安土城の幽霊 「信長の棺」異聞録 (文春文庫 か 39-8)

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  • Amazon.co.jp ・本 (237ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167754082

感想・レビュー・書評

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  • 本筋の物語にはない軽妙さ。こういう小さなエピソードが、物語世界を膨らませている。特に最後の短編は、現代にまでつながっている事が心憎い演出になっている。

  • 最後のつくもなす物語、どこまで事実かわからないが、元資料が知りたい

  • 信長の棺異聞録とあったが、少しイメージしているのと違った。ただ、各短編自体は面白い

  • 「信長の棺」異聞録というタイトルの通り、筆者の以前の著書の外伝的物語集(三本立て)である。
    「藤吉郎放浪記」は秀吉が天下人となるために、信長に仕官する顛末記。
    「安土城の幽霊」は信長が安土城の幽霊のために眠れなくなった話。
    「つくもなす物語」は足利義満の時代から受け継がれる茶器の話。この壺を所有する者は天下を取れるほどの運に恵まれるが、同時にその運は悪運をも引き寄せる。

  • 戦国時代、秀吉、信長、家康にかかわる3編の短編集、正に異聞録。小説の醍醐味でもある。
    藤吉郎放浪記は、豊臣秀吉の出自を巡り、本当はどうなのか知る由もないが、山の民として、人生を切り開くのは、面白く、よくわかる。
    つくもなす物語は、天下壺として、天下人を渡り歩き、現在は、東京世田谷の美術館に、天下人の手を離れ、ひっそりと収まっているのが面白い。
    安土城の幽霊。信康の死については、異論もあるが、信長については、数多くの幽霊に取り憑かれたのは、本当なのかなと思ってしまいます。

著者プロフィール

加藤 廣(かとう ひろし)
1930年6月27日- 2018年4月7日
東京都生まれ。東京大学法学部卒業後、中小企業金融公庫(現日本政策金融公庫)に勤務し、調査部長などを歴任。山一証券経済研究所顧問、埼玉大学経済学部講師を経て経営コンサルタントとして独立し、ビジネス書執筆や講演活動を行う。
50歳頃から、人生を結晶させたものを残したいと考えるようになり、歴史関係の資料類を収集。2005年、『信長の棺』で作家デビュー。当時の小泉純一郎首相の愛読書との報道があって一気にベストセラーになり、高齢新人作家としても話題になった。のちに大阪経済大学経営学部客員教授も務めた。
『秀吉の枷』『明智左馬助の恋』を著し、『信長の棺』を含めて本能寺3部作と称される。ほか『水軍遙かなり』、『利休の闇』。その一方で『戦国武将の辞世 遺言に秘められた真実』、『意にかなう人生 心と懐を豊かにする16講』など歴史エッセイや教養書も刊行を続けていた。

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