- Amazon.co.jp ・本 (299ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167612023
感想・レビュー・書評
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食い入ってしまった。ページをめくる手が止まらなかった。
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骨で白仏を建立するお話。辻ワールドらしからぬ傑作。この作品で辻さんを見直しました。
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大学2回の時に読みました。
これも生きる意味を考えさせてくれました。辻の祖父をモデルにした小説で、明治〜昭和の激動の時代に翻弄されながらも、逞しく生きる姿が描かれています。愛する人を亡くす一方で、戦争で自分自身が人を殺めたことで芽生える罪悪感の中で、主人公は死生観を思いめぐらしていき、ムラの人の骨を集めて仏を作ることを決意します。
仏教の輪廻の思想が随所にあらわれ、またキルケゴールの名言、死は敗北ではないということばが随所に登場し、この二つの柱がストーリーの柱となってきていると思いました。
なかなか奥の深い作品でした。心に残る名著の一つです!! -
過去と現在と未来を繋ぐ、生と死の世界を超越する白仏の像。人はどこから来て、どこへ行くのか。人間の至上命題であるこの問いに、生と死を通奏低音に奏でる。生の実感。死は敗北ではない。読み終わった後には、死に対する安らかな気持ちが芽生えることだろう。逆に、生きることの喜び、生をかみ締めることのすばらしさを体感できる。
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死と愛に向き合った作品。初恋の女性が虐げられ無言の帰島を果たしたシーン、数十年後に墓を掘り起こすシーン。この二つが重かった。明治から戦争に突き進んだ時代と進んだ彼の人生。重い。辻の奥深さがよく出てる。辻が苦手な人にこそお薦め。
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初めて読んだときはこんな話も書くんだ〜って感動しました。作家辻仁成はここです。
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辻仁成作品の中でもっとも美しいのでは。文字通り生まれてきた原点を感じさせる作品。
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辻さんの著作の中でも、とても人の描写が繊細だと思う。繊細さと強さが共存している不思議な作品