- Amazon.co.jp ・本 (255ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167911997
感想・レビュー・書評
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くだらないと思いながらついつい読んでしまう空気、頑張って逆らってみたらボコボコにされる空気、この日本特有と思われる「空気」とは一体何なのかに興味を持って拝読。
そこに何か特別なものがあるという臨在感的把握が「空気」を醸成する。臨在感的把握の対象である「何か」が変化すれば、「空気」も一瞬で消えてしまう。が、これを永続的にし、一つの体制とするのが、通常性=「水」の裏打ち。ただこの通常性も一つの基準によるもので、それが戦前の天皇「一君万民」であったり、学校教育における教師「一教師・オール3生徒」であったりする。
そして、水が体系的思想を全部腐食したとき、その表面に出ている「言葉」が矛盾していても、それを平然と併存させておけるのが日本人のファンダメンタリズム。
…ということがくどくど書かれているように思える。それでこれをどうしろと?ということが書かれていない。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
空気 臨在感 偶像崇拝 アニマ アニミズム 絶対化
おっちょこちょい軽佻浮薄
危険なのは全体空気拘束主義
回避方法はアニミズム的ジグザグ型相対化 -
・論理的思考とは何かを考えさせられる一冊だった。
論理的に思考していても、そこのどこかに、空気的判断があれば、それはもはや空気的判断であり、考えることの難しさを感じた。
・空気とは、何かを臨在的に把握し、それを絶対化すること。
マスコミによりマインドコントロールがまさにそれ。
タピオカの流行もそれに近い。
・空気があると、時に阿吽の呼吸や、話さずともわかるといった状況を作り出すことができるが、一方、これは同じ人種である日本人同士であればこそできるものであるのだと思う。
・論理的判断の基準と、空気的判断の基準という、一種の 二重基準 のもとに、通常口にするのは論理的判断の基準だが、本当の決断の基本となっているのは、「空気が許さない」という空気的判断の基準が強制力を働かせる。これは私が考えている、会社内で「そのうち考えるのやめる」上層部が生まれることにつながるのだ感じた。
・自分にあてはめれば、その場の空気や感情に流されることはすなわち、まさしくここでいう空気に流されるのと一緒なのだと感じ、何事も冷静に見ないといけないとおもった。しかし、そうできるかは自分次第。
・全体的に難しい本。 -
発行当時話題の出来事や当時の「空気」は我々にはわからないし、比較している西欧に関しても今はやや異なる性質を持っているように思うが、指摘されている日本人の性質は40年経った今も根深く残っているのは確かに感じる。
表現がやや難しいのと広汎な知識故に論が飛びがちで、現代の新書などの論理展開とは異なる進み方をするので少し読みづらかったかな。 -
難しかった
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個人の意思とは別に強い強制力を働かせる「空気」を体系的に語った一冊。
戦前戦後あたりの政治事例に精通していないため、読み解くのに非常に時間がかかった。
まだ消化できていないものの、また読み返したい。 -
【現代日本でますます猛威をふるう「空気」という妖怪】誰でもないのに誰よりも強い「空気」。これは「忖度」そのものだ。発表から四十年を経て、今こそ読まれるべき日本人論の名著。