おちくぼ物語 (文春文庫 た 3-50)

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 31
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  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167903503

作品紹介・あらすじ

千年もの長いあいだ人々に愛された日本のシンデレラ物語意地悪な継母に召使いのように蔑まれながら育った「おちくぼ姫」。ところが都で評判の貴公子が姫に求婚して…王朝版シンデレラ物語。

感想・レビュー・書評

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  • 学生の頃から好きな本で、もう10回以上は読み返していると思う。

    古典のシンデレラストーリーが面白いのはもちろんのこと、途中にある用語の解説が分かりやすい。
    例えば、三日夜の餠や几帳、お菓子等、聞いたことはあるけれど詳しくは知らないな、といった用語を作中で丁寧に分かりやすく記述してあるのでイメージがしやすい。
    このおかげで、受験の際に別の古典を読んでいても情景が思い浮かべやすかったこともある。

    落窪の君や阿漕等のキャラも好きだ。
    これからも何度も読み返すことだろう。

  • 作者の創作かと思えば、「源氏物語」や「枕草子」より古いと言う。妻は一人だという評判の若様と身分は高けれど、継母にいじめ抜かれた姫君との大恋愛劇は、まるで少女漫画の世界で、キラキラしている。しかも、仕返しまでセットだ。昔の女性達が心ときめかせて読んでいたのかと思うと、これもまた感慨深い。

  • 本屋大賞2023発掘部門『超発掘本!』
    摂南大学図書館OPACへ⇒
    https://opac2.lib.setsunan.ac.jp/webopac/BB99764500

  • 和製シンデレラ。
    継母にいじめられていた美しい落窪(落窪んだ部屋に住まわされていた)が、今をときめく中将に見初められ、愛する落窪をいじめ続けた継母に中将が復讐する話。

    個人的には阿漕が好き。落窪に忠誠を誓って、気を配り働き続ける美しい女房。バリバリ働きながら恋も楽しんでいる姿は、現代の働く女性にも近い部分がある気がする。恋人に強気で発言しつつ、仲睦まじいのは可愛らしさもあって、とても魅力的な女性。

    落窪と中将が結ばれる所まではいいんだけど、やっぱり中将は北の方への復讐をやり過ぎているよなぁ。もう少し違うやり方もあるでしょうに…。

    どこがどう違うかと言われるとわからないけど、原作にかなり手を加えている気がする。もともと話は好きだったけど、私は田辺さんの訳があんまり好みじゃなかったので★3で。
    田辺さんの訳は出てくる物や平安時代の習わしが細かく書いてあるので、平安文学に全然触れたことない方には読みやすくておすすめ。
    一応文学部出身の身としては、もう少し本文に忠実で固めの訳が好きかな。

  • 結構ライトな感じだった
    別の訳のやつ読んでみたい

  • 長孫が読みたくて購入した本。孫のあとで読みました。孫はこの後どんどん古典小説にはまっています。私はまあまあ面白いとも思いましたが、
    昔昔、源氏物語に若い女性がはまり、みんな読んでいました。今は瀬戸内寂聴さんだけれど(孫の読の読むのは)私の時はやはり女流作家の…思い出せない

    田辺聖子さお訳は、わかりやすくてとてもおよかったです。

  • 平安時代の物語ということで高貴なイメージがありましたが、所々笑えるところや汚い場面もあり、いい意味で親しみやすく人間味の強い話だなぁと思いました。ただ一人の女性をまっすぐ愛する男性が理想的すぎるので、きっと作者は女性だろうな…私もこんな男の人に出会いたい…と遠い昔に生きていた方ながら共感を覚えずにはいられません。
    田辺聖子さんの訳もすごく読みやすくて驚きました。古典初心者なので助かります。本当に読んで良かったです。

  • いのまたむつみさんの表紙イラストがかわいい。日本版のシンデレラ物語として有名な古典。田辺聖子訳は今となってはちょっと古く感じる部分もあるけど、アレンジも読みやすく、おもしろかった。阿漕の働きがすごい。好きなキャラです。

  • 想像以上に面白かった。
    解説は『ガラスの仮面』の美内すずえさん。

    正にシンデレラストーリー。

  • 資親さんと四の君さんが幸せになってるだけで素晴らしく感じてしまう。
    それにしてもお父様の主体性のなさよ。
    みんなから耄碌じじい扱いされてしまって…。
    でも、この時代の耄碌じしいさんだから、実際今の感覚だと若いんだろうな。何歳ぐらいなんだろうな。
    相変わらず見栄が支配する世界だけど、とりあえずハッピーエンドにしてあって良かったよ。

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著者プロフィール

1928年3月27日生まれ、大阪府大阪市出身。樟蔭女子専門学校(現・大阪樟蔭女子大)卒業。1957年、雑誌の懸賞に佳作入選した『花狩』で、デビュー。64年『感傷旅行』で「芥川賞」を受賞。以後、『花衣ぬぐやまつわる……わが愛の杉田久女』『ひねくれ一茶』『道頓堀の雨に別れて以来なり 川柳作家・岸本水府とその時代』『新源氏物語』等が受賞作となる。95年「紫綬褒章」、2000年「文化功労者」、08年「文化勲章」を受章する。19年、総胆管結石による胆管炎のため死去。91歳没。

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