数学的にありえない 下 (文春文庫 フ 31-2)

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  • Amazon.co.jp ・本 (371ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167705763

作品紹介・あらすじ

数学者ケインとCIA工作員ナヴァ。窮地に陥った二人の共闘に、戦闘のプロが動員され、捕捉作戦は激化した。非力な民間人にすぎないケインの唯一の「武器」が引き起こす、ありえない連鎖反応。炸裂する伏線また伏線、予想を裏切る拷問と人体実験。長く壮絶な戦いの行方は?世界が興奮した徹夜必至の傑作。

感想・レビュー・書評

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  • アクション映画を文字におこしたような物語。ギャンブルシーン、逃走シーン、潜伏・格闘シーンが多く、息もつかせぬ感じで結末へ。
    好き嫌いがわかれる作品かも。
    「ラプラスの魔」がテーマで、読者の知的好奇心をくすぐり、作品にグレードアップ感をそえてはいるが…。
    比喩表現がクールで楽しめる。

  • 天才数学者 ケインが主人公。

    ケインには本人にも気付かない能力があるのだが、癲癇があるため職をも失い、ギャンブルに依存する生活をおくっていた。
    双子の兄に久し振りに会うところから物語りは動き始める。
     
    ケインの能力を独占しようとする科学者、ロトで大金を手に入れた幼馴染、スパイの女性ナヴァ 等色々な登場人物の様子もそれぞれ描かれている。

    ケインが拉致されそれをナヴァが助け出すのが締めくくりなのだが、その後なぜケインがこのような困難に巻き込まれたのかが明らかになり物語は終結する。



    冒険小説でありサスペンスであり人間物語であるのだが、未来余地というSF的なようそがあるのだが、それをSFではなく、科学的根拠に基づいて設定しているので今までになかった面白さがあった。
    文章の流れも飽きさすことなく一気読み出来た。
    星5にしなかったのは、少し納得のいく説明がなしに、話を流している部分があったからである。

  • 再読。オビにはこのミスで海外ミステリー5位とあるけど、この年は他に何があったんだろう。フロスト?

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「この年は他に何があったんだろう。」
      2006年週刊文春ミステリーベスト10では3位でした。そして1位はローリー・リン・ドラモンド「あなたに...
      「この年は他に何があったんだろう。」
      2006年週刊文春ミステリーベスト10では3位でした。そして1位はローリー・リン・ドラモンド「あなたに不利な証拠として」、2位はカルロス・ルイス・サフォンの「風の影」。どちらも納得の出来栄えです。。。
      2013/10/03
    • zhimeiさん
      ここにコメントしてお返事になるのかどうか分からないのですが、調べて下さって有り難うございます。自分で調べるべきですよね…
      1位は読んでません...
      ここにコメントしてお返事になるのかどうか分からないのですが、調べて下さって有り難うございます。自分で調べるべきですよね…
      1位は読んでませんが、2位は読みました。でも全然好きになれませんでした。普通の男の子が美女達にモテまくる話として読んでしまって。
      2013/10/04
  • ーーーポーカーで1万1千ドル大敗し、マフィアに追われる天才数学者ケイン。
    だがその時彼を悩ませていた神経失調が、驚異の「能力」に変わった。それを狙う政府の秘密機関と女スパイ。彼らが権力を駆使して追う「能力」とは?
    幾つもの物語が絡み合う、超絶ノンストップ•サスペンス。


    新規開拓
    膨大な知識に裏打ちされた語り口には、貴志祐介に近いものを感じた。

    それぞれのピースが、あるべき場所へ少しずつ収まっていく感覚はやはり素敵♡

    さらに、それぞれのキャラが立っていて非常に魅力的。ケインとクロウの葛藤には胸を締めつけられる

    純粋なエンターテイメントとしても完成度が高いし、確率論,統計学,量子力学なんかをかじったことがあればもう一歩楽しいはず!これはオススメ!



    「ま、いわゆる仕事上の友人ってやつですよ」

  • 上巻は、登場人物の幅が広くなっていくこともあって、読み進めるのに思ったよりも時間がかかったけど、下巻でそれがすべて一点に収斂していくに従って一気に読み終えてしまいました。

    この本を読む前には、科学とミステリーとの融合ということで、ダン・ブラウンの「ダ・ヴィンチ・コード」が引き合いに出されている書評をいくつか見ましたが、私にとっては、ダニエル・キースの「アルジャーノンに花束を」の人間観とJ.P.ホーガンの「量子宇宙干渉機」の世界観の上に構築されたミステリー作品というような印象を受けました。

    作品中には、目を閉じるという事がひとつのキーとなっている箇所がありますが、作者が視覚障害を持ち小さい頃から朗読音声でさまざまな小説を聞いてきたという経験が、こういった視覚に頼らない頭の中でのイメージ構築という事に結びついているのかもしれないとも思いました。

  • 未来を予知できる「ラプラスの魔」をめぐる戦い。登場人物も魅力的で、練りに練られたストーリーは素晴らしい。良質な海外ミステリ。

  • 2020/6/29読了
    “ラプラスの魔”を巡る陰謀も追跡劇も戦闘も、全ては一人の少女を救う為のシナリオだったというオチ。しかも、ファウアーさんは、続編の『心理学的にありえない』以降、小説の発表はなさそう。『心理学的に…』の方はイマイチ感あり、一発屋で終わってしまった可能性がある――あくまで、可能性だけど。

  • スピード感があり伏線回収も分かりやすく好きだった

  • 下巻は最初からノンストップのスリリングな展開。未来を見ることができる能力を持つケインと、その力を解明して自分のものにしようとする研究者と追跡のプロ。ケインを守るナヴァ。このナヴァが本当にカッコいい!確率論の話はよくわかりませんが、それを置いておいても圧倒的な面白さで、息詰まるような展開に目が離せませんでした。ある行動の選択が引き起こす次の出来事。そしてその連鎖、未来を見ることができる能力が使えたら、と考えると楽しくもあり、怖くもあります。

  • 2021年5月8日読了。

    下巻になって、ノンストップの展開。
    上巻にあった物理学や統計学、確率の記述は最低限になり、まるで別の小説のようなスピード感。

    そしてラストは爽快感がある仕上がり。

    上巻であきらめなくてよかった。
    評価に偽りなしと確信した一冊。

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