源氏の恋文 (文春文庫 449-1)

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  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (273ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167449018

感想・レビュー・書評

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  • 紫式部によって描きとめられた平安王朝の「雅び」は、本文中にあまた登場する恋文にこそ凝縮されているのではと感じる筆者は、紙の章、様式の章、ことばの章と章立てして恋文に凝縮される源氏物語の雅びを語ります。その造詣の深さと感性の豊かさに羨望を禁じ得ません。余談ですが、源氏は野宮に行き六条御息所と会っていますが、ここで実事があったかは原文を読んでも判然としません。筆者は実事ありと述べられており、我が意を得たりと思いました。

  • 「源氏物語」に出てくる手紙(ほぼラブレター)に焦点を当てて、紙の選び方、文字の書き方、さらにそれを結ぶのか包むのか、どの花を添えるのか、を分析します。王朝びとの美意識の奥深さ! 「源氏物語」が一層面白くなります!

  • 心を豊かにする教養の為に読む本。こういう本を手にするといつも思うのは、中高時代の詰め込み教育は決して無駄とも言い切れないと言うことです。
    今の仕事に役に立たないかもしれない古文。この授業を受け、源氏物語を読み、和歌を知ったからこそ、この本が楽しめます。
    恋文を届けるとき、どのような紙に書くか、どのような枝を添えるか、誰にもたせるか。。。奥ゆかしさとは、雅とは。いとおかしです。
    この本は、行きつけのお店の常連さんで、いつも本を携え、すばらしい本をご紹介くださる方から教えていただきました。絶版なのが残念です。古本を探して求めました。

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著者プロフィール

一九二七年東京生まれ。歌人。作家。歌集『さるびあ街』(松田さえこ名義)で第四回日本歌人クラブ賞受賞、『源氏の恋文』(求龍堂)で第三二回日本エッセイストクラブ賞受賞、第六歌集『夕霧峠』(砂子屋書房)で迢空賞受賞、『新訳:源氏物語1~4』(小学館)等の活動により神奈川県文化賞受賞。その他、著作多数。近刊に『自伝的短歌論』(砂子屋書房)がある。また「合唱組曲・蔵王」他、多くの作詞を手がける。

「2019年 『神山三輪山歌集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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