満月珈琲店の星詠み~秋の夜長と月夜のお茶会~ (文春文庫 も 29-25)
- 文藝春秋 (2023年12月6日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167921385
作品紹介・あらすじ
淡路島で母を看取った百花。満月の夜、散歩に出かけると、閉まっているはずの遊園地に見知った猫が入っていき……。花巻の祖父母の家で療養する少年、宮島で姉妹関係に悩む女子、人生に迷う人々の近くで、満月珈琲店が開店する。星遣いの猫たちのあたたかな言葉と、美しいイラストが共鳴する大人気書き下ろしシリーズ、第5弾!
感想・レビュー・書評
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満月珈琲店の星詠みシリーズの第五弾、秋の夜長と月夜のお茶会のサブタイトルがついています。この独特な世界観がいいんですよねぇ~♪表紙も、見開きカラーページのデザートもさすがの桜井千尋さん、何だか癒されるぅ!満月珈琲店には決まった場所はなく、そしてお客様に注文をうかがうこともしない…大きな三毛猫のマスターが、とっておきのスィーツやフード、ドリンクを提供するというコンセプトです。そして、今回の作品は読書好きにはたまらない作品になっています。
ストーリーの方は3編の短編にエピローグを加えた連作短編集になっています。
第1章)木星と銀河のカッサータ
母一人子一人であった百花が母を看取り、今までの人生とこれからの人生について考える作品。
第2章)水星のお茶会とベテルギウスのプリン
百花と母違いの総悟、母の過去を知りショックを受ける。その直後に知り合った人と同じ職場に勤務することに。
第3章)金星と三日月りんごのアップルケーキ
総悟の従姉妹姉妹、松浦果歩・沙耶の恋愛…妹の沙耶の恋人を好きになってしまった果歩は…。
エピローグ)総悟のこれから…。
印象に残ったのはやっぱり、松浦姉妹のお話…姉妹で同じ人を好きになることってあるのかな??ちなみに私にも妹がいるけれど、同じ人を好きになった経験はないけどなぁ…。各章に共通していることは、主要登場人物がみな、生きにくさを感じているということです。でも、満月珈琲店に立ち寄れたことがいいきっかけにになり、前向きにこの先の人生を考えていけるようになるということだと感じました。やっぱり、満月珈琲店、好きです(*'▽')詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
シリーズ5作目。
今回は舞台が淡路島、花巻、宮島と好きな場所ばかり。そして好きな作家さんの本もたくさん登場。
短編連作3編とも、主人公に感情移入して読んだ。
特に第三章がよかった!果歩ちゃんに幸せになって欲しい。
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第5弾も面白かった!とくに最後の話は涙が止まらない。読み終わったあと、心がほっこり温まった。イラストも素敵。
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シリーズ5作目。
やっぱり癒されてホッコリできる作品です。
今回のイラストもとても素敵で美味しそうなものばかり。 -
シリーズ第五弾。
悩める人達に極上メニューと、星の導きを与えてくれる〈満月珈琲店〉。
桜田千尋さんの美麗なイラストと共にお送りする、様々な人生ストーリーを堪能頂けます。
今回のテーマは、家族・恋愛・読書といったところでしょうか。
登場人物達の、言いたいことがいえずに、勝手に自己犠牲のようになってしまいがちな不器用さが愛おしいです。
淡路島で、母親の為に生きてきた百花さんが主人公の第一章。百花さんの“母親違いの弟”の総悟さん(シリーズ四作目にも出てきましたね)がメインの第二章。そして総悟さんの従姉妹の果歩と沙那の物語の第三章・・・それぞれのお話がリレーのようにリンクしていく様は、さながら星と星とが繋がって一つの星座を描き出していくようですね。
星座といえば、このシリーズではお馴染みの「西洋占星術」ですが、この巻では“惑星年齢域”にスポットを当てて取り上げていました。
例えば、0歳から7歳は月・・・26歳から35歳は太陽、36歳から45歳は火星・・と、いうように年齢域で対応している惑星が移り変わっていくらしく、その惑星がどの星座にあるかで、その期間の過ごし方がわかるのだそうで・・・本書内に解りやすい表が載っているのも親切ですよね~。
そして、今回は“読書”もテーマの一つなので、皆さまご存じのあの作品名、この作品名が登場するのもウキウキですね。
特に第二章は、舞台が岩手県の花巻市・遠野市ということで宮沢賢治三昧でございます。
そうそう、今回は各章で舞台となる土地も魅力的で、個人的に数年前に一人旅で訪れた〈宮島〉が出てきて嬉しかったです。(めっちゃええとこですよね~。ここの鹿さんは、のんびりしていて可愛いのです。)
勿論、お話の内容も心にじんわりと染み入る、ハートウォーミングな展開で(ただ、総悟&百花さんの父親に関してはモヤるものはありますけどね・・)、とりわけティルと総悟さんのシーンはウルっときてしまいました。
総悟さんと小雪さんが上手くいくといいな~。
てか、私の前にも〈満月珈琲店〉が現れて欲しい!三毛猫マスター、お待ちしております~♪ -
不倫って難しい。
【難しい】の理由は、例えいかなる状況であっても許すことができないから。
最初の百花とお母さんの悲しみや孤独、暮らしぶりを見たら…。
果歩ちゃんのアップルケーキの話は感動して目がうるうる。
誠実な男女の話。
大好きな満月珈琲店のシリーズだけど、今回は【本】がたくさん絡んでいて、心地よく読めた。
カラフル、私も読んでみたい!
もちろん、満月珈琲店シリーズの次のお話も。
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今回は親戚繋がりの短編集。
シリーズなので、前作で出てきたひともちらっと出て、美味しそうで綺麗なイラストと一緒にホッとするお話。
読んだことある本や、知ってるが読んだことない本、本好きとしてはウキウキ。 -
今回もよかった。何か、語りかけてくるものを感じる。登場人物のいろんな経験と思いが自分にも部分的に重なるところがあったりして。本との出会いも人とのつながりも人生を豊にしてくれる。
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お馴染みの珈琲店の、素敵なスイーツと猫さんたち、堪能しました! 今回は、サブテーマの「読書」にときめきました! 軸になるストーリーは、百花、総悟、果歩、沙耶の4人の成長(年齢域・月〜太陽)が眩しく感動的です。
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「満月珈琲店の星詠み」シリーズ第5作目。
単独でも読めますが、前作(第4作)に出てきた登場人物が本作でも主人公のひとりとして登場するので、できれば4作目→5作目と読むのがオススメ。
4作目のネタバレとまではいかないので、本作から読んだ方も戻って4作目を読むこともできます。
1〜4作目までは「星詠み」要素が強かったので、主人公たちに合った星詠みが展開されるところもおもしろかったのですが、本作は個人に合った星詠みではなく、惑星年齢域に絞って書かれたものだそう。
惑星年齢域は表でわかるので、自分の年齢がどの惑星域にいるのかがわかります。
ただ、その惑星域において自分がどの星座があてはまるのか?まではわからないので、それを教えてもらっている主人公たちがとてもうらやましかったです。
ただ、主人公たち個人の星詠みではなく、惑星年齢域をあてはめてのお話だったので、占星術的な要素はちょっとあっさりめに感じました。
またもう1つのテーマが「読書」だったそうで、どうりでいろんな本の紹介が作中で出てきたわけだ…とガッテンでした。
物語のラストは前向きななれるものだったけれど、親の恋愛が子どもたちの人生にまでくい込んできてしまうのは、親も人間といえどなんだかなあ…ともおもいました。
勝者のようにふんぞり得られてしまわれていたら、んーとなっていたとおもいますが、だからといって悲劇のヒロインみたいになってしまっているのも、どうなんだろう…とおもいました。
レンアイは難しいですね…