おまえじゃなきゃだめなんだ (文春文庫 か 32-11)

著者 :
  • 文藝春秋
3.29
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本棚登録 : 1876
感想 : 164
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  • Amazon.co.jp ・本 (284ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167902759

感想・レビュー・書評

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  • 表題はなんとあの!山田うどんを題材にした小説。その他、ノベルティ小説というか、なにかの冊子になにかをテーマにして書いたような小説が多い。
    たまたま山田うどんの話もそうだし、ティファニーの話が載ってたりで、結婚にまつわる話が多く収録されてます。

  • *ジュエリーショップで、婚約指輪を見つめるカップルたち。親に結婚を反対されて現実を見始めた若い二人と、離婚を決めた大人の二人。それぞれの思いが形になる光景が胸に響く「消えない光」他23編。人を好きになって味わう無敵の喜び、迷い、信頼と哀しみ、約束の先にあるもの―すべての大人に贈る宝石のような恋愛短編集*

    ゼクシィのショートコラムに載るとぴったりだなと思わせるお話の数々(笑)
    本当にショートショートのお話の集まりで、特に劇的な展開はないけれど、この人の言い回し、表現力には心を揺さぶられる。「好きだ、のその先に行きたい、その気持ちを変形しないうちにかたちにしたい」耕平の気持ちに、微笑ましく頷ける。

  • 「ずっと幸せなカップルなんていない」
    女性が主人公の恋愛に絡むショートストーリーがたくさん。なんか、すごく良かった。女性を書かせたら上手いなぁと。
    不完全なわたしたちのストーリー、ジュエリーに纏わるストーリー。好きの先にあるもの。そして最後の「消えない光」はジーンとした。大人が読んだ方が共感するかもしれないなぁ。

  • ティファニーのことかな、あ、もしかして石の教会かなと、ふわりと想わせるのが素敵。
    さいごに咲く花ではウルっとした。

  • 27.7.19

  • 2015/7/14

    いろんな二人のお話。あんなふたりいいな、と羨ましく思っている自分を羨んでいる人もいる。
    人と人との関係って大事にしなくちゃな、もっと大事にしたかったな、なんて昔のこと色々思い出した。
    表題作「おまえじゃなきゃだめなんだ」が好きだな。

    「そもそもこれは愛なのか。と、イノマタくんの帰らない暗い部屋で、深夜のテレビをぼんやり眺めて私はよく考えた。
    たんなる執着ではないのか。イノマタくんが必要だといいながら、イノマタくんを必要とする自分自身が必要ではないのか」
    共栄ハイツ305/角田光代

  • 『さいごに咲く花』
    メッセージが、強く深くドカーンと心にきた。年齢を重ねることは、衰えていくことなのではない。人生最後の時、この時こそ、フィナーレなる一番美しい瞬間。この瞬間をめざして、日々を生きていこう。

  • おまえじゃなきゃダメなんだ、なんて言われてみたい言葉だわ。「消えない光が」一番好きな物語だった。好きのもっと先を見つけて、消え褪せないものに、確実なものにしようという気持ちがとても素敵。

  • 表題の作品が一番残った。
    「山田うどん」のように、想われることの難しさ。
    年月を経てそれに気付く痛さ。
    角田さんらしい優しい描写に救われる。

    が、根底にあるのは永遠の愛なんてないという真実。その真実を知った上で、二人で生きてゆくことの孤独とか覚悟とか努力とかとかとかとかの先にあるものの光。
    が、感じたようにあればいいなと思う。
    またこれも年月を経て気付くのだろうか。

  • 短編だったので合間合間にサクッと読了。角田光代ならではの物語がたっぷりだった。

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著者プロフィール

1967年神奈川県生まれ。早稲田大学第一文学部文芸科卒業。90年『幸福な遊戯』で「海燕新人文学賞」を受賞し、デビュー。96年『まどろむ夜のUFO』で、「野間文芸新人賞」、2003年『空中庭園』で「婦人公論文芸賞」、05年『対岸の彼女』で「直木賞」、07年『八日目の蝉』で「中央公論文芸賞」、11年『ツリーハウス』で「伊藤整文学賞」、12年『かなたの子』で「泉鏡花文学賞」、『紙の月』で「柴田錬三郎賞」、14年『私のなかの彼女』で「河合隼雄物語賞」、21年『源氏物語』の完全新訳で「読売文学賞」を受賞する。他の著書に、『月と雷』『坂の途中の家』『銀の夜』『タラント』、エッセイ集『世界は終わりそうにない』『月夜の散歩』等がある。

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