草笛の音次郎 (文春文庫 や 29-4)

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 236
感想 : 19
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  • Amazon.co.jp ・本 (453ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167670047

感想・レビュー・書評

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  • 時代劇は今はなくしてしまったものを現前に提示するのに、最適なんだなぁと、当たり前のことを思い出させて頂きました。筋を通す、潔さが良いですね。そしてそれを守り伝える人の姿も。

  • 父の本です。何気なく読み出したら止まらず…
    多分夜の10時くらいから読み出したのですがこませの十郎捕り物前まで一気に読んでしまいました。

    山本一力氏の本は何度か読んでいたのでこの方の本なら、と安心して読み始めました。何せ面白かったのが渡世人らしくない主人公音次郎が初めての旅で失敗だらけで苦労を重ねる所が。何事も最初に経験するときって思うように行かないよなあ、と言う親近感がもてました。それが経験を重ねることにより、本来性質として備えている音次郎の性格のまっすぐさと器量の深さが発揮されあっという間に一冊終わってしまいました。
    出来れば江戸までの帰り道中もつぶさに書いて欲しかった…きっと珍道中だったろうなあ。
    自分千葉在住なので音次郎が香取に赴く、と言うのも面白かったです。

    後脇を固める登場人物がこれまた魅力的です。貸元はそれぞれ渋くてかっこいいですけど自分が一番かっこいいな、と思ったのは音次郎の母君です。息子の初旅に考え付くすべてを用意し、それを心良く送り出す、愛情と潔さ。それでも音次郎が帰ってくると聞いたその日から息子の好物を用意する情の深さ。今時の若い(精神的に)お母さんに是非見習って欲しいものでございます。

  • 読了日不明

  • いつもの作風であっという間に読了。
    主人公を取り巻く代貸、貸元・・・
    主人公の器量よしがいい大人を呼び寄せるのだろう。
    何か起こるのだろうと先が楽しみで気になって一気読み(笑)
    読んだあとの爽快感はいつも通りである。

  • 12/13/09図書館

  • 親分の名代として佐原へ旅する音次郎。
    仁義の切り方も知らなかった若造が、旅で出会った大人たちに磨かれる。
    股旅モノです。
    すいすい安心して読めたな~
    この人は、短編より長編のほうが好きだわ

  • 初版本

  • 渡世人の股旅物。現代の日本なら何時間かでいける距離だが、何ヶ月も時間をとるのはただ行けばよいというものではなく、旅の中で成長してこいという親分の思いあってのことだ。
    これを読んで思ったのは私の亡くなった師匠はこの世界を地で行く人だったんだなあということ。そう思うと、よく分かっておらず失礼な振る舞いがたくさんあったことに気付く。師匠の名前を背負っているということを常に意識しないといけない。そして今の師匠に対しても気持ちを改めて接しなければ。

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著者プロフィール

1948年高知市生まれ。都立世田谷工業高校卒。旅行代理店、広告制作会社、コピーライター、航空関連の商社勤務等を経て、97年「蒼龍」でオール讀物新人賞を受賞。2002年『あかね空』で直木賞を受賞。江戸の下町人情を得意とし、時代小説界を牽引する人気作家の一人。著書多数。

「2023年 『草笛の音次郎』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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