Op.ローズダスト 上 (文春文庫 ふ 27-1)

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  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (439ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167763015

感想・レビュー・書評

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  • 福井さんの紡ぐ物語は、アメリカ文学の軍事スリラーとは一線を画す。平和に慣れ親しんだ戦後日本のマインドを徹底的に揺さぶる警句が散りばめられ、読者の良識を挑発する。手放しの娯楽作品とはならないのである。読後感で、もしかしたら今のままじゃ日本は駄目ではないかと考えさせるのが狙いではないかとついつい深読みしてしまう。今回は、戦後に相応しい新しい理念を新しい言葉に置き換えて読者に問うているのでなおさらである。思想スリラーと呼ばれるゆえんである。

  • いつもの福井作品。かつて自衛隊の特殊部隊にいた仲間がテロリストとなったので、彼らと戦う話。

  • 1309 The福井作品。って感じ。舞台が現代なので想像がしやすく、映像を見てるみたい。まだまだ前哨戦。

  • 私にとっての初・福井晴敏(正確には『テアトル東向島アカデミー賞』が初だけど)。

    最初は読みにくさを感じがしましたが、Fhase2の朋希と一功の過去が描かれたあたりから一気に引き込まれる。上巻ではまだ謎が残り、ことの顛末も含め先が非常に気になる。

  • 2013.7.26読了。

  • 久しぶりの福井だったが、前より説明臭く、読むのに疲れる。

  • 福井晴敏著「オペレーション ローズダスト(上)」を読みました。

     待ちに待った作品なので、楽しみながらこの大作を読み味わいました。

     防衛省の特殊部隊の主人公が連続爆弾テロに立ち向かうアクション巨編です。

     しかも、この主人公と爆弾テロのリーダーには、過去の深い因縁があり、この戦いはある意味運命付けられていたものでした。

     スリル満点のアクションと世界の情勢や政治の裏舞台などが描き込まれ、小説の醍醐味を味わうことができます。

     また、登場人物たちもそれぞれに過去を背負って今を生きている様子が表現されており、物語の世界観を作り上げています。

     ただのアクション小説ではなく、過去と向き合う生き方であるとか、日本の国防についてとか、あるいは、今の日本のあり方までを考えさせてくれる深い小説だと思います。

     この後、中巻でどのようにこの戦いが展開していくのか、とても楽しみです。

  • この作品もおっさんと青年の福井晴敏作品のおなじみのパターンです。
    「上」は作品の導入部分のみでした。
    「中」「下」の作品のスピードに期待していきたいです。

  • 福井作品はどれも本当に尊敬していて心から愛している。
    特にこの作品は文章も読みやすく、構成も分かりやすくスリリングで、
    非常に完成度が高いと思う。

    人物像が類型にも感じられる点、
    ストーリーが「いくらなんでも強引」とも思える点など、
    いろいろ気にもなる。

    ただ現実離れしているくらいのほうが、
    思いっきり物語を味わえるのではないか。
    それに緻密な描写、圧倒的な文章量が、
    フィクションでしかない世界に大きなリアリティを与えている。

    そして福井氏ならではの、
    血が通った熱くて、強く優しいメッセージ性。
    これに惚れて、わたしは福井作品に心酔している。

    登場人物がどれだけ日本をバカにしてても、
    福井氏は本当に日本人の心と頭を愛していることがにじみ出ていて、
    わたしも日本人であることを誇りに思える。
    この時代を作っている一人であることを恥ずかしく思いながらも、
    この時代を生きていることを嬉しく感じる。

    この作品を読むと、
    そんな感慨で、胸がいっぱいになる。

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著者プロフィール

1968年東京都墨田区生まれ。98年『Twelve Y.O.』で第44回江戸川乱歩賞を受賞しデビュー。99年刊行の2作目『亡国のイージス』で第2回大藪春彦賞、第18回日本冒険小説協会大賞、第53回日本推理作家協会賞長編部門を受賞。2003年『終戦のローレライ』で第24回吉川英治文学新人賞、第21回日本冒険小説協会大賞を受賞。05年には原作を手がけた映画『ローレライ(原作:終戦のローレライ)』『戦国自衛隊1549(原案:半村良氏)』 『亡国のイージス』が相次いで公開され話題になる。他著に『川の深さは』『小説・震災後』『Op.ローズダスト』『機動戦士ガンダムUC』などがある。

「2015年 『人類資金(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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