白仏 (文春文庫 つ 12-2)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (299ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167612023

感想・レビュー・書評

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  • 食い入ってしまった。ページをめくる手が止まらなかった。

  • 骨で白仏を建立するお話。辻ワールドらしからぬ傑作。この作品で辻さんを見直しました。

  • 大学2回の時に読みました。
    これも生きる意味を考えさせてくれました。辻の祖父をモデルにした小説で、明治〜昭和の激動の時代に翻弄されながらも、逞しく生きる姿が描かれています。愛する人を亡くす一方で、戦争で自分自身が人を殺めたことで芽生える罪悪感の中で、主人公は死生観を思いめぐらしていき、ムラの人の骨を集めて仏を作ることを決意します。

     仏教の輪廻の思想が随所にあらわれ、またキルケゴールの名言、死は敗北ではないということばが随所に登場し、この二つの柱がストーリーの柱となってきていると思いました。

     なかなか奥の深い作品でした。心に残る名著の一つです!!

  • 過去と現在と未来を繋ぐ、生と死の世界を超越する白仏の像。人はどこから来て、どこへ行くのか。人間の至上命題であるこの問いに、生と死を通奏低音に奏でる。生の実感。死は敗北ではない。読み終わった後には、死に対する安らかな気持ちが芽生えることだろう。逆に、生きることの喜び、生をかみ締めることのすばらしさを体感できる。

  • 死と愛に向き合った作品。初恋の女性が虐げられ無言の帰島を果たしたシーン、数十年後に墓を掘り起こすシーン。この二つが重かった。明治から戦争に突き進んだ時代と進んだ彼の人生。重い。辻の奥深さがよく出てる。辻が苦手な人にこそお薦め。

  • 初めて読んだときはこんな話も書くんだ〜って感動しました。作家辻仁成はここです。

  • 辻仁成作品の中でもっとも美しいのでは。文字通り生まれてきた原点を感じさせる作品。

  • 辻さんの著作の中でも、とても人の描写が繊細だと思う。繊細さと強さが共存している不思議な作品

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著者プロフィール

東京生まれ。1989年「ピアニシモ」で第13回すばる文学賞を受賞。以後、作家、ミュージシャン、映画監督など幅広いジャンルで活躍している。97年「海峡の光」で第116回芥川賞、99年『白仏』の仏語版「Le Bouddha blanc」でフランスの代表的な文学賞であるフェミナ賞の外国小説賞を日本人として初めて受賞。『十年後の恋』『真夜中の子供』『なぜ、生きているのかと考えてみるのが今かもしれない』『父 Mon Pere』他、著書多数。近刊に『父ちゃんの料理教室』『ちょっと方向を変えてみる 七転び八起きのぼくから154のエール』『パリの"食べる"スープ 一皿で幸せになれる!』がある。パリ在住。


「2022年 『パリの空の下で、息子とぼくの3000日』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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