新装版 対談 中国を考える (文春文庫) (文春文庫 し 1-137)

  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167855017

作品紹介・あらすじ

古来、日本と中国は密接な関係を保ってきた。だが現実には、中国人は日本にとって極めて判りにくい民族なのではないか。ぶつからないためには理解すること、理解するためには知ること-両国の歴史に造詣の深い二大家が、この隣人をどのように捉えるべきか、長い歴史を踏まえて深く思索する中国論・日本論。

感想・レビュー・書評

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  • 辺境か(日本も辺境だ)、近代の話で今一つ面白くない。良い句も少しは出てくるが。

  • あとがきを見ると1978年の書籍、半世紀近く前
    山内昌之さんの解説が2012年、胡錦濤の最後の年
    変わったこと、変わらないこと
    テレビなどの報道よりよほど今の中国がわかる!
    40年前『項羽と劉邦』が面白く、次に『中国五千年』を読んだ、二人の作家の対談ならと手に取った
    今より情報が少ない時代に今よりはるかに真っ当に中国をとらえている!

  • 陳舜臣さんの言う処の 談天半天 であります。学生時代からの友人 司馬遼太郎と語る、中国のあれやこれや、1978年頃の対談ですが、色々な気づきを与えてくれる対談です。曰く、中国の方々は、ほとんど日本の歴史を知らない、魏志倭人伝ぐらいか。おそらく明治維新以降の歴史を少し知っている程度では、という指摘もあり、なんとも味わい深いものがあります。★四つです。

  • 司馬先生、今の私には内容が高度でした

  • 両巨頭!好きな作家さん

  • 近代史において、特に日清戦争を象徴的に、なぜ、日本は近代化に成功したのか?清を凌駕することができたのか?中国の当時の状況と比較しつつ、考えてみることは興味深い。
    当然のことながら、これは長い歴史の中の一過性の状況にあり、そこから両国がどのように変わっていったのかを知ることも重要。

    以下抜粋
    ・日本的なものだろうとわれわれが思っているもので、実は中国がもとだというものがいっぱいあるわけですよ。
    政治思想として、よく国粋主義的なことを言う人がいますけど、だいたい朱子学みたいなことでしょう。それ以前にはさかのぼらない。本居宣長を政治思想にしようとしてもなかなかなりにくい。朱子学だったら、南宋の思想ってことになってしまう。

    ・日本の近代化はうまくいったが、ただ日本の転換が早くできたのは、国の小ささだけではないでしょうね。儒教の影響を薄くしか受けなかった。社会体制として受け入れていなかったということがなんといっても大きいでしょう。
    要するに儒教は社会体制だから、近代化するにはそれをはずさなきゃいけない。しかし中国ではそのワクがはずれていない。
    つまり、漢民族にとって儒教は自分が編み出した思想でしょう。人民を教えていくだめの思想でしょう。二千年かかって論語ひとつ読んできた。そう簡単にははずすわけにはいかんでしょうな。
    日本の場合は儒学的思考を学んできただけですから、上衣と同じで簡単に脱げるわけだ。要するに、儒教よりも漢学的思考法を学んできただけだから、洋学的思考法に変えましょうといったら簡単でね。
    この程度ですむから明治維新ができた。ここが日本の歴史と中国の歴史のまったく違うところでもあるといえるでしょうね。

    ・日本の幕末の進歩主義者というのは蘭医、つまり蘭学をやっていた人ですよ。中国では、西洋の学問をやる医者はなかったですわ。漢方でも効くんだから、よそのことをやる必要はない。
    日本で西洋学をやった人はほとんど医者で患者と接して、非常に世俗的なんですね。そこが違うと思うんですよ。

    ・日本はアジアの一員としてやるか、それとも白人帝国主義の番犬になっていくのか、いまは分かれ道だ。孫文という人は非常に気の優しい人ですから、日本に対して恫喝しているんじゃなく、好意をもって日本の運命はこれで決まるぞといってるんですね。

    ・中国人の場合はその技術の向こうに西洋的普遍性というものがあると考えた。そして普遍性ならオレとこの方があるぞ、と思ったために百年かかったわけです。日本は蒸気船を見てからたった二年間で作ってしまった。普遍性じゃなくて、道具そのものをね。面じゃなくて点を素早く作ってしまった。いつまでたっても面がわからない。これが日本と中国の違いで、中国は自分の普遍性を持っていたために、近代化に時間がかかった。アラビア人はあと何年かかるかわからない。

  • 中国に造詣の深い二人の対談。昔からの友人だけあって、口調も親しみやすい。それにしても彼らのような知識を持って現地に出かけたら、どれだけ楽しいことか。「牛耳る」の言われも面白かった。2016.5.12

  • 中国に詳しくないので、さっぱり分からず

  • 少し古かったけど、さすがに博識の2人。一緒に中国に行った人の名前が何人か出てたけど錚々たるメンバーでした。

  • 【予言の書!? 大家2人が論じつくした対決の原点】我々は中国を的確に理解しているのか? 長い歴史を踏まえ、中国人と日本人はどう付き合うべきかを思索した、まさに予言的対談。

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著者プロフィール

司馬遼太郎(1923-1996)小説家。作家。評論家。大阪市生れ。大阪外語学校蒙古語科卒。産経新聞文化部に勤めていた1960(昭和35)年、『梟の城』で直木賞受賞。以後、歴史小説を次々に発表。1966年に『竜馬がゆく』『国盗り物語』で菊池寛賞受賞。ほかの受賞作も多数。1993(平成5)年に文化勲章受章。“司馬史観”とよばれ独自の歴史の見方が大きな影響を及ぼした。『街道をゆく』の連載半ばで急逝。享年72。『司馬遼太郎全集』(全68巻)がある。

「2020年 『シベリア記 遙かなる旅の原点』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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