空中ブランコ (文春文庫 お 38-2)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167711023

感想・レビュー・書評

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  • 表題作を含む5つの短編集。
    前作に続き、精神科医である主人公・伊良部の元へ心の悩みを抱えた患者たちがやってくる…。

    個人的には前作のイン・ザ・プールの方が笑えた。

    しかしながら、相変わらず最終的には伊良部のぶっ飛んだ治療法の発想で患者たちを救っていく展開は前向きな読後感を与えてくれて好きだ。

  • 精神科医伊良部シリーズの2作目。本作も全作同様、とんでもない治療法で患者を治療する短編集となっております。

    伊良部シリーズは落語や小噺のようなオチと、軽快なセリフ、アメリカンコメディのような雰囲気もあってとても読みやすく、隙間時間に読むにはもってこいの作品だなぁと思いました。

    今作は特に「気づき」と「開き直り」をテーマにした作品が多かったのかなぁと思いました。
    詰まるところ、自分だけでなく他人も同じ思いをしてることに気づくこと、自分が苦しんでることは大したことではないと開き直ること、こうした考え方ってすごく大事なのだと教えてくれてるような感覚がありました。

  • どこかの何かがきっかけになって改善しますよね。それが何かなんてわからないから色々やってみる。

  • 前作で伊良部先生像が確立され、非常にとっつきやすい
    オキニは「ホットコーナー」
    考えれば考えるほど悪い方向に行く
    …なら考えなければいいじゃん 
    Don't think,feel! 
    よい頭の休止になりました

  • 伊良部シリーズ② 直木賞受賞作品。

    やっぱり名医なの⁈ それともアノ怪しいビタミン注射が本当は効くの⁈ 中年色白デ○‘‘の伊良部精神科医の精神年齢は幼児並み。でも患者たちはなぜか何度も通院してしまう、そして回復するのだ。

    空中ブランコで上手くジャンプできなくなったサーカス団員、尖端恐怖症ヤクザ、義父のヅラを剥ぎ取りたい衝動に駆られる婿、イップスプロ野球選手、強迫症&嘔吐症の女性作家(マユミ看護師の挿し絵を入れて欲しかった)

    歯茎をだしてニッと笑う伊良部に、やっぱり正面切っては会いたくない私だけど。

  • お馬鹿度パワーアップしてる♪(笑)
    声出して笑える(今作はちゃんと室内で♪) それなのに「性格は既得権」「医者の無念」とか真面目な場面もちりばめられてて…… ヤラレっぱなしです。

  • 重いテーマ内容の作品や、ノンフィクションを
    読む合間に読みたい一冊。
    これを読めば他の作品もつられてサクサク読み
    進めることができますよ。

  • 小学生を大人にしたような、無邪気で好奇心旺盛な怖いもの知らずの神経科医、伊良部。訪れる患者達の、神経症を克服するまで(短期間)のエピソード短編集。純粋な悪ガキのように、誰にでも人懐っこくてテキトーでやってみたがりで平等な伊良部。まあいいかと肩の荷を下ろさせる、現状を受け入れさせる不思議な力があり、別に治療もしていないのに患者を治してしまう。私も伊良部にかかりたい…アトラクション的に楽しみたい。
    全ての患者に共通した処置、とりあえずビタミン剤を毎回注射&その様を凝視して楽しむテキトー&変態描写が面白かった。

  • 神経科医の伊良部は持ち前の子どものようなパワーで患者たちを巻き込み、回復させる。

    伊良部が治すのではなく、彼は患者の回復する力を引き出しているように見えた。

    小説、粉もん屋馬子の馬子と伊良部が似ている。相手に踏み込むくせにあっけらかんとしていて嫌味がない。洞察力も両者ピカイチである。

    こういう類の人間は複数の作品で描かれるだけあって魅力的なんだと思う。つい憧れる自分がいる。

  • 2024.3.31 読了

    シリーズものの2作目と知らずに購入
    奥田英朗さんはこの前『罪の轍』を読んだばかりで激重だった世界観から一転してこの作品はめちゃくちゃライトで読みやすいお話でした。
    5才児並みの言動の精神科医伊良部一郎による治療?の効果はたまたま功を奏してるのか計算ずくなのか読み終わっても結局わかりませんでした(笑)

著者プロフィール

おくだ・ひでお
1959年岐阜県生まれ。プランナー、コピーライターなどを経て1997年『ウランバーナの森』でデビュー。2002年『邪魔』で大藪春彦賞受賞。2004年『空中ブランコ』で直木賞、2007年『家日和』で柴田錬三郎賞、2009年『オリンピックの身代金』で吉川英治文学賞を受賞。著書に『最悪』、『イン・ザ・プール』、『マドンナ』、『ガール』、『サウスバウンド』、『無理』、『噂の女』、『我が家のヒミツ』、『ナオミとカナコ』、『向田理髪店』など。映像化作品も多数あり、コミカルな短篇から社会派長編までさまざまな作風で人気を博している。近著に『罪の轍』。

「2021年 『邪魔(下) 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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