- Amazon.co.jp ・本 (473ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167287078
作品紹介・あらすじ
父親の不始末から料亭陽暉楼に売られた房子は、天性の素質と努力によって一流の芸妓に育ってゆくが……芸と男との板ばさみに悩む花柳界の女の意地と哀歓を描いた長篇。(塩田潮)
感想・レビュー・書評
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1日1冊宮尾登美子。
綾子シリーズが落ちつき、自伝ともいえる話から離れた小説へ。
しかし、舞台があの陽暉楼でございますよ。
さんざ小説世界に出てきたお店。
そこの芸妓の話です。
純なのかな。この世界にいるにはふさわしくないほど純だったのかな。
もう少しで安定した暮らしも出来ただろうに、全てを失っていく様子は、
「わたしが・棄てた・女」のように純で、
「椿姫」のようにもろくも、そして椿姫よりももっともっと残酷だった。
4月からここまで読んで、6冊がっしと読み切って、体が私を解放してくれた。
別の本を読んでから、次は寒椿を読むよてい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
今までに何度読んだかわからないくらい好きな一冊。花柳会で生きる女の哀愁、美しい舞踊に胸が張り裂けそうになる恋心。
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花柳界に生きる女の強さと悲哀を
陽暉楼と言う高知の名だたる料理屋の芸妓として
名を馳せた桃若=房子の一生を描いた
美しく咲き、散って行く物語である。
房子は芸に生き、芸が自分の川のように流される
身を止めてくれると思い芸妓としての心情として
生きてきた。
そこに、房子の心を揺るがす男が現れ
一生の一度の赦されぬ恋をしてしまう。
陽暉楼の艶やかな日々と借金型に売られた身の
何ともならない房子の切ない心情。
花柳界で生きて行くには、主人公の房子は
真っ直ぐな心根を持ったが故に、この世界では
孤立無縁になってしまう。
全てが金で動く花柳の光と闇を房子を通して
時に眩く、時に過酷に映し出す。 -
ちょっと最初の部分が説明調過ぎてつらかった。
"彼女の話”になってからは引き込むけど。
それはそれでまた辛い、と。 -
う~ん、やっぱり宮尾さんの描く女性は悲しいなぁ。じりじり追い詰められていく状況に、ただ読み進めるしかない事にも切なくなるような物語でした。でもそれが、リアルというか、作られた綺麗な物語ではない、昔は本当にこんなことはよくある話だったのではと、思わされました。
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昭和時代前半の四国を舞台にした、芸者・桃若の一生を描いた作品です。
芸者としての女の覚悟、お腹の赤子の母としての女の覚悟をこの身に感じました。また、同じ女性として、女性のあり方を考えさせられました。 -
強くもなく、弱くもなく、ひとりの女の苦悩と哀歓を描く。
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主人公の恋情は、恐ろしいほど徹底的な一方通行だ。しかしその感情に縋るしかなかった主人公には惹かれるし、泣かされた。
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意地
若さ?