ベスト・オブ・映画欠席裁判 (文春文庫 ま 28-2)

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  • Amazon.co.jp ・本 (549ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167801700

感想・レビュー・書評

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  • 洋泉社の単行本版を全三冊揃えているのに買ってしまった。宇多丸さんの解説もナイス。久々に読み返してやっぱり笑った。ここで誉められてる映画で見てない奴は即行でレンタル(購入)したくなるが、二人の紹介の方が面白いケースもありうるw。またこの対談映画秘宝誌上で復活して欲しい…。

  • 膨大な映画の知識のある2人が、その知識をフル回転させた結果、すべて下ネタに話題が決着しているという映画評論でした。
    あれ?読み返すと、ほぼ下ネタで映画の事あまり話してない気が…映画の内容の話:役者のスキャンダル=3:7。この本から学べた事は、「2人の対話形式という方法を取ると、『1人が落として1人が上げる』という形式を取れるので、安心して遠慮なく酷評できる」という事です。

  • 映画教養を高めるために。
    対談形式で話が進むんですが、
    2人の会話のスイング具合がめちゃくちゃおもしろい。
    人それぞれが良いと思える映画は異なる
    ってことを痛感する名著。
    自分の好きな映画(レディ・イン・ザ・ウォーター)が
    酷評されてたのは傷ついたけど。笑
    結構メジャー作品の扱いが多いので
    映画にそんなに詳しくなくても読めます。

  • いやあ〜、面白かった!一番印象に残った言葉は「昔の映画は1本観ると確実に少しだけ成長したような気にさせてくれたもんだよ。」
    まさにその通り!
    だから生ぬるいハリウッド超大作や邦画より、韓国のバイオレンス映画を好んで観てしまうんだろうなあ。

  •  今までとは違う視点で映画を論ずる2人の対談集。過去複数冊刊行されていたものから選んで再録されたもの。

     歯に衣着せぬ物言いと、人によってはかなりどうでもいいところへの偏愛、こだわりを詰め込んだ内容で、よくわからなくてもいいから読んでおいた方が良い本。

  • 町山智浩と柳下穀一郎の映画駄話本。文庫本なので挙げられている映画が古い。そして、タイムリーなら面白かっただろうけれど、今にしてみればなんだかな~と思える駄作映画の数々に脱力してしまった。でも『ファイト・クラブ』とか今にも通じる傑作は読み応えあるかな。『映画芸術』と『キネ旬』のランキング比較は面白かった。後書きを書いている宇多丸さんは、やっぱり声の人で文字の人ではないな~と思った。なんというか、普通。

  • 映画に関して私は平均以下であり、興味も知識もほとんどない。
    当然、本書で取り上げられている作品もほとんど知らない。実際観たのに至っては「タイタニック」や「千と千尋~」など、片手にも満たないほどである。
    それでも本書を楽しむのに、何ら障害はなかった。

    理由のひとつに、ファビュラス・バーカー・ボーイズこと町山アンド柳下氏の著作を読んでいたことがあるだろう。現物は知らずとも、両者のコラムでおなじみの映画人や映画作品が少なくない。
    素材が映画という、個人的には縁遠いものであっても、町山節・柳下節は相変わらず。いつものノリで楽しむことができた。

    そんな私だが、あえて本書が「映画評として」優れているところを挙げてみる。
    *主張がはっきりしている。好きなもの・嫌いなものが明確で、ブレがない。
    自分も映画に一家言持っているような人なら、意見が合わずカチンと来ることもあるのだろうが、その方面にこだわりのない私などからは「ああ、彼らがホメている/ケナしているってことは、たぶんこんな感じなんだろうな」とわかりやすかった。
    *二人の意見が分かれることが(少なからず)ある。その場合、無理やり着地点を決めようとせず、異同を異同として残している。
    結果、議論がとても自然なものになっている。あまりこういう形容は使いたくないのだが、カラッと日本人離れした不協和音ぶりが心地よい。
    *どんなクズ映画も、いやクズ映画だからこそ、実際に観た上で批評する、という姿勢。
    しかも自腹。これは特に、柳下氏のモットーであるらしい。無条件で尊敬。

    もとの三部作も読んでいるが、当時は二人のボケツッコミに最後には食傷してしまった。しかし、この分量ならそれもちょうどいい。
    個人的には、マジモンの町山氏と比べると(あくまで「比べると」)、「結局東大出の優等生」な柳下氏のキャラクターが好きだったりする。

    2012/4/6~4/7読了

  • 漫才形式とは言え、かなりの本質をついた辛口批評が炸裂する、でも「オレならこうする」パターンが毎回笑えるので、どこかの市長さんに「代案出せ」などと絡まれることもありませんw

  • 町山智浩・柳下毅一郎による頭の栄養にならない映画こき下ろし漫談。
    500頁超に2000年代初〜中期の大作・珍作映画が目白押しな訳だが、回を重ねるごとに両氏の趣向の微妙な違いやこだわりも見え、公開当時の様々なゴシップ映画評と見比べるとより楽しめそうな内容だ。
    暇つぶしには最適だけど、映画が好きな人は名作の一本でも見返した方がよい。

  • 映画愛に溢れたすごい大人が二人が真剣にボケる漫才評論が楽しい。まだ完成もしていない「タイタニック」を数年前まで「殺人魚フライングキラー」 でハリボテ作ってた男の感情移入できない大虐殺映画と言い切ってしまう。こんな感じの破壊力のある言動が500ページも続く恐ろしい本。あと宇多丸の解説が的確過ぎて面白い。

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著者プロフィール

1962年生まれ。映画評論家。1995年に雑誌『映画秘宝』を創刊した後、渡米。現在はカリフォルニア州バークレーに在住。近著に『トランピストはマスクをしない コロナとデモでカオスのアメリカ現地報告』(文藝春秋)、『映画には「動機」がある「最前線の映画」を読む Vol.2』(集英社インターナショナル)、『最も危険なアメリカ映画』(集英社文庫)、『町山智浩のシネマトーク 怖い映画』『町山智浩の「アメリカ流れ者」』(スモール出版)などがある。

「2021年 『町山智浩のシネマトーク 恋する映画』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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