- Amazon.co.jp ・本 (512ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167549077
作品紹介・あらすじ
未曾有の連続誘拐殺人事件(「模倣犯」事件)から9年。取材者として肉薄した前畑滋子は、未だ事件のダメージから立ち直れずにいた。そこに舞い込んだ、女性からの奇妙な依頼。12歳で亡くした息子、等が"超能力"を有していたのか、真実を知りたい、というのだ。かくして滋子の眼前に、16年前の少女殺人事件の光景が立ち現れた。
感想・レビュー・書評
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模倣犯から9年後のスピンオフ物語。
宮部みゆきらしい繊細な描写、詳細な設定で最後まで飽きずに読了。
不思議な力を持った人物が登場する話は宮部みゆきはいろいろ執筆されてますが、こちらは最後にホロリとさせられる悲しくも優しい物語でした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
模倣犯事件から9年、静かに暮らす前畑滋子の元に現れた謎の絵を書くすでに死んだ少年と、その母
そこに重なる風見蝙蝠の家で見つかる少女の死体
9年前の重い記憶を抱えながら前畑は新たな調査へ向かう
宮部みゆきさんのミステリーは登場人物に血肉が通っている
読む方も感情を揺さぶられて血が流れるような思いだけど止められない -
下巻に総括。
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上下巻完読
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模倣犯のキャラクターの続編的な
作品。
ラストのくだりがとても暖かい気持ちに
させてくれます。 -
面白い。続きが気になります。
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下巻にまとめて
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主人公の前畑滋子。既視感があると思ったら案の定、『模倣犯』のライターだったとは!
ひとこと、拍手を送りたくなる作品だった。
人情味あふれるミステリー。あたたかい涙を流し頁を閉じた。
殺人事件の多くは家族・身内によるもの。そこには他人にはうかがいしれない葛藤がある。身内に警察のお世話になってしまうほどの行状のよろしくない者がいて、その家族はどうしたらよいのか。切り捨ててしまえるのか。厄介者を抱えた家族はどのように幸せをつかめばよいのか。
核家族中心の社会においては、けっこう見過ごされがちな大きな課題だ。
「楽園」というタイトルの意味がまだ腑に落ちてはいない。しかし、神の怒りにより楽園を追われた人間たちが楽園に戻りたいともがくのが生きるということなのかと、自身の頭に納得させておこう。
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ストリート的には好きかな。
12歳の少年の絵‥不思議な能力??
それらを解き続けるフリーのルポライター
との物語。下が早く読みたい -
模倣犯から9年後の話。超能力モノ。
ライター前畑さん視点で進む。既出の登場人物のため、人物の深掘りがない分サクサク読めた。
どういう結末になるか、下巻が楽しみ。 -
大作 模倣犯の登場人物、前畑滋子が主人公の話。
宮部みゆきの本ってずっしりとした安定感がある。クセの強い表現を使わず、スっと入ってくる。この本もそんな文体でした。
ここまで目まぐるしい展開がある訳ではなく、見方によっては単調だけど、文体のおかげで飽きずに読むことができました。 -
宮部みゆきの長編ミステリー。
レビューをわけていなかったので、全体通しての感想。
〜以下、作品紹介引用〜
未曾有の連続誘拐殺人事件(「模倣犯」事件)から9年。取材者として肉薄した前畑滋子は、未だ事件のダメージから立ち直れずにいた。そこに舞い込んだ、女性からの奇妙な依頼。12歳で亡くした息子、等が〝超能力〟を有していたのか、真実を知りたい、というのだ。かくして滋子の眼前に、16年前の少女殺人事件の光景が立ち現れた。16年前、土井崎夫妻はなぜ娘を手にかけねばならなかったのか。等はなぜその光景を、絵に残したのか? 滋子は二組の親子の愛と増、鎮魂の情をたぐっていく。その果てにたどり着いた、驚愕の結末。それは人が求めた「楽園」だったのだろうか――。
「模倣犯」に登場した前畑滋子が登場する作品であり、続編と言える作品(僕は本質的に模倣犯の続編とは思っておらず、登場人物が同一の別物としている)
前畑滋子の生活が垣間見れる作品であり、模倣犯事件を引きずってしまっている様子や、夫、会社などかのじょの生き様が描写されていく。
こういった部分の面白さは筆者の得意とする部分であり、その他の登場人物達も魅力溢れるキャラクター達だ。
宮部みゆきの作品では、現実からかけ離れた、超常現象やファンタジーを取り込む作品が沢山あるが、今作でも亡くなった息子が超能力者である事に悩む依頼者など、不思議な世界観をミステリーと合わせて盛り込んでいる。
(下巻に続きのレビュー) -
模倣犯の続き
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複数感を平行に読破月間。今これで3シリーズ目かな。もうちょっと行けそう。
とある事件で精神的に参ってしまい、犯罪ジャーナリストを退いた前畑滋子。フリーペーパーの編集という形で物書きを続けていたが、ある日、滋子を頼って50絡みの女性が訪ねてきた。萩谷敏子というその女性は、交通事故で亡くした息子の不思議な絵について話したいのだという。その絵の家には特徴的な飾りと、不気味な少女が描かれていた…。
一応『模倣犯』の続編なのだそうで、前半の終わり際になんとなくそういう話が出てくる。しかし、あの長い『模倣犯』を知らなくても読める作品というか、あれとは全然方向性の違う作品である。『鳩笛草』→『クロスファイア』のときのようにはつながっていないので、本作だけを手にとっても問題はない。『クロスファイア』→『RPG』くらいの繋がり。
宮部みゆきのハズレ作品シリーズである『鳩笛草』あたりから、やめるにやめられなくなったと思われる、超能力ミステリ物なのだが、一応誰も「そういうものは無いと仮定して」という話なので、まあまあ読みやすく、いつもの調べたものを、カット&ペーストしただけですよね?という部分も少なめである。
でもまあ、序盤から「サイコメトラー」と言葉を定義もせず使って、読者に押し付けてくるのはいただけない。読者は「サイコメトラー」に気を引かれてしまうが、その部分を上巻で解き明かしたり説明したりする気はないのなら、もう少しわかり易い言葉で一旦薄めたほうが良かったのではないか。
なお上巻では、『模倣犯』にはたびたび触れるものの、そちらに囚われないように別の事件を追う形になっていくところも、本作が読みやすい部分であろう。続編というより、同じキャラクターを用いたスピンオフという形なのだろう。
難点を言うと、どちらも割と分厚い上下巻の上巻を終わった時点で、特に話の盛り上がりがあるわけでもなく、平坦になんとなくだらだら続いていることと、何となくわかるが、自己満足なのでは?という「断章」の挿入があること。断章はこま切れすぎるので、起こるべくある事件を、読者が読み取れないままになるのではないか。もう少しまとめて、上巻で2箇所くらいにしたほうが良かったのではないか。
また、宮部みゆきで毎度出てくる不思議な言語感覚に時々引っかかる作品でもある。
またでたよ「おっつかっつ」
https://booklog.jp/users/tikuo/archives/1/4093792658
『模倣犯』でもツッコんでたな。『名もなき毒』でも出てくるんだよね。何がそう気に入っているのか、全くわからない単語だし、ト書きで1回というわけではなく、いちいち会話に突っ込んで来るから気になるのだ。編集の人も直さないのか。
まあ読みやすいし、下巻も読みやすそう。
キリキリくるような話でもなさそうなので、暇つぶしに買っても外れなさそうだ。
下巻に続く。 -
下巻にまとめて -
「宮部みゆき」の長篇小説『楽園』を読みました。
『名もなき毒』に続き「宮部みゆき」作品です。
-----story-------------
進化し続ける作家「宮部みゆき」の最高到達点
ライター「滋子」の許に舞い込んだ奇妙な依頼。
その真偽を探るべく16年前の殺人事件を追う「滋子」の眼前に、驚愕の真実が露になる!
〈上〉
未曾有の連続誘拐殺人事件(「模倣犯」事件)から9年。
取材者として肉薄した「前畑滋子」は、未だ事件のダメージから立ち直れずにいた。
そこに舞い込んだ、女性からの奇妙な依頼。
12歳で亡くした息子「等」が"超能力"を有していたのか、真実を知りたい、というのだ。
かくして「滋子」の眼前に、16年前の少女殺人事件の光景が立ち現れた。
〈下〉
16年前、「土井崎夫妻」はなぜ娘を手にかけねばならなかったのか。
「等(ひとし)」はなぜその光景を、絵に残したのか?
「滋子」は2組の親子の愛と憎、鎮魂の情をたぐっていく。
その果てにたどり着いた、驚愕の結末。
それは人が求めた「楽園」だったのだろうか??。
進化し続ける作家、「宮部みゆき」の最高到達点がここにある!
解説「東雅夫」
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連続誘拐殺人事件を描いた長篇ミステリ作品『模倣犯』の9年後を描いた作品で、前作で重要な役回りを担っていたフリーライター「前畑滋子」が、16年前に発生した両親が娘を殺害した事件を追う物語です… 前作との関係性はなくはないのですが、知らなくても困らない程度だったし、新しい事件をサイキックパワーで解決する物語なので、『模倣犯』を未読だったことは、あまり気になりませんでした、、、
上下巻で950ページ近い大作でしたが、比較的サクサクと読めたので、意外と時間をかけずに読了しました… 「宮部みゆき」作品は読みやすいですね。
■第一章 亡き子を偲ぶ歌
■第二章 第三の眼
■断章Ⅰ
■第三章 再会
■断章Ⅱ
■第四章 見えざるもの
■第五章 事件
■断章Ⅲ
■第六章 妹
■第七章 幻視
■断章Ⅳ
■第八章 子供の事情
■第九章 暗部
■断章Ⅴ
■第十章 遠くからの声
■第十一章 秘密
■第十二章 たどり着いた場所
■第十三章 ピリオド
■終章 楽園
■解説 東雅夫
無残な連続誘拐殺人事件から9年… 意外にも「前畑滋子」は、事件に関する著作をまとめることもなく、それどころか5年近くライター業そのものから遠ざかって、失意の日々を過ごしていた、、、
被害者と加害者双方の肉親たちと深く関わった「滋子」自身が、事件によって深甚なダメージを被り、敗北感や自責の念に苛まれていたのである。
下町人情の権化のごとき夫「昭二」の理解や励ましにより後押しされてライター業を再開し、3年前から小さな編集プロダクションに勤務するようになっていた「滋子」のもとに、ある日、奇妙な客がやってくる… 外見も物腰も母親の塊のゆな中年女性「萩谷敏子」は、交通事故死した愛児の遺品だというノートを取り出し、「滋子」に示す、、、
「敏子」は、12歳で死んだ息子の「等(ひとし)」が超能力者で、たまさか脳裡に浮かぶ過去や未来の光景をノートに描き残していたと信じていた… 一途に亡き子を偲ぶ「敏子」の心情と温かな人柄にほだされた「滋子」は、困惑しながらも、「等」が遺した絵の調査をするという依頼を引き受ける。
そして、その過程で、もうひとつの「亡き子」… 両親によって密かに殺害され、16年の間、自宅の床下に埋められていた少女「土井崎茜」を巡る悲痛な事件と、否応なく関わっていくのだった、、、
不慮の事故により愛児を喪った「敏子」の願いに親身に寄り添い、困難な真相究明の仕事に粘り強く携わることによって、「滋子」もまた、9年前の事件で負わされた心の深い傷を癒し、再起への途をゆっくりと、着実に歩み出す。
「等」の遺した絵の謎を探る中で、「等」の出生の秘密、ある意味憑かれたような「敏子」の家系、「土井崎茜」の殺害事件の真相や動機、殺害後に両親が何者かに強請られていたこと、「等」の通っていたボランティア団体「あおぞら会」の抱える闇… 等々、次々と新たな謎が提示され、それが、関連性を持ちながら明らかになる展開は、パズルのピースがはまる感覚が愉しめましたね、、、
でも、警察関係者の手助けがあるとはいえ、「滋子」の地道な調査と「敏子」の不思議な能力で、うまーく謎が解決できるのは、ちょっと出来過ぎ感はありましたが… まっ、プチ感動が味わえるエンディングも良かったし、愉しめたからヨシとしましょう。
以下、主な登場人物です。
「前畑 滋子(まえはた しげこ)」
フリーライター
「高橋 治美(たかはし はるみ)」
弁護士
「萩谷 敏子(はぎや としこ)」
事件の依頼者
「萩谷 等(はぎや ひとし)」
敏子の息子
「土井崎 元 (どいざき げん)」
父親
「土井崎 向子(どいざき こうこ)」
母親
「土井崎 茜(どいざき あかね)」
長女
「土井崎 誠子(どいざき せいこ)」
次女 -
宮部みゆきの小説は、この楽園みたいに、この話はいったいどっちに転がっていくものなのか、読み進めても、読み進めてもサッパリ分からないタイプのお話がある。
亡くなった子供が異能者だったのか知りたい母親が、前畑滋子の元にやってくる。
けれどこれ、子供は亡くなっているからいくら調べたところで真実は分からないし、もし分かったとしても亡くなってるから、どうしようもないじゃない、調べたって意味無いじゃないって所からスタートするお話なんですよね。
それなのに、なぜか引き込まれる。着地点がどこなのかサッパリ分からないのに、なんだか分からないまま、この小説の中で生きている人物の話に引き込まれてしまう。
下巻も楽しみ -
「模倣犯」から9年、事件を追いかけ、網川の化けの皮をはいだ、前畑滋子の新しい事件。
。。の前に、そっか、あんなに頭が良さげだった網川はおかしくなってしまったのか。。。
さて、本題。宮部さんにして、久々の超能力モノ!?再読(もちろん単行本発売時に買って読んだ。友人に貸したら返ってこなくてフリマで文庫を購入。WOWOWドラマがキッカケ。それも見た)の割には全然思い出せないけれど。。。
はさみこまれる断章が、超、気になって、そして、怖いんですけど。。。
前畑さん、真実を求めて、再び、ガンバレ!
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「模倣犯」事件との、緩やかながらも濃厚な繋がりの物語。やはり、巧い!
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宮部さんの『ソロモンの偽証』『模倣犯』『長い長い殺人』を読み終えてから、『模倣犯』の9年後のストーリーということで手に取った。
前畑滋子が調べることになった、12歳で亡くなった少年が本当に超能力を有していたのか?
引き込まれて上巻はあっと言う間に読了。
早く下巻で展開が知りたい!楽しみ。
また早くに息子を亡くしてしまった萩谷敏子さんが、息子を思い出しては涙する姿に、心悲しくさせられた。
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宮部みゆきは家族のリアリティがえげつないと思っているので、超能力…?と身構えていたけど問題なし。家族愛も憎悪もリアル。中盤から止まらなくなった。ついでに学校の嫌な描写もリアル。
網川が控訴とか相変わらずせこくて何故だかほっとした。「みんな忘れるよ。あんたのことなんか、みんな忘れちまう」は本当だったんだなと思う。 -
等君は本当に超能力を有していたのか?それが気になり、あっという間に上を読み終えた
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模倣犯を読んでいて続編と聞いたので読んでみました。滋子がライターなのに探偵のような仕事を受けているような気がしました。
等が超能力を持っているのかどういう結末なのか楽しみです。このタイトルの楽園というのはどういうことなんか。 -
感想は<下>で
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「模倣犯」の事件から9年後、ライターの前畑滋子に子供を事故で失くした女性から連絡があった。
その子供は超能力を持っていたのてはないかと言い、それが事実なのかを確かめたいと言う。
なんとも無茶な話だけど、その子供の描いた絵の中に9年前の光景があり、滋子は愕然とする。
2021.6.20 -
模倣犯の続編ということですが、模倣犯は未読の私でも楽しめる内容でした。
なんとなく不気味なお話ですが、真相が気になってついつい読み進めてしまいました。
等は人の記憶を見る力が本当にあったのか、なぜ茜は両親に殺されたのか、そして合間の『断章』は滋子が追う真相とどう繋がるのか。
すごく気になります。
下巻を早く読みたいです。 -
模倣犯の続編。滋子のもとに超能力を持っているかもしれない少年、等について調べてほしいと依頼がくる………。
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面白い