打ちのめされるようなすごい本 (文春文庫 よ 21-4)

著者 :
  • 文藝春秋
4.05
  • (135)
  • (140)
  • (69)
  • (22)
  • (1)
本棚登録 : 2183
感想 : 136
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (592ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167671044

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 万里さんの評論集!

    もう本当にこの人の知見の広さに脱帽!大 好きです。

    ロシア関係、アメリカ関係のお話は正直に言ってよく分からなかったのですが、
    とにかく読んでいる本の量に驚きました。 第一人者と言われる人は、やっぱり並外れた努力をしているのね…。

    エリツィンが万里さんのことを気に入ってたという後書きを読んで、人間的にも大きな人だったんだろうなぁと思いました。

    憧れるー!

  • 米原万里の訃報はついこの間と思っていたのに、もう6年経つことに衝撃だった。
    豊饒ともいえる日本語の語彙力と知識、ロシア語に堪能なだけに政治に関する知識も半端ない。
    彼女の魅力は本に対する愛情が深いことだ。
    彼女が賞賛する本は、どんなに難しくても読みたくなる。

    おかげで、読まなければならない本が増えた。
    うれしいやら悲しいやら。

  • とにかく知見の広さと読書量に圧倒される一冊。
    米原万里は他にない書評家だと思う、彼女は決してある本を単純にそれだけで批評したり謳歌したりしない。自分の実体験で考えていることだったり、既に知っているほかの背景/書物だったり、そんなものといとも簡単そうに書物を結びつけて語れるのだ。
    彼女の書評の奥行きは、すーーとその一冊の本を飛び越え、関連領域をも飛び越え、世界に繋がる。

    ロシア/東欧について知りたい人は、とにかくこの本の中にあるリストを参考にすればいいのではないかと思う。

  • 書評集なので、ぼちぼちと読む。
    読んでいくと読みたい本がどんどん増える。

    読者が打ちのめされるのは、紹介される本に対しても、米原万里さん対しても。
    米原さんは、もういないのか、というその事実にも。

  • 著者が選んだ「打ちのめされるようなすごい本」を紹介している本かと思って読み始めたが、この本が「打ちのめされるようなすごい本」

  • 何がすごいって、米原さんの書評がすごい。
    どんな本でも楽しく読めてしまう幅広い知識には脱帽。米原さんの手にかかれば、難しいロシアの歴史本もエンターテイメントのようにおもしろそう。書評にある全ての本を読みたくなってしまうほどです。
    ガンで亡くなったのが本当にもったいないこの才能。もっと米原さんの本を読みたかった。知識を吸収したかったなあ。
    ガンになってからの書評はつらい・・・藁にでもすがりたいとはよく言うけれど、どんな療法でも、試してみて、治りたかったんだろうなというのが、よくわかって・・・でも、冷静になろうよ・・・とも思う。自分がガンになったら、冷静じゃいられないよな・・・

  • 「ああ、私が10人いれば、すべての療法を試してみるのに」。2006年に逝った著者が最期の力をふり絞って執筆した壮絶ながん闘病記を収録する「私の読書日記」(「週刊文春」連載)と、1995年から2005年まで10年間の全書評。ロシア語会議通訳・エッセイスト・作家として活躍した著者の、最初で最後の書評集。解説・丸谷才一/井上ひさし
    (2006年)
    --- 目次 ---
    第一部 私の読書日記
    第二部 書評 1995~2005
    解説 思索の火花を散らして/井上ひさし(作家)
    文庫版のための解説 私は彼女を狙ってゐた/丸谷才一(作家)

  • 「「ああ、私が10人いれば、すべての療法を試してみるのに」。2006年に逝った著者が最期の力をふり絞って執筆した壮絶ながん闘病気を収録する「私の読書日記」(「週刊文春」連載)と、1995年から2005年まで10年間の全書評。ロシア語会議通訳・エッセイスト・作家として活躍した著者の、最初で最後の書評集」

  • 長かったー!生半可な覚悟で読むものじゃない。書評するには膨大な数の作品を読み込み、本を心の底から愛する気持ちがなければ簡単には出来ないものだと痛感させられた。

  • 米原万里の文章を読んでいるとロシア語の前に日本語が巧いことに唸ってしまう。こんなに日本語の文章が巧くて、膨大な読書もできて、ロシア語の達人でもあるという才能の豊かさに嫉妬しまうのだ。
    しかし、そんな才女も完全無欠ではない。共産主義に傾倒しているせいなのか、その思想に若干の歪みがある。理論的な解析は極めて鋭いが、理性では判定できない事柄を無理に解析しようとして歪みが生じている。例えば、政治や宗教に対する見方に歪みがある。
    とはいえ、それを割り引いても本書は学ぶところが多い。彼女が「打ちのめされた本」を知ることができると同時に、彼女のものの見方を知ることもできるからだ。
    米原万里は2006年にガンで亡くなった。56歳だった。あまりに早い。才能ある人はやはり短命なのか。本書の最大の価値は、その闘病が垣間見れることであろう。
    彼女ほどの知性の持ち主がなぜ56歳という若さで死ななければならなかったのか。これは完全に私の主観であるが、彼女の理性が彼女の死期を早めてしまったように思えてならないのだ。

全136件中 31 - 40件を表示

著者プロフィール

1950年東京生まれ。作家。在プラハ・ソビエト学校で学ぶ。東京外国語大学卒、東京大学大学院露語露文学専攻修士課程修了。ロシア語会議通訳、ロシア語通訳協会会長として活躍。『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』(角川文庫)ほか著書多数。2006年5月、逝去。

「2016年 『米原万里ベストエッセイII』 で使われていた紹介文から引用しています。」

米原万里の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×