おまえじゃなきゃだめなんだ (文春文庫 か 32-11)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (284ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167902759

感想・レビュー・書評

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  • 短編集で、さらさらっと読み、そんなにぴんとこなかったんだけど、「さいごに咲く花」という10ページにも満たない短編が良かった。
    「…わたしはずっと、人生にはピークがあって、加齢とともに坂を下っていくものだとばかり思っていた。けれど最近では思うのだ。生きていくことは、ゆっくりゆっくり、自分の花を咲かせていくことなのではないか。ピークも下りもない、私たちはその花のいちばんうつくしいときに向かって歩いているのではないか。そうしていのちの最後に、わたしたちはだれもが自分の花を、存分に咲かし切るのだ。」
    なんて素敵な考え方なんだろう。

  • ビターな作品が多いな…ビターでもいいんだが雰囲気で乗り切った感がある。

  • 2016.5読了

  • 短編集。角田光代おなじみの、あのとき選ばなかった未来や人生の分岐に想いを馳せる登場人物達が行き交う。
    山田うどんの短編が秀逸。
    浜松に転勤になった30前の後輩♀に
    『週末に浜松で、もしくは浜松に戻る新幹線で読みな。死にたくなるから』と思わずメールしてしまった。

  • 短編よりも、もっとずっと短い、掌編小説。
    角田光代らしさが濃縮還元されていて、どの話を読むのも楽しく、どの話を読んでも期待に応えてくれるだけのものがあった。

    初出を見ると、本当にいろいろなところから詰め合わされていてびっくり。
    そして書かれた年でやっぱり文章の雰囲気がかわっていってるな、と思いました。
    ええまあどの時代のものも好きなのですが。
    最後の『消えない光』では、いつかに読んだ3月の招待状とか、そのあたりの話を思い出した。
    すこしだけ普通とは言いがたい、だけどそれぞれのしあわせを大切にしている男女。
    確かそのときは、そういう恋愛の仕方が疑問でしかなかったけど、今回読んでみたら、なんだかアリだなと思えた。

    最初と最後にジュエリーショップの話をもってきているせいなのか、どの話もきらきらしてみえます。
    宝石って、きっとそこに寄せられる想いでかたちづくられ、輝いているんだな。
    その宝石を手にした日のことは、いつまでも覚えていて、いつまでも自分を支えてくれるのだと思う。

  • 角田光代の短編は、凄く面白い時と期待外れの時があるけど、これは後者だった。読む前に、角田光代なら面白いだろう!と思ったのが良くなかった。

  • 「さいごに咲く花」の中にある文。「…わたしはずっと、人生にはピークがあって、加齢とともに坂を下っていくものだとばかり思っていた。けれど最近では思うのだ。生きていくことは、ゆっくりゆっくり、自分の花を咲かせていくことなのではないか。ピークも下りもない、私たちはその花のいちばんうつくしいときに向かって歩いているのではないか。そうしていのちの最後に、わたしたちはだれもが自分の花を、存分に咲かし切るのだ。」というところが心に響いた。良い文章だなぁ。

  • 消えない光、が印象的。
    これから結婚する二人と離婚する二人だが、読んでいてほっこりする。
    耕平に感情移入してしまう。

  • 角田さんの 短編集って どうだろう?と 思いながら読みましたけど
    やっぱり角田さんです( v^-゜)♪
    とても おもしろかったです!

    離婚記念なんて 現実では
    ありえないけど 素敵だなあ~(*´∇`*)と 思います!

  • 角田さんの本はやっぱりおもしろい。

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著者プロフィール

1967年神奈川県生まれ。早稲田大学第一文学部文芸科卒業。90年『幸福な遊戯』で「海燕新人文学賞」を受賞し、デビュー。96年『まどろむ夜のUFO』で、「野間文芸新人賞」、2003年『空中庭園』で「婦人公論文芸賞」、05年『対岸の彼女』で「直木賞」、07年『八日目の蝉』で「中央公論文芸賞」、11年『ツリーハウス』で「伊藤整文学賞」、12年『かなたの子』で「泉鏡花文学賞」、『紙の月』で「柴田錬三郎賞」、14年『私のなかの彼女』で「河合隼雄物語賞」、21年『源氏物語』の完全新訳で「読売文学賞」を受賞する。他の著書に、『月と雷』『坂の途中の家』『銀の夜』『タラント』、エッセイ集『世界は終わりそうにない』『月夜の散歩』等がある。

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