かなたの子 (文春文庫 か 32-10)

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 787
感想 : 80
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167672102

感想・レビュー・書評

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  • 即身仏の話と子供の罪の話

  • よにきみょっぽい

  • なかなかに憂鬱な短編たち。それが著者の文章力で、もう生々しくて、ドロドロしてて、ちびりそうでした。

  • 角田さんの作品は好きなので何冊か読んでいますが、
    角田さんといえば家族の絆であったり、女性同士の友情などの
    作品が多いのでこのような作品は初めてなので新鮮というか驚いてしまいました。

    おみちゆき』のような土俗的な即身成仏伝説は聞いたことがありますが、
    この作品のように細かく描かれているのは初めてなのでとても生々しくぞっとする思いがしました。

    どの作品でも子供と女性が絡んでいて、
    短編の前半であった出来事が後半とどこかで交差していて、
    不思議な感覚の作風でした。

    女性はいつの時代、どんな時にも子供とは切っても
    切り離せないということが分かります。
    そのために女性が子供の事で束縛されたり、
    周りの人からも何か言われて悩まされたりしていて
    因果なものだなと思いました。

    こんな近代的な今でも昔から伝えられている
    その土地の言い伝えやしきたりなどが、
    まだ存在しているというのが良いのか悪いのか
    少し不気味でした。

    ある意味日常にあるかもしれない
    形を変えたホラーだと思います。

  • 死の持つにおいが漂う本だった。
    特に幼い命が亡くなる時のなんとも言えないにおいがそこここから溢れているような。
    20代ならもっとさっぱり読めたかもしれないけど歳追うごとに死はリアルさを増す。とても気が重かった。

  • 幼いころの暗闇の恐怖を思い起こす。
    子供の頃の朧な罪の意識が蘇る。
    生と死の境界を混沌とした意識の中で彷徨う。

    心の中にもある混沌とした闇の記憶を思い起こさせる民話のような怪奇小説

  • 店頭で見かけて購入。
    泉鏡花賞受賞の短編集だが、耽美的な色は薄くむしろ地味。が、どの作品も現実と夢との境目が曖昧で、一作品を読むごとにその世界に引きずり込まれ、暗闇からじっとりわき出てくるような怖さを感じる。
    子殺しの「前世」が特に印象的だった。

  • いのちの話たち。

    今読むんじゃなかったと思いつつも
    読むのをやめられなかった。
    生まれなかった子はどこにいくんだろう。

    人生の選択は何が正しいのかがわからなくて
    迷ったり悩んだり苦しんだりだけど
    いつか自分の選択を認められる日がくるんだろうか。

  • WOWOWのドラマWになると聞いたので読んでみた。まぁ、普通。私はこの手のお話が好きではないことがわかった。

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著者プロフィール

1967年神奈川県生まれ。早稲田大学第一文学部文芸科卒業。90年『幸福な遊戯』で「海燕新人文学賞」を受賞し、デビュー。96年『まどろむ夜のUFO』で、「野間文芸新人賞」、2003年『空中庭園』で「婦人公論文芸賞」、05年『対岸の彼女』で「直木賞」、07年『八日目の蝉』で「中央公論文芸賞」、11年『ツリーハウス』で「伊藤整文学賞」、12年『かなたの子』で「泉鏡花文学賞」、『紙の月』で「柴田錬三郎賞」、14年『私のなかの彼女』で「河合隼雄物語賞」、21年『源氏物語』の完全新訳で「読売文学賞」を受賞する。他の著書に、『月と雷』『坂の途中の家』『銀の夜』『タラント』、エッセイ集『世界は終わりそうにない』『月夜の散歩』等がある。

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