カカシの夏休み (文春文庫 し 38-1)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (410ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167669010

感想・レビュー・書評

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  • ■重松清さんの全作品を感想文にしてブログで挑戦中です。
    重松清ファン必見!
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  • 表題作の「カカシの夏休み」を含め、「ライオン先生」、「未来」の全3編を収めた一冊。
    特におすすめなのは、「ライオン先生」かな。
    これに、勝手に副題をつけるとしたら〜あるキンパチ先生の葛藤〜なんじゃないかって思います。笑
    ともあれ、どの作品も「幸せって何か」という出発点から、
    ぼんやりと、でも、どこか皆が共感できる本音とか、
    きっと一度はぶつかる「ああ、あるある」ていう壁を
    すごく丁寧に描いている。そういう作品たちです。
    そして重松さんはいつだって中高年のおじさんの味方ですな。

  • 2007年
    この人は、昔学校の先生だったのかなぁ
    と思うほど、学校の話が多い。
    学校の話はきっと、いろいろあって
    尽きることのないテーマだと思う。

  • 表題作のほかに、「ライオン先生」と「未来」の作品が入ってる。
    3作品とも「学校」に関わる話で、将来教師になる人は読んで欲しい。
    教師は安定職って言われるけど、決して楽な仕事ではない。
    「ライオン先生」の主人公の親子関係が凄く好き。

  • 久しぶりにめちゃよかったーーーっていう重松清さんの作品。
    特に「ライオン先生」
    ライオン先生は妻(元教え子)に「ライオン先生」って言われてから、年取って髪が薄くなっても鬘をはずせずにいた。
    娘は二重にしたい、整形したいって言っていて戸惑ってる(でもふたりの関係はいい)
    ライオン先生は熱血なんだけど「本当の自分」になかなかさよならできない。
    それは心も身体も(かつら)
    リストラされた父を持ち、あぁいうふうになるなら学校行く必要ないって思ってる生徒と向き合う。。。
    とうとう鬘もストレスとなり、はずして、そしてありのままで生きていこうとするその姿や勇気、先生は嫌だけど、なんかいいって思った。
    あと2つはダムに沈んだ村出身の同級生が自殺してしまった同級生の遺骨を持っていく話。
    命の重み。そして骨の軽さ。。。。
    あとは自殺の前日に電話されてから心の病気になった女の子の弟の同級生が自殺。
    遺書には弟の名前。。。
    マスコミで大反乱。弟もショックを受けるんだけど、でも遺書はクラス全員分あって、たまたまだった。。。。。。。
    うーん果てない、若い、そしてなんともいえない。

  • 三つの短編集からなる小説。たくさんの作家に手を出さずに少数の好きな作家の作品をたくさん読むタイプなので「一概にこうだっ!」なんて強く言えないけど、小説の中には金言がたくさん含まれているように感じる。それはやはり、小説家が鋭い考察者であり文章のプロだからなのだろうか。たとえばこの著書の中に含まれている「未来」という作品について。読み込む前にいつもタイトルから内容を予測しようとする僕にとっては、辞書通りの「未来」に関するストーリーなのかなぁっていかにも幼稚な考えを抱いていた。ところがどっこい、内容はそんな希望的なものではなくむしろ暗め。その中で、同級生の自殺によって全くカンケーのない少女が「ひとごろし」と呼ばれるようになるですがその彼女の一言、

    「だって、そうだよ、死ぬのは勝手だけど、ひとの人生までねじ曲げないでほしい。わたしは、高校を中退しなければ、いまごろは保母さんになるために短大か専門学校に通っているはずだった。長谷川くんの生きなかった未来には、わたしの生きられなかった未来もあるってこと、あの人はわかっているのだろうか。」

    普段から表面上のことにしか目のいかない自分なのでこういう逆をとった台詞というのは存外心に響く。ってこんなこと書いたところで僕の伝えたいことがうまく伝わらない気がするので終了です。とにかく重松作品は素晴らしいです。

  • 重松さんらしいです。

  • 夏休みの旅行の機上で、重松清を読みました。「未来」が良かったです。いじめの加害者の側から自殺による「死」とそれに取り込まれたヒトを描いています。「自殺」は周りのヒトの「未来」をも奪います。「カカシの夏休み」は「カシオペアの丘で」のプロットのようです。

  • 重松さん的哀愁。

  • 学生のときは教師なんて嫌いなだけの存在だったけど、これを読むと先生もいろいろあるよね…と思ってしまった。天気いいのに妙に涼しい日、みたいな雰囲気。

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著者プロフィール

重松清
1963年岡山県生まれ。早稲田大学教育学部卒業。91年『ビフォア・ラン』でデビュー。99年『ナイフ』で坪田譲治文学賞、『エイジ』で山本周五郎賞、2001年『ビタミンF』で直木三十五賞、10年『十字架』で吉川英治文学賞を受賞。著書に『流星ワゴン』『疾走』『その日のまえに』『カシオペアの丘で』『とんび』『ステップ』『きみ去りしのち』『峠うどん物語』など多数。

「2023年 『カモナマイハウス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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