南国かつおまぐろ旅 (文春文庫 し 9-9)

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (290ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167334093

作品紹介・あらすじ

いくつもの締切を抱えながら日本全国を旅する毎日。けれど、旅先でしかあじわえない幸せもある。思わず目頭が熱くなった奥会津の小学校の卒業式、風に吹かれてまどろんだ中之島公園での昼寝、最上町の牧草地での乗馬。枕崎のかつおも新島のクサヤも心震えるほどうまかった。そして旅はまだまだ続く…。

感想・レビュー・書評

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  • 赤マントシリーズ第4弾。週刊文春1993年1月14日号~11月25日号掲載分をまとめたもの。バブルが崩壊して浮ついた時代から次第に経済の縮小・停滞期へと向かっていく下り坂な当時の空気感が全体から伝わってくる。そんな中でも、銀座のクラブのママさんのひとこと「銀座のお店はもう半分ほどなくなってしまったのよ」にもっとも集約されているように思える。当時で半分なのだから、2014年現在の今は果たしてどうなっているのだろう?
    白眉はなんといっても『クソまみれの人生』の巻。当時、週刊文春でリアルタイムに読んだ記憶がある。自分も同じような修羅場を何度も経験しているので、リアルに緊迫感・切迫感が伝わってくる。数えきれないほどある椎名エッセイのなかでも1位、2位を争う秀逸の1篇。この1本だけでも読む価値がある。
    「秋風ラーメン旅」もリアルタイムで読んでいて、よく覚えている。富山県でたまたま入ったラーメン屋がズイマーだった話。これに尾ひれ背びれがついて、一部の読者に富山県全部のラーメン屋がズイマーだったような印象を与えてしまい、抗議がいっぱい来そうな。ちゃんと読めば、そんな悪意はまったくないことがわかるのにね。
    何かに怒っている時の椎名誠エッセイは、初期のスーパーエッセイ時代を彷彿させとても面白い。しかし、何かがキッカケで抗議が殺到したりすると、書く方も慎重になってしまい、本来の面白さが薄まってしまう作品をその後読まされることになる。これは、あまりよろしくない傾向ではないかと息苦しさを感じ、少々ぐったりしてしまったのであった。

  • 1997年6月読了。

  • 図書館の本

    内容(「BOOK」データベースより)
    いくつもの締切を抱えながら日本全国を旅する毎日。けれど、旅先でしかあじわえない幸せもある。思わず目頭が熱くなった奥会津の小学校の卒業式、風に吹かれてまどろんだ中之島公園での昼寝、最上町の牧草地での乗馬。枕崎のかつおも新島のクサヤも心震えるほどうまかった。そして旅はまだまだ続く…。

    そうか、羞恥心を捨てる年齢もあるのね。
    そしてやっぱりちゃんと考えたらおかしいことが五万とあるこの社会。
    毒されない彼の視点はやはり面白いとしかいいようがない。

  • 自分の目指す所は、これくらいのエッセイってとこだろうか。

  • ゆるくていいなぁー。食べるの好きってすごく人生楽しいと思う!

  • 今回のは初期に近い面白さ。

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著者プロフィール

1944年生まれ。作家。1988年「犬の系譜」で吉川英治文学新人賞、1990年「アド・バード」で日本SF大賞を受賞。著書に「ごんごんと風にころがる雲をみた。」「新宿遊牧民」「屋上の黄色いテント」「わしらは怪しい雑魚釣り隊」シリーズ、「そらをみてますないてます」「国境越え」など多数。また写真集に「ONCE UPON A TIME」、映画監督作品に「白い馬」などがある。

「2012年 『水の上で火が踊る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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