太平洋の試練 真珠湾からミッドウェイまで 上 (文春文庫 ト 5-1)

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  • Amazon.co.jp ・本 (458ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167905613

作品紹介・あらすじ

攻撃か、防御か。戦力か、情報力か米国の若き海軍史家が“日本が戦争に勝っていた百八十日間”を日米双方の視点から描く。米主要紙絶賛の、まったく新しい太平洋戦史。

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  • 五十六のジレンマ、ニミッツの薫陶、チャーチルの決算、開戦直後のリーダー達、そしてこの苦難の時を過ごした市井の人々の姿がありありと描かれています。

  • メモ
    真珠湾攻撃時の各国体制

    日本
    東條英機首相
    山本五十六連合艦隊司令長官
    南雲中将 真珠湾攻撃指揮官

    アメリカ
    フランクリン・ローズヴェルト大統領
    フランク・ノックス海軍長官
    ハロルド・R・ベティ・スターク海軍大将
    ヘンリー・スティムソン陸軍長官
    コーデル・ハル国務長官
    ジョージ・C・マーシャル陸軍参謀総長

    ダグラス・マッカーサー極東軍司令官(フィリピン)
    リチャード・サザーランド参謀長

    キンメル太平洋艦隊司令長官(ハワイ)
    →真珠湾攻撃後解任。
    チェスター・ニミッツ提督着任

    アーネスト・J・キング大西洋艦隊司令長官(ニューポート)
    →真珠湾攻撃後、合衆国艦隊司令官
    →翌年3月スターク大将を追いやり海軍作戦部長兼務
    →アメリカ史上最大の権限を持つ提督へ

    イギリス
    ウィンストン・チャーチル首相
    サー・エドワード・グレイ外相

    トム・フィリップス提督
    →Z部隊:戦艦プリンスオブウェールズ、巡洋戦艦レパルス

  • 真珠湾攻撃前夜からミッドウェイ海戦までの「戦艦至上主義の思想背景」、「指導者層としての昭和天皇」、「血なまぐさい現場単位」など、日米両者の立場を偏りないバランスで、著述されている。

    1つの海戦だけ描く戦記物と異なり、強国アメリカを窮地に追い込んでいたというノンフィクションの本作は、新鮮で素晴らしい。

    欠点は、翻訳が非常に悪い。
    印象あるのは、戦闘機の事実上の名称ではなく、日本メーカー名+型式というのは、本当に分かりづらい。
    また、スラングのある会話も分かりづらい。理解不能であった。

    名著と断定できるのは、原書が素晴らしいため、アメリカの危機(対策)管理から、逆転に転じる史実を述べ、説得材料が豊富である。
    安っぽい「こうすれば日本は勝てた!」というエセシュミレーション小説への反論材料となろう。

  • 本作は所謂<太平洋戦争>、第二次大戦の日米両国海軍の戦いに光を当てた3部作の第1部である。米国のサンフランシスコ在住であるという史家による作品だ。

    本作では、日本側の“中心的人物”として山本提督を、米国側の中心的人物としてニミッツ提督を選んでいるが…主に米国側に関しては、他にニミッツの上役だったキング提督や、その他の人物に関する描写も厚い。そして、当時の米国指導者のルーズベルト大統領や、英国のチャーチル首相に関する挿話も多く取り上げている…

    本作は、公文書や先行研究、色々な人達の回顧録や証言、従軍記者が綴ったモノなど、相当に幅広い史料を意識しながら、「一連の流れ」として日米両海軍の戦いを雄弁に語る力作だ。「得るところ」が多い作品だ…

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