質問する力 (文春文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (228ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167679354

感想・レビュー・書評

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  •  大前氏は昔から「質問すること」の重要性を説いている。自分も、油断すればすぐに「それは当たり前」のことと考えて、前提条件を疑うことすら忘れている場合があるが、それは政治や生活等、様々な場面で危険であることが分かる。良い意味で前提条件を疑うという習慣を忘れないようにしたい。
     また、この本自体は6年前に書かれた本であるが、原子炉は絶対安全ではないという当たり前のことを当たり前のように指摘し、それを踏まえた上で、エネルギーはそれぞれの特性を考えた上で住民が選択すべきと指摘している点は、非常に興味深い。
     大前氏が他の方を褒めるというのは、それほどあることはではないが、大前氏と故小渕首相が交流があったというのは初耳であり、故小渕首相は質問する力に長けていたとのこと。当時の小渕首相のイメージは地味ではあるが、どのような立場であれ、自分の分からないことを分からないと認識し、貪欲に学ぼうとする姿勢は見習うべきだと感じた。
     本文中に出てきた「おじいちゃん戦争のことを教えて」という本は、なかなか面白そうなので、今度、読んでみたい。

  • 与えられる情報を鵜呑みにして、疑う事を知らなかった怖さを知る。自分に問いかける事、他人に問いかける事、社会に問いかける事。自分のマインドを変えて、実際に動く事が大事。

  • 酒井穣さんの本の中で出てきた

    ミュージシャンが読んだ本

  • いわゆるクリティカル・シンキングが大切だと説く本。

    なぜ?なぜ?なぜを繰りかえし本質を見極めることが必要だと。

    著書ではその本質を見極める「質問する力」を政治経済状況を事例にして、事の核心を明快に暴き出してゆく。2005年3月文庫版初版だけに、少し事例が古いですが、数年経った今だからこそ著者の当時の主張が正鵠を射ていることがよく分かります。歯に着せぬ著者の物言いはいつ読んでも心地よい♪

    白眉は「大前家の教育方針」。

    中学生以上は一切小遣いをあげずに、「家庭内ベンチャー起業」を子供たちに立ち上げさせて、親の手伝いや親にPCを教えると対価を払ったそうです。

    親や家族に必要な事業を見つけ出させ、それをすることで対価を得る。優れた事業(たとえばマックを教える)には高付加価値を払い、需給バランスなどの世の仕組みを教え込んでいく。

    子供たちはお金に汚くなることはなく、仕事を通じて仕事の大切さを理解していったと書かれていました。

    早速我が家でも子供たちに起業させました。まずは事業内容はお父さんが決めて、皿洗い何円、肩たたき何円とか決めましたが。子供たちも意気揚々と小遣いを稼ぐべく、いろんな事業を競って考え提案してきて、楽しくがっています。

    この「家庭内ベンチャー起業」だけでなく、著者の教育論にはうなずくこと多いです。

  • 単庫本が出たのが2003年ですが、既に原発について語られている。曰く「原子炉に傷はできる」「官庁は原子炉の安全について判断する能力などない」「原子炉は絶対安全ではない」「東京に原発をもってくる」「トレードオフをわかったうえで、エネルギーは住民が選択する」・・・MITで原発研究していただけある。恐るべし大前研一っ!

  • 「国が国民を守れない時代になった今、日本人はすべからく「質問する力」を発揮して、自分の生活を守り、自分の生き方を考えねばならない。それによって日本という国自体も変わってくるはずである。」

    という趣旨で書かれた本だそうです。


    「質問する」とは、ちゃんと疑うこと、わかったような顔せずちゃんと聞くこと。

    リップルウッドの新生銀行買収の件で「なぜそんな不平等条約みたいな契約(瑕疵担保条項)をしないと買ってもらえないのか?」

    2002年、日本国債格付けがボツワナ以下になったときに平沼経産相が文句を言って顰蹙を買った件で「そもそも格付けって何?」「ムーディーズは何を格付けしているの?」

    2002年、日経平均株価が8000円台半ばまで急降下したときに「株式市場が落ち込むと何がまずいの?」「誰が困るの?」

    ペイオフ解禁時に「国債を直接買うのと郵貯とがどう違うのか?」

    長野ダム問題で「いったいなぜ必要もないダムが計画され、建設されるのか?」


    という事例の中で意義が強調されていきます。

    で、何か否定するときには必ず大前さんの代替案がすごい自信を持って提案されているところが好きです。


    前提を疑い、事の本質を探るための質問する力が大事だけど足りてない、じゃあそれはどうしてか?

    っていうのの答えが教育の在り方っていうけっこう身近なところから、明治維新後の解のある中で努力し成果が上がったが実力と勘違い、場当たり的な策で解決しないも国民は次々に登場する審議会や会議に何とかなるの意識、そうこうしているうちに偏差値の中で生きてきた人が中核を担うも現状分析・納得の原体験を持たない人が本質を考えず運営、こうした人がマジョリティとなり集団として危機解決能力をもたなくなったみたいな時系列的・仮説的なところで自説を展開してます。


    そしてこれから、明るい未来のため(高齢化が進み、社会保障も非現実的なシステムしか存在しない中でうまくやってく≒経済を発展させる≒イノベーションを生む)には平均以上できるけどパッとしない人材じゃなくて、100人に1人とかで出てくる尖った人材を育てにゃいかん。

    みたいなことが書いてありました。

    なんか他にもいろいろ好き放題書いてあって気持ちよかったです。



    僕はそんな本質を突くような大した質問はできないし、本質的な質問をしないといけないとなんか悪い気がしたり、かっこ悪い気がしたりして黙りこくってしまうようなタイプです。

    でも!

    それじゃやっぱりわからんままなので、読み始めてからなるべくちゃんと質問というか確認というか意識してするようにしてます笑

    話しを進めるきっかけにもなるし。

    あと、

    「もし論理に強ければ、欠けているところ、証明されていないところなどについて次々に質問が出てくるはず」

    っていうのをみたときに、うまいこと質問するのは論理的に整理して聞けないといけないし、逆にちゃんとそれができていたら相手の話を補強するきっかけを作ったり、別のよりその場に適合的な話に持って行けたりするし、できたら自分が貢献したいあり方に近づけるのかなぁとも思いました。

  • ■概要
    現代における「質問する力」の重要性を説いている。
    なぜ重要なのかを、いろいろな事例をもとに説明しており、
    説得力がある。

    「質問する力」を育てるためには、やはり教育が大事であるということを
    実感した。質問する力≒自分の頭で考える力だと思う。

    ■仕事に活かせる点
    ・論理的思考
    ・色々な角度から物事を見る
    ・常に疑う(深く考える)

    (山)

  • 大前氏の著作。
    タイトルに惹かれて購入。

    スタートから、地価の下落について自論を展開しています。
    1985年が世界の転換期になったというのは参考になります。
    シンガポールがどのように国として成長していったのかは今まで気にしていなかったので勉強になります。
    後半から質問することの重要性について語っています。
    結局、質問せずに後悔するのは自分であること。
    質問して、理解することを怠ると、だれも助けてくれない。国に頼らず自分の力で生きていくことになった時代であることを再認識させてくれます。

  • そりゃ、事例はふるくなるけどね。それはともかく、質問力なのかこれ。力強すぎて、くらくらした。

  • この本は、日本人が如何に質問する力が無いか、またそれによって国会議員などが如何に好き勝手やっているかが、よくわかる本です。

    言っていることは、至極正しいことですし、おそらくこの本の通りの国になれば、立派な国となるでしょう。
    …ただ、この本、大前さんの自慢話の多いこと多いこと。それさえなければ素直に聞けたのに・・・。

    そういった意味で、非常にもったいない本です。

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著者プロフィール

1943年、福岡県生まれ。早稲田大学理工学部卒業後、東京工業大学大学院原子核工学科で修士号を、マサチューセッツ工科大学大学院原子力工学科で博士号を取得。(株)日立製作所原子力開発部技師を経て、1972年、マッキンゼー・アンド・カンパニー・インク入社。 以来ディレクター、日本支社長、アジア太平洋地区会長を務める。現在はビジネス・ブレークスルー大学学長を務めるとともに、世界の大企業やアジア・太平洋における国家レベルのアドバイザーとして活躍のかたわら、グローバルな視点と大胆な発想で、活発な提言を行っている。

「2018年 『勝ち組企業の「ビジネスモデル」大全 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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