村の名前 (文春文庫 つ 8-1)

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 23
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  • Amazon.co.jp ・本 (238ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167316044

感想・レビュー・書評

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  • 1990年上半期芥川賞受賞作。同時期には、その後同賞を受賞した奥泉光、小川洋子、荻野アンナが名を連ねていた。そうした中での受賞なのだが、この作家と編集者には本を売る気があるのだろうかと思う。『村の名前』―こんなタイトルに誰が魅かれるだろう。内容を読めば、それが世にも名高い村であったことがわかるのだが。作品には現代中国の寒村にまで及ぶ権力構造と、村の様子が強いリアリティを持って描かれている。シュールと評する委員もいたが、この小説はあくまでもリアリズム小説の、これまでとは違った方向からのアプローチなのだ。 

  • 言葉が通じない、風習がまるで異なる、日本の常識も通じない。そんな異国で自己を保つのは難しい。外国に行ったことがないから想像だけど。弟は本当に存在するのだろうか。錯乱した母親の妄想が息子に浸透し、居もしない弟との思い出を捏造したのではないか。記憶は常に改竄される。しかし結局は現実を直視できないから、有りもしないものを見ることで逃避しているのではないか。という考え方はきっと底が浅いのだろう。探している弟かいつの間に自分自身になっているような危うさは、誰だって持っていると思う。

  • 和歌山などを舞台とした作品です。

  • 桃源郷? 一歩先には何が映ったのか。ミステリアスな結末。

  • 読んでてのどが渇いた・・・

  • 100422(s 100502)

  •  この物語は絶対に読んで欲しい。
     これ初期の作品だもの、そりゃいまだにバリバリいけるわけだよ。
     これが基礎なんですよ。

     この小説読んで欲しいな。
     何かを追うという、物語、小説、文学の基本がある。
     憧れ、追憶、女性、桃源郷、キーワードをあげるだけでちょっと読みたくなりません?感じません?体の真ん中へんが・・・ん?右下腹がイタイ?それは盲腸だね。

     この作家を読んで欲しいな。
     いまでも現役で、第一線を走り続けている永遠の若手。
     これが、僕らの先生なんですよ。

     ぜひ、ここからはじめてください。
     

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著者プロフィール

辻原登
一九四五年(昭和二〇)和歌山県生まれ。九〇年『村の名前』で第一〇三回芥川賞受賞。九九年『翔べ麒麟』で第五〇回読売文学賞、二〇〇〇年『遊動亭円木』で第三六回谷崎潤一郎賞、〇五年『枯葉の中の青い炎』で第三一回川端康成文学賞、〇六年『花はさくら木』で第三三回大佛次郎賞を受賞。その他の作品に『円朝芝居噺 夫婦幽霊』『闇の奥』『冬の旅』『籠の鸚鵡』『不意撃ち』などがある。

「2023年 『卍どもえ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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