- Amazon.co.jp ・本 (524ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167502089
作品紹介・あらすじ
たいしたもんじゃないけれど、くちゃくちゃ噛んでいるうちに味が出てくるのでは…なるコンセプトのもとに結成された「東京するめクラブ」。村上隊長を先頭に好奇心のおもむくまま、「ちょっと変な」ところを見てまわった、驚天動地のトラベルエッセイ。まずは魔都・名古屋にて、名物喫茶メニュー"甘口抹茶小倉スパ"に悶絶トライ。
感想・レビュー・書評
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それぞれが独特の視点を持つ3人組が、「あえてみんなが訪れない、もしくは訪れる土地を訪問して、その面白さ、もしくは面白くなさを語る」という独特の切り口の旅行エッセイ集。
選ばれた”訪れない”土地はサハリン、江ノ島、清里、”訪れる”土地はハワイ、熱海、名古屋であり、それぞれの3人の目線が本当に面白い。特に都築響一の目線が最高。
これを読んで一番行きたくなったのはメルヘンの里、清里。うらびれた70年代メルヘンの行く先が21世紀の今、どうなっているのか、この目で見てみたい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
3人ともおとな子供みたいで、読みながら仲間に入りたくなる。
名古屋に対する、一抹の軽蔑と怖いものみたさからくる好奇心の入り交じったなんだか苦々しい感じ、あるいは塩辛い感じ、よくわかる。
赤瀬川原平の『超芸術トマソン』を思い出した。
名古屋は日本のトマソンである。
あってもなくてもいいけど、ないよりかはあった方がまし。何か変だし。
都築響一は書いている。「日本は世界の名古屋である。地球は宇宙の名古屋である。」思わず拍手したくなった。あるいは名古屋は、都市づくりにおける大いなる失敗とも言っていた。街を歩きたいという気持ちをまったく抱かせない街だとも。まったく同感。
とくに村上春樹の口調が辛辣だ。名古屋ボストン美術館不要論、これにもまた共感。名古屋はないよりはあった方がましだけれども、この美術館、今すぐにでもなくなって欲しい。なにせボストン美術館から権威をレンタルして、市民の税金がけっこう投入されているそうだから。心からそう願う。2度行ったことがあるが、正直、存在価値はない、名古屋の恥とさえ言ってもいい。 -
文春文庫 東京するめクラブ 「 地球のはぐれ方 」 村上春樹 吉本由美 都築響一
村上春樹のサハリン旅行記は 文学者の目線で とても面白い。完成度が高いが、何かの作品の材料になったのか?
「初期のサハリンは〜ワイルドな場所〜ロシア人にとって物理的な辺境であるばかりでなく、心理的な辺境でもあった」
「北海道が艱難辛苦を乗り越えて発展した屯田兵的性格を残した開拓地だとしたら、サハリンは荒々しさと絶望に彩られた流刑地的性格を残した開拓地と言える」
「そこはとても素敵な世界の端っこである〜自分の身体の中のスイッチみたいなものを切り、その静けさの中心に心を溶け込ませる。そこはとても安らかな世界だ」
他の旅行地は ちょっと変なものを見てまわって、文章のうまさで 旅行記として成立させた感じ
*失われた世界 名古屋
*62万ドルの夜景 熱海
*がんばるだけムダ ワイキキ
*誰も知らない 江の島
*メルヘンの果て 清里
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やっぱり名古屋って変だということが言語化されていて興味深かった。へんなおとなの旅がしたい。
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名古屋まで行きたい街になったら、この世の中は行きたい場所だらけ
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分厚くはあるもののパッと読める
少し古い本なので、あまり観光地の参考にはならない
しかし、旅をどう楽しむか、それは一緒に行く人と何を見つけ、何を思うかにより左右されるものなのだと再認識した
村上春樹作品は、小説よりも紀行文のほうがやはり自分は楽しく読める -
村上春樹さんを隊長とし、スタイリストでエッセイスト吉本由美さん、写真家でジャーナリスト都築響一さんお二人が隊員の東京するめクラブ。
彼らが「好奇心のおもむくまま、ちょっと変なところを見てまわるトラベルエッセイ」。
名古屋、熱海、ハワイ、江の島、サハリン、清里とまさに好奇心おもむくままな旅先。
10年以上ぶりに読んでみて、時代は変わったであろうけど、やっぱり楽しい!
ゆるさが最高。
時代が変わっても、何度読んでも、また違う発見があって楽しい〜
今もあるかな?って行って体験したくなります。
こんな気のむくままなゆる旅がしたいな〜 -
サハリンについて知りたくて読みましたが、地元名古屋への深すぎる?洞察に、笑いながら、納得するところ多かった。味わい深い本です。
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都築響一さん本5冊目。村上春樹さんとのコラボということで、楽しみに買って帰りました。樺太旅情がいちばん面白かった。ゴールデンカムイ、熱源と樺太話にカブれていたので。