸時代には、対外的には体面を保させて助けることができていたように感じる。まぁ、助ける町人は身分が下ということもあるでしょうが。現代は、対外的に対面を保ちたいと考えている人は多い一方で、体面を保たせたまま助けることができないようになっているように思う。なんともならないような気もするが、何とかならないものだろうか。

  • 安定の内容。
    図書館本の合間や短い時間の読書には持ってこい。
    藤沢作品の短編本は常に持ち歩いている。
    文章が奇麗で描写も心洗われるほど美しい。

  • 2020/9/11 読了
     いつもながら老年、壮年、青年そして娘、武家社会に生きる姿を情緒たっぷりに描写している。

  • 最後でさりげなくタイトル回収、というスタイルが心地よい。
    自然や人間の動作に関する表現が美しい。

  • 登場人物が魅力的☺️

  • 2018.11.2(金)¥180(-15%引き)+税。
    2018.11.26(月)。

  • 内容(「BOOK」データベースより)

    無外流の剣士として高名だった亡父から秘伝を受けついだ路は、上意討ちに失敗して周囲から「役立たず」と嘲笑され、左遷された曾根兵六にその秘伝を教えようとする。武家の娘の淡い恋心をかえらぬ燕に託して描いた表題作をはじめ、身の不運をかこつ下級武士の心を見事にとらえた「浦島」など珠玉の五篇を収録。

  • 無外流の剣士として高名だった亡父から秘伝を受け継いだ路は、上意討ちに失敗して周囲から「役立たず」と嘲笑され、左遷された曾根兵六にその秘伝を教えようとする。武家の娘の淡い恋心を、かえらぬ燕に託して描いた表題作をはじめ、身の不運をかこつ下級武士の心を見事にとらえた「浦島」など、珠玉の五篇(他に「三月の鮠(はや)」「闇討ち」「鷦鷯(みそさざい)」)。

  • 緩みがなく、完璧感が凄い。

  • 玄鳥
    三月の鮠(はや)
    闇討ち
    鷦鷯(みそさざい)
    浦島

    武家の娘の淡い恋心をかえらぬ燕に託して描いた表題作をはじめ、身の不運をかこつ下級武士の心を見事にとらえた「浦島」など珠玉の五篇を収録。

全34件中 11 - 20件を表示

著者プロフィール

1927-1997。山形県生まれ。山形師範学校卒業後、教員となる。結核を発病、闘病生活の後、業界紙記者を経て、71年『溟い海』で「オール讀物新人賞」を受賞し、73年『暗殺の年輪』で「直木賞」を受賞する。時代小説作家として幅広く活躍し、今なお多くの読者を集める。主な著書に、『用心棒日月抄』シリーズ、『密謀』『白き瓶』『市塵』等がある。

藤沢周平の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×