地の漂流者たち (文春文庫 209-3)

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 173
感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167209032

作品紹介・あらすじ

自衛隊、アングラ演劇、ピンク映画、歌謡曲、零細工場などにあって、それぞれの生きがいを模索しつつ、七○年代の青春を流れゆく若者たちの生々しい心情を自らの目と足で捉えた。

感想・レビュー・書評

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  • 作者の最初の作品を含む6篇のルポルタージュ集。沢木耕太郎の原点を知るためには必読の書だと思った。今まで読んでいなかったのが不思議に思うぐらい。初読。読めてよかった。非常に社会派としてスタートしたことがわかる。大卒して1,2年の頃だが、このようなルポを書くことは危険も伴うだろう。捨て身と言ったら失礼だろうが、どんな階層にも偏見を持たずに飛び込む行動力には脱帽する。特に最後の、川崎を舞台にした中高卒労働者の葛藤については、非常に興味深く、現代の大卒者も含む労働者状況にも通ずるものを感じた。

  • あとがきを読むと沢木耕太郎が22〜23歳頃に執筆した初期のルポルタージュらしい。
    1970年代前半の復帰前の沖縄の様子、公害問題に悩む都市など今となっては教科書で習うような事が当時の感覚で描かれている。今となっては流石に時代と作者の若さを感じられる一冊。

  • 沢木耕太郎の初期ルポ
    青い感じはするが文章力磨こうと思った

  • 2008/06/08 読了 ★★★
    2010/10/21 読了

  • デビュー作「防人のブルース」を含めた沢木耕太郎22〜23歳のときに書かれた超初期作品。本書と『若き実力者たち』と『敗れざる者たち』と併せて青春三部作です。大学卒業直後に書かれたルポルタージュなので、荒削りなものが多く、退屈に話が進んで行く箇所も無きにしも非ずですが、それも含めて沢木ファンにはたまらない一冊です。

    防人のブルース
    この寂しき求道者の群れ
    性の戦士
    いま、歌はあるか
    単独復帰者の悲哀
    灰色砂漠の漂流者たち

  • 1980年くらいの作品。20年以上も前の話。

  • 「深夜特急」の旅に出かける前の、かなり初期のルポ6作。取材は1970年代前半と思われる。

    時代を経ているから、変わる、または感覚として「歴史」の範疇に入るテーマと今でも表面に問題として残っている、変わらないものや人がある。
    (2004.9.30)

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著者プロフィール

1947年東京生まれ。横浜国立大学卒業。73年『若き実力者たち』で、ルポライターとしてデビュー。79年『テロルの決算』で「大宅壮一ノンフィクション賞」、82年『一瞬の夏』で「新田次郎文学賞」、85年『バーボン・ストリート』で「講談社エッセイ賞」を受賞する。86年から刊行する『深夜特急』3部作では、93年に「JTB紀行文学賞」を受賞する。2000年、初の書き下ろし長編小説『血の味』を刊行し、06年『凍』で「講談社ノンフィクション賞」、14年『キャパの十字架』で「司馬遼太郎賞」、23年『天路の旅人』で「読売文学賞」を受賞する。

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