屋上のウインドノーツ (文春文庫 ぬ 2-1)

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  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167908683

感想・レビュー・書評

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  • あなたは学校時代に何か部活動をしていましたか?

    運動系、文化系と部活動も様々です。学校によっては入部が義務となっている場合もあり、このレビューを読んでくださっている方の多くが何かしらの部活動をされていたのではないでしょうか?では、そんな部活動の目的は何だったのでしょう。それをダイエットのためとか、単なる暇つぶしという方は少ないでしょう。もちろんそれがきっかけとなった場合もあるかもしれませんが、多くの場合、入部すると何らかの試合やコンクールに出場したり、と何かしら具体的な目標があると思います。しかし、『なんでみんな、こんなことするんだろうね。だって、最後までいい思いできるのは、ほんの一握りの人達でしょ。ほとんどの人がどこかで負けて、悲しい思いをするのに、どうして頑張ろうって思えるのかな』というように、そんな”戦い”の場では勝者がいれば必ず敗者が生まれます。一生懸命にやった結果に涙する、そんな経験をされてきた方はたくさんいらっしゃると思いますし、割合的には当然に悔しい思いに終わった過去をお持ちの方の方が多いはずです。まさしく、そんな悔しい思いをする確率の方が圧倒的に高いはずなのに『どうして頑張ろうって思えるのか』は人それぞれだと思います。しかし、共通するのは、そんな悔しい思いをする可能性の方が高いとしても、そんな道に青春を賭けたいという強い気持ちの存在です。

    過ぎ去った身には、思えば青春とは、なんてあっけなく終わってしまったのだろうと感じるものです。しかし、その場所にいる時は日々さまざまなことに思い悩み、必死で毎日を生きてきた、今振り返るとそんな風にも感じるのが青春の日々です。そんな中では『何も変わらないと思っていた。何もできないと思っていた』と、早くも諦めの感情を抱くことだってあったのかもしれません。でも、それでも私たちはその先に道がきっと続いていると信じて立ち止まらずに走り続けます。

    この作品は、吹奏楽に青春を賭け、『一緒に、東日本大会に行こう』と”勝利”を夢見るその先に、『でもね、一高に行って、吹奏楽部を始めて、ちょっと変われたと思うんだ、おれ』という主人公の成長を見る物語。そして、走り続けたその先に『悔しい涙でもなく、悲しい涙でもない。嬉しい涙は、こういう味なんだ』とその瞬間を山から吹く風の中に感じる物語です。

    『園庭を走り回る子供達から離れたところ』でいつものように『一人で土いぢりをしていた』のは主人公の給前志音(きゅうぜん しおん)。そんな時、『ねえ、あっちで一緒に遊ばない?』と誘われ動揺する志音。『アオヤマルリっていうの、私の名前』というその女の子の『ほら、行こうよ、あっち』と急かす声にやむなく駆け出した志音。時は流れ、中学の授業中『後ろから肩を叩かれた』志音は『青山から』と回ってきたルーズリーフを受けとりました。『今日の数学は、志音の座る列の生徒が当てられ』るために、先に解いて回答を回してくれた青山瑠璃。振り向くと『その口が「頑張れ」と動』きました。『瑠璃ちゃんは凄い子だった』と何にでも秀でた能力を発揮する瑠璃。『中学受験をして同じ私立中学へ進んだ』二人。クラスが分かれた一年には『友達もできずクラスで孤立し』た志音。しかし『二年では瑠璃ちゃんと同じクラス』となり何かと気にかけてくれる瑠璃。そんな中、志音は、ある日東京へと向かいました。『おう、志音』と声をかけたのは10年ぶりに会う父親でした。『父は音楽』、『母は教師』という夢と目標に一生懸命になりすぎ離婚した二人。久しぶりに会った父親は『志音に自慢したいことがあって』と代々木公園に隣接する放送センターを指さします。『今度あそこが作ってる番組に出る』と話す父親はドラマーでした。帰りに見送られる際、そんな父親は何かを言おうとしてやめます。そして『父が死んだのは、その年の十二月だった』というそれから。そんな父親の遺品の日記の中にあの日付を探す志音は『志音、大志を抱け』という言葉をそこに見つけました。一方、『逃げられるものなら、逃げてしまいたい』と思うのはもう一人の主人公・日向寺大志(ひゅうがじ たいし)。『茨城県立行方第一高等学校吹奏楽部の新三年生五人と、顧問の土子先生』に囲まれ、次期部長就任を説得される大志。結局、先生の提案したくじ引きのような形で選ばれてしまいます。そして、部室の引っ越しの指揮を取る大志は『ドラムなんて、うちにあったんだな』と音楽準備室の最奥にドラムセットを見つけます。『ドラムセットを編成に取り入れたらどうだろう。ジャズやポップスでは多用される楽器だし、コンクールの規定にだって違反しない』と思いついた大志はパーカッション担当の藤咲に話すも『俺にはドラムなんて無理だよ』と軽く返されます。一方で新入部員の獲得に苦慮する大志はふと屋上へと向かう階段の前で足を止めます。『タタン、タタタンッ』という音にひかれて屋上へ出た大志の前に一人の女の子の姿がありました。『手にはバチが握られ、軽快なリズムを響かせている』というその女の子。一年生だというその女の子は翌日もその場所にいました。『君の名前は?』という問いに『きゅうぜん、しおん』と答える女の子。『俺が君の、高校生活最初の友達になってやる』と手をさし出す大志。それをきっかけに吹奏楽部へと入部した志音が、部長の大志ともども『一緒に、東日本大会に行こう』という夢の実現へと練習に明け暮れる日々が始まりました。

    「屋上のウインドノーツ」というこの作品。『茨城県立行方第一高等学校』の『吹奏楽部』で新しい部長に就任した日向寺大志が、吹奏楽のコンクールの一つである『東日本学校吹奏楽大会』への出場を目指して部を率いていく姿が描かれていきます。中学校、高等学校の部活動を舞台にした小説となると、やはり陸上や野球など運動系がどうしても華々しいイメージとともに主流となっているように思います。これは、実際の学校の中における印象と同じだと思います。文化系の部活動が校内で一目置かれるのは全国に名の知れた一部の強豪校に限られるのではないでしょうか?そして、そんな目立たない文化系の部活動は絵にしづらいということもあるのだと思います。しかし、実際に絵になった作品は思った以上に大きな感動を私たちに提供してくれるとも思います。私が読んだ文化系の部活動を取り上げた作品では男子生徒一人に顧問が一人という『文芸部』が舞台となる瀬尾まいこさん「図書館の神様」、陸上を断念し『放送部』に活躍の舞台を見出す主人公を描く湊かなえさん「ブロードキャスト」、そして『キケン=危険』として周囲から恐れられる『機械制御研究部』のハチャメチャな活動を描く有川浩さん「キケン」などが思い浮かびます。もちろん、”学校時代=帰宅部”でした!という方もいらっしゃると思いますし、それはそれで一つの青春だと思いますが、学校を描く感動青春ドラマにはやはり、運動系、文化系問わず部活動の場は欠かせないものであることは間違いないと思います。

    そんなこの作品は吹奏楽部の新しい部長となった三年生の日向寺大志だけでなく、新一年生となり、部活動自体初めてという給前志音の二人が同格の主人公であり、物語は全編に渡って、この二人の間で交互に、かなり細かく視点を切り替えながら進んでいきます。そんな中で文字、言葉の表現として気になるのが、志音の一人称が『おれ』であることです。映像に頼れない文字ばかりの小説を読んでいて『あの……そういうの、苦手なんで、おれ』という台詞が出てきた場合、私たちは頭の中で自然と男性をイメージしてしまうと思いますが、それは主人公・志音の一人称であるという違和感。しかし、それは『この辺りでは女性でも一人称がおれの人が多くいる』と、母親や祖母の影響であることが小説内で語られます。”茨城弁の七不思議”ともされるこの表現に代表されるように、他にも『甘太郎』という大判焼きに似た茨城県の名物菓子を物語の大切な分岐点に小道具で登場させたり、『随分日が傾いて、霞ヶ浦の色は青色とオレンジ色の間の、どちらにもなり切れない不思議な色をしていた』といった感じで茨城県を代表する湖・霞ヶ浦の描写を主人公の心情に重ね合わせるなど、全編に渡って茨城県を感じさせる描写に満ち溢れています。この辺り、デビュー作ということでの額賀さんの地元愛を強く感じました。

    そして、なんといってもこの作品は高等学校の吹奏楽部が舞台となります。『私は中学の三年間、かなり一生懸命に吹奏楽と合唱をやっていて、その時のことが未だに自分の中にこびりついている』とおっしゃる額賀澪さん。そんな額賀さんが描く吹奏楽部の描写はリアルさに満ち溢れています。実は私も吹奏楽部経験者なので、練習風景、部員の関係性、そして舞台で音が鳴り響いて行く”あの感覚”は、そんな時代を遠くに見やる今の私にも違和感なく受け止められるものです。『指揮棒が振られ、「シーゲート序曲」は夜明け前の海を行く小舟のように、静かに船出する』という曲の始まり。『フルートのソロ。クラリネットのソロ。全員の音が伸びやかに重なり、打楽器の音が太陽を連れてくる』と音が重なっていく、このたまらない瞬間の描写は、一瞬なりとも私の中にかつての”あの感覚”を呼び覚ましてくれました。この辺り、吹奏楽の経験の有無によっても読後感は変化するかなとは思いますが、経験のない方でも、額賀さんのこの詩的な表現には間違いなく魅了されると思います。

    そして、青春ものの定番として、物語を通して成長を見せる主人公の姿が描かれていきます。過去の、ある出来事に囚われて、そこから抜け出すことのできない大志の葛藤は、そこに部長としての成長を見るものでもあり、他の小説でもある意味、一般的なテーマです。そして、この作品が特徴的なのは、そこに給前志音という女の子を大志と同格の主人公として描いていくところです。幼い頃から他者と関わることが苦手で孤立することの多かった志音ですが、青山瑠璃という友達を得たことによって、一見友達が増えていきます。しかし、それはあくまで瑠璃を介する関係性であり『志音は、みんなとつながらない』という状態に変わりはありません。しかし、一方でそんな関係性は、次第に『人は常に、自分より弱い人間を笑って、蔑んで、哀れんで、助けてやって、自分がその人より高いところにいると実感して安堵する』という感覚を志音に意識させるようになっていきます。しかし一方で、一歩を踏み出せず『何も変わらないと思っていた。何もできないと思っていた』という志音。そんな志音が高校生となり、父親が遺したバチを引き継ぎ、父親が生涯愛し続けたドラムに賭けていく様が描かれるこの作品。それは、『悔しい涙でもなく、悲しい涙でもない。嬉しい涙は、こういう味なんだ』という苦労を重ねてきた志音だからこそ見ることのできる涙をそこに見るものでした。こういったコンクールを目指す青春ものの結末をどこにするかは、そのゴールによって作品の印象が大きく左右されると思います。勝利に導く場合、敗北に終わる場合、そして勝敗の前に幕を引く場合。いずれもそれぞれに意味を持って作品世界を締め括ります。そしてこの作品で額賀さんが用意した結末、それは、志音の成長の物語というこの作品ならではの特徴を最大限に活かしたその先に、清々しさを感じさせるとても納得感のあるものでした。青春の瑞々しい余韻を残すその結末、それは青春を現在進行形の方よりも、過ぎ去った青春を遠くに見やる、そう、あなたにこそ是非味わっていただきたい、そんな物語がここにはありました。

    『俺さ、今日、確かに、何かを踏み越えられたよ』という大志の成長。そして『志音のいない世界で、瑠璃ちゃんは変わって行く。多分、自分も瑠璃ちゃんのいないところで変わって行く』という志音の成長。それは、『変えたいって、思ったんだろ』という気づきの瞬間のその先に、主人公たちの最初の一歩が、力強い確かな歩みへと変わっていく瞬間を見る物語。

    そんな物語前半に見る主人公たちの様々な悩みの中に始まる重量感のある物語が、新しい風が吹くのを確かに感じる清々しい物語に昇華するその結末に、ああ、青春ってやっぱりいいよね、思わずそうつぶやいてしまった青春小説の傑作でした。

  • 普通の学校にもよくいる、何でもできる女の子とずっと一緒にいる女の子の話。
    少し想像が難しいファンタジーと違って読みやすかった。

    昔やっていた吹奏楽がもう一度やりたくなった。

    人生になんの期待も抱いていなかった志音が大志に助けられて生きることに一生懸命になる。過去のことを引きずっていた大志を志音が助ける、というお互いがお互いを助け合う関係性が良いと思った。

  • 吹奏楽の世界は全くわからない、単純に面白かった。

  • 給前志音
    瑠璃とともに私立敬真学園中学→行方第一高等学校に進学。屋上でバチを叩いているところを大志に見つかる。

    新田
    志音が幼稚園の時の担任。

    青山瑠璃
    幼稚園で志音と友達になる。書道有段者。私立敬真学園中学→高校へ持ち上がり。

    石津

    秋山
    数学教師。

    海東
    瑠璃と一緒にお昼を食べる。

    日向寺大志
    茨城県立行方第一高等学校吹奏楽部。甘太郎で白餡を引き部長になる。ホルン担当。屋上で志音に出会い、吹奏楽部に勧誘する。

    小貫繭
    吹奏楽部。女子。トランペット。

    川尻
    吹奏楽部。女子。トロンボーン。

    西野
    吹奏楽部。女子。バリトンサックス。

    藤咲煌介
    吹奏楽部。打楽器担当。パーカッションのパートリーダー。

    土子晋太郎
    吹奏楽部顧問。社会科の教師。中学時代からホルンを吹いていた。

    志音の父
    東京でバンドのドラムをしている。志音が中学三年の十二月に脳溢血で死んだ。過労死。

    麻美
    志音の母。

    根本早和
    行方一高軽音楽部部長。

    郡司素子
    クラリネット担当。二年生。永作とは相性が悪い。

    永作由香
    アルトサックス担当。二年生。ブレザーの下にパーカーを着ていて、大志に身だしなみに関して注意を受ける。

    千葉智子
    二年生。チューバ。

    羽生春美
    二年生。ユーフォニウム。

    生井沢真緒
    一年五組。志音と同じクラスで吹奏楽部。長身。中学ではトロンボーンをしていた。トロンボーン。

    横山圭太
    一年三組。日之出二中出身。中学ではトロンボーンをしていた。トランペット。

    永作京介
    一年一組。由香の弟。中学ではクラリネットをしていた。クラリネット。

    荒張奈々江
    一年一組。中学では合唱部だった。フルート。

    内田幸司郎
    二年生。テナーサックス。

    大山
    二年生。フルート。

    日向寺誠司
    大志の兄。茨城大学教育学部一年。敬真学園高等部の吹奏楽部だった。

    細屋美来
    水郷高校の三年。打楽器のパートリーダー。

    松永
    大志の中学のときの吹奏楽部の仲間。

  • ソフトカバー本で。
    高校部活小説だが、そんな悩みだったのかと、若くもない身にはあまり感じられず。なんで松清賞?

  • 高校の吹奏楽部のお話

    松本清張賞を受賞したくらいの作品なので、あらすじは割愛

    ストーリーとしては、過去の自分からの脱却や失敗した事への悩みながらの再挑戦というのが描かれていて、青春小説としてはよく出来ている
    まぁ、結末としてもリアルだしね

    若い頃の人間関係の悩み
    誰かの庇護下にいるからこその不安感、過去の失敗に囚われて自分の本心を出せない悩み、誰かを庇護することが自分の使命と思い込むとかね

    文庫の表紙は明らかにラノベ風だし
    読者の対象層としてはそっち向きの方が合ってると思う

    吹奏楽ものとしては、上位の大会出場を目指す部活を取り扱った小説として、「吹部!」(赤澤竜也)、「ハルチカシリーズ」(初野晴)、アニメなら「響け! ユーフォニアム 」は履修済み

    なので、東日本大会がどんな位置づけなのかとか、A部門とかB部門とかどの程度の難易度なのかという知識はあるつもり
    ま、元々の知識がまったくないので何とも信頼性がないのだけれども、奇跡的な事が起こるわけでも偶然性が重なるわけでもなくリアル路線の展開ということでよいのではなかろうか


    「あんた経験ないもんね。頑張って頑張って、汗水垂らして練習して、それでも思った通りにいかないなんて」
    という言葉を読んではっとした
    私自身も、涙がでるほど悔しがった経験ってこの歳まで生きてきてなかったかもと思い知らされる
    もしできない事があったとしても、自分には「こんなものだ」とどこか諦めの感情を抱いていたように思える
    うーん、私の向上心のなさはこんなところの起因するものなのでしょうねぇ


    さて、「拝啓、本が売れません」で触れられていた「キャラが弱い」という件について
    特にキャラが特別弱いとは思わなかった
    主人公の二人、給前志音、日向寺大志に関しては、女性なのに一人称がおれだったり、人たらしのように思えるけれども気になる過去の失敗とか特徴はあると思う

    でも、同じ吹奏楽部を取り扱った作品と比べると弱いかもとも思える
    「吹部!」は先生の自由奔放さと独善的なところが面白いし、ハルチカシリーズは主人公どころか周囲のキャラまで特徴的だし、ユーフォニアムもメインの人たちはクセが強いなぁと思えるキャラだしね
    それらに比べると、やはり弱いとも思うけど、その辺は作品としてリアリティのチューニングをリアル寄りにしているだけだとも思える

    多分、「キャラが弱い」と感じるのは人物描写が少ないからではなかろうか?
    名字なのか名前なのかわかりにくく、男女を間違えそうな人名だとか(特に土子先生)
    容姿や各キャラクターの性格を想像できる描写が少ないように感じた
    なので、追加情報があるたびにイメージしていた人物像がブレブレになっていった気がする

    例えば、土子先生は最初はそこそこ若い女性だと思っていたけど、途中で男だとわかり、退職云々のあたりでは結構年上なのか?と疑問に思った
    容姿の描写も殆どないので、わかりにくかったですね
    本質ではない部分は読者の想像に委ねるという小説のテクニックがあるけど、最初にある程度の想像ができる情報は欲しいですね

  • 著者が吹奏楽経験者ということもあり、至るところにリアルがちりばめられている作品。

    フィクションだけれども、どこか共感できてしまう。ああ、自分にもこういう時期あったな…とか、こういう人いたな…とスッと心にはいってくるものがある。

    東日本大会という、大きな大きな大会を目指すけれど、地区で敗退になってしまうところもリアル。
    努力しまくって全国レベルに登り詰めるのが物語の主人公ってものだけど、実際は努力しても努力しても地方の大会だって届かない人がたくさんいる。そういう人生のほうが圧倒的に多い。

    だからこそ色んな人の心に届いて刺さるお話なんだろうと思います。

    吹奏楽の知識がなくても楽しめます。

  • 2020#47

  • sg

  • あんま覚えてない

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著者プロフィール

1990年、茨城県生まれ。日本大学芸術学部卒業。2015年、「ウインドノーツ」(刊行時に『屋上のウインドノーツ』と改題)で第22回松本清張賞、同年、『ヒトリコ』で第16回小学館文庫小説賞を受賞する。著書に、『ラベンダーとソプラノ』『モノクロの夏に帰る』『弊社は買収されました!』『世界の美しさを思い知れ』『風は山から吹いている』『沖晴くんの涙を殺して』、「タスキメシ」シリーズなど。

「2023年 『転職の魔王様』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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