「空気」の研究 (文春文庫 や 9-14)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (255ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167911997

感想・レビュー・書評

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  • くだらないと思いながらついつい読んでしまう空気、頑張って逆らってみたらボコボコにされる空気、この日本特有と思われる「空気」とは一体何なのかに興味を持って拝読。

    そこに何か特別なものがあるという臨在感的把握が「空気」を醸成する。臨在感的把握の対象である「何か」が変化すれば、「空気」も一瞬で消えてしまう。が、これを永続的にし、一つの体制とするのが、通常性=「水」の裏打ち。ただこの通常性も一つの基準によるもので、それが戦前の天皇「一君万民」であったり、学校教育における教師「一教師・オール3生徒」であったりする。
    そして、水が体系的思想を全部腐食したとき、その表面に出ている「言葉」が矛盾していても、それを平然と併存させておけるのが日本人のファンダメンタリズム。

    …ということがくどくど書かれているように思える。それでこれをどうしろと?ということが書かれていない。

  • 100頁読んでも、何を言ってるのかよく分からないので読むのをやめました。

    「"空気"なんていうフワフワしたもの」を語らねばならないので、フワフワしちゃうのかもしれませんが、それにしても理解できる部分が少ない。

    ただ、多数決の本質は正義を決めるものではないっていう行は、ぉぉっ確かに!って思いました。

  • Eテレの100分deメディア論で取り上げられていたことから興味を持って読んだ本。
    読みやすくはないけれど、書かれていることはとても明快だった。40年以上も前にその場を支配する空気なるものをここまで的確に指摘しているのに旧態依然。SNSで即時的に情報が発信できるようになった今、この傾向はさらに強くなっている。実体のない空気に右往左往するばかりで問題を解決できないのが人間の本質なのかと思い知らされて虚しさが残る。

  • 空気 臨在感 偶像崇拝 アニマ アニミズム 絶対化

    おっちょこちょい軽佻浮薄

    危険なのは全体空気拘束主義
    回避方法はアニミズム的ジグザグ型相対化

  • ・論理的思考とは何かを考えさせられる一冊だった。
    論理的に思考していても、そこのどこかに、空気的判断があれば、それはもはや空気的判断であり、考えることの難しさを感じた。
    ・空気とは、何かを臨在的に把握し、それを絶対化すること。
     マスコミによりマインドコントロールがまさにそれ。
     タピオカの流行もそれに近い。
    ・空気があると、時に阿吽の呼吸や、話さずともわかるといった状況を作り出すことができるが、一方、これは同じ人種である日本人同士であればこそできるものであるのだと思う。
    ・論理的判断の基準と、空気的判断の基準という、一種の 二重基準 のもとに、通常口にするのは論理的判断の基準だが、本当の決断の基本となっているのは、「空気が許さない」という空気的判断の基準が強制力を働かせる。これは私が考えている、会社内で「そのうち考えるのやめる」上層部が生まれることにつながるのだ感じた。
    ・自分にあてはめれば、その場の空気や感情に流されることはすなわち、まさしくここでいう空気に流されるのと一緒なのだと感じ、何事も冷静に見ないといけないとおもった。しかし、そうできるかは自分次第。
    ・全体的に難しい本。

  • 発行当時話題の出来事や当時の「空気」は我々にはわからないし、比較している西欧に関しても今はやや異なる性質を持っているように思うが、指摘されている日本人の性質は40年経った今も根深く残っているのは確かに感じる。
    表現がやや難しいのと広汎な知識故に論が飛びがちで、現代の新書などの論理展開とは異なる進み方をするので少し読みづらかったかな。

  • 難しかった

  • 個人の意思とは別に強い強制力を働かせる「空気」を体系的に語った一冊。
    戦前戦後あたりの政治事例に精通していないため、読み解くのに非常に時間がかかった。
    まだ消化できていないものの、また読み返したい。

  • 【現代日本でますます猛威をふるう「空気」という妖怪】誰でもないのに誰よりも強い「空気」。これは「忖度」そのものだ。発表から四十年を経て、今こそ読まれるべき日本人論の名著。

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著者プロフィール

1921年、東京都に生まれる。1942年、青山学院高等商業学部を卒業。野砲少尉としてマニラで戦い、捕虜となる。戦後、山本書店を創設し、聖書学関係の出版に携わる。1970年、イザヤ・ベンダサン名で出版した『日本人とユダヤ人』が300万部のベストセラーに。
著書には『「空気」の研究』(文藝春秋)、『帝王学』(日本経済新聞社)、『論語の読み方』(祥伝社)、『なぜ日本は変われないのか』『日本人には何が欠けているのか』『日本はなぜ外交で負けるのか』『戦争責任と靖国問題』(以上、さくら舎)などがある。

「2020年 『日本型組織 存続の条件』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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