- Amazon.co.jp ・本 (237ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167577018
感想・レビュー・書評
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階級も信条も異なる人々が集う書店。
生きてゆくことは出会いと別れの繰り返しであること。
読み終わった後、少しの切なさと
静かで温かな喜びに包まれる感覚がしました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
2020年1月19日に紹介されました!
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読めば読むほどに味わいが深くなり、ミラノの街の風景とその世界にどんどん引き込まれていく。
でも何だかもの悲しく感じる。
30年の時を経て紡ぎ出される、遠い昔になじんだ人たち。
年老いてもなお、心に寄り添うさまざまな想い。人生は儚い。
やがて孤独と向き合い、それでも想い出は人の心に生き続ける。 -
コルシア書店の仲間たち 須賀敦子 文藝春秋
昔読んだ事があるのに
なぜまた手にしたのかわからない
エッセイという知識を転がす
乙に済ました遊びが好きでないのに
重たい本に気が滅入っている間の気晴らしだったのか
いずれにしても外を描くことで間接的に自分を押し出す
こうした表現には貴族趣味を覚える -
著者が出会った個性豊かな人たちが、イタリアの生活や時代背景とともに描かれている。どんな人にも魅力的なところがあるのだということを気付かされた。
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著者がイタリアに留学し、ミラノの小さな書店に集う人々と交流した若き日々をたどるエッセイ。
当時はまだ日本人女性が珍しかったせいか、さまざまな人に紹介されたり、招待を受けたり。
何かをスルドク分析するとか考察するとかではなく、とても素直な目で、書店の仲間たちの姿が、丁寧に淡々とつづられているのが心地良い。
その昔、学生時代に冷やかしによく立ち寄った、見たことのない雑誌や単行本、自費出版本ばかりの書店を思い出した。
最近、店内でくつろいでお茶を飲めるとか、読書会を開くとか、店主の個性を反映したユニークな書店がちらほら。
いつかそんな書店で時を過ごした誰かが、こんなエッセイを書くかもしれない。
ネット書店は便利だし、電子書籍もいいけれど、やっぱり街でへ出て、本を買おう! -
須賀敦子氏の作品を読むのは「トリエステの坂道」に次いで2作目。ミラノのコルシア書店での仲間たちとの思い出を語っている。
出会いと別れ、年月の経過による人の変節など少し物悲しいけれど、どこか心温まる話が散りばめられている。それと文章が美しい、というか洗練されている。
大切な人との死別、友人との別離等があっても、人は全くの孤独ではない。 -
かつてイタリアのミラノに存在した小さな書店を共同体として集まった仲間たちを、著者の目線で綴ったエッセイ。
回顧録といってもいいかもしれない。
時は1960年代。
情熱を燃やして集う仲間たちの生き生きとした姿、人間味溢れる姿は最後までとても美しい。