- Amazon.co.jp ・本 (438ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167431112
感想・レビュー・書評
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大阪、茨木中学の卒業という接点のある川端康成と大宅壮一の「黎明期」を描いた文章。
大正後期は、やはり出版界が面白い。
簇出する雑誌。
投機的に次々と出されるベストセラー。
そしてこの時代といえば、何より円本。
そこに集まる人々のエネルギーの高いこと。
あとは、川端の変人ぶりが強烈だった。
フェティッシュな嗜好はともかく、まともでない金銭感覚とか、恐ろしく不器用な人付き合いとか。
後年、若き日の加賀まりこに、スカートを上げさせて、凝視したという話があるが、その人ならかくや、だ。
終章になって、少し抒情的な雰囲気が漂い、「ん? なにかこれ小説っぽいぞ」と思ったのは私のうかつさ。
最初から小説だったのね。 -
新書文庫
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ノーベル文学賞受賞者川端康成。彼はどんな人物だったのか。その青春時代とは。そして同時期に活躍した作家達も次々と登場します。
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4日で読了。学生時代に既読、読みやすい。芥川、菊池から川端、大宅まで大正期文壇の人物が生き生きと描かれ楽しい。ああ彼らも女と金に振り回された普通の若者なんだなあと。
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猪瀬直樹の描く、文学史。
マガジンと銘打ってるだけあって、登場人物がやたらやたら多いので、読む前に明治大正の文学史をおさらいしておくほうが、よいかも。
で、晩年の川端康成しか知らない私にとっても、びっくりな内容でした。
不思議だな、川端康成の小説からは、そういう卑屈さや破天荒な部分は全く感じないのに。うむ。そうやって、文学の中に自身を投影することが出来なかったことが、彼が自分で自分の幕を下ろすことになった原因なのかもしれない。
ともあれ、私は基本的に、ヒッピーとか破天荒者とか、不良とか、ヤンキーとかは、大嫌いなのだ。
人とのしての最低のルール(他人に迷惑をかけない)が守れないくせに、自分の権利ばっかり主張するのって、間違ってるだろう。
てことで、「文学」を言い訳に、おいおいなことばっかりやってる彼らに、なんだかなぁと溜息がでるのであった。
この時代に生まれてなくてよかったよww -
人文学研究のつまらなさは、消費することへの軽蔑と縦型記述が原因。この本は、徹底したヨコ型記述と文学を消費する立場が描かれている点で実に新しい。
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大正文士とマスメディアの関係を川端康成と大宅壮一を中心に描く