- Amazon.co.jp ・本 (342ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167717919
感想・レビュー・書評
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インパクトが強い。
世界の状況(そっくりそのまま真実かはさておき)がわかる本。
貧困から抜け出せない人々が仏陀の輪廻転生を信じる。それは、死をもってしか貧困から抜け出すことができないからなのだと思う。
宗教になじみの薄い日本人には印象的な本だと思う。 -
最終章のインドは特に衝撃的。
前章の諸国も強烈だったけどどこか希望めいたものがあって暖かい気持ちになれたけどインドに関しては絶望しか無かった。
この本は15年前に書かれたものだけど今はどうなんだろうか。
いずれインドも含め東南アジアはゆっくり旅したいと思っているけど、石井氏ほどは無理としてちょっと踏み込んだ旅にしたい。 -
神経をえぐられるような、重要な作品。
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内容が内容なのでなかなかヘビー。ゆっくり読んだ。
読み進めているとなんだか夢見心地になってくる。『本当に起こっているのだろうか?』とすら思ってしまう。
それだけ今が恵まれている証拠だろう。日本の場合、ストリートで生活する人たちは地方で生きることはほぼ困難で、都会に住む場合が多いように思える。それ故に、その景色を目の当たりにしたことが無い人達がたくさんいる。
最も印象的だったのが『出来ることが物乞いしかなく、それを仕事にしているだけ。それがどうして恥なのか?』というフレーズ。培ってきたレッテルが剥がれかける瞬間であり、言葉では説明がつかない感覚だった。
どの章からも、悲痛な叫びが今にも聞こえてきそうで、辛かった。それでも読んでよかったと思う。知らずにいることは出来ないと思うから。時には命をかけて取材を続けた著者に感謝したい。 -
読み始める
どうしても
つらいところで
立ち止まってしまい
…
しばらく
他の本に手を出して
しばらくしてから
また
読み進める
そして
過酷なルポに
ついつい考え込んでしまって
しばし ページを伏せて
また
他のモノに手をだして
の繰り返しを
しながらも
結局
最後のページに至って
ほっ
と ため息をついている -
著者である石井光太さんがアジアの国々の物乞いや障害者を訪ね歩き、その体験をまとめた本。
東日本大震災の被災地を訪ねた「遺体」を読み、深く心に刺さったので彼の本を他にも読みたいと手に取ったが、読みながら何度もつらさに手が止まった。
彼が出会う人々は実に様々だ。
戦争によって障害を負っていたり、先天的に障害を持って生まれたり、そして貧しさ故に障害を負わされた場合もある。障害を仕方のないものと受け入れる人もいれば、これは自分の業が悪いのだと諦める人、乞食という仕事にさえ誇りを持つ人もいる。
特に胸がつまったのは、インドのレンタチャイルドの実情だった。
彼らは幼い頃に誘拐され、物乞いする大人たちがより自分を可哀想に見せるために貸し出される。そして、子供としての商品価値が無くなれば腕や足を切断されるなどして、次は自分が乞食をさせられるのだ。
こんなことが世の中に起こっているのかと、衝撃だった。
もちろんもしかすると今現在では状況は多少なりとも良くなっているのかもしれない。ただ、わたしにはそうして暮らしていくことが普通になってしまった場所がそう簡単に変わるとは思えない。
日本で普通に暮らしていて想像する「障害者」とはまったく違う彼らの暮らし。
いつか世界中の人々が、普通にやりたいことをやり、幸せに暮らせる時代はくるのだろうか。そもそも幸せな暮らしってどんなものなのだろうと途方に暮れた。 -
ルポルタージュ風だがフィクション的文調。お金を払って読もうとする方にはここが最大の焦点。
個人的には強烈な違和感も、既に醸された物議。著者の明確な意図に基づくものと判明している。
そういう意味ではこの酸鼻なるタイトルは中味に如実。著者の恣意的な文学表現付き印象操作に惹かれる方にはお勧め。そうでなければ、出来損ないの私小説のような語り口に吐き気を催すだろう。
ただ取材の内容は素晴らしく期待を満たすものであることは保障できる。
著者が好ましくない私は星4をつけました。 -
同じ作家さんの本を続けて読むのは3冊くらいまで、と、なんとなく自分の中で考えているのだけど(やはり、なんとなく飽きてくるので)、どうしてもハマりやすい体質のため、次々に読んでしまう。
重いー。
ベトナムやタイ、行ってみたいなーと思ったりした時もあったけど、とてもとても・・・。
同じ人間なのに、こうも"生きる"ということに違いがあるなんて。
だけど、笑顔があるのっていい。