満月珈琲店の星詠み~ライオンズゲートの奇跡~ (文春文庫 も 29-23)
- 文藝春秋 (2021年12月7日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (238ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167917920
作品紹介・あらすじ
八月の新月、三毛猫のマスターのもとに、美しい海王星の遣い・サラが訪れた。特別に満月珈琲店を手伝うという。人に夢を与えるサラが動いたことで、気後れして母に会えずにいた沙月、自分の気持ちを蔑ろにしてきた藤子、才能の限界を感じた作家の二季草、彼らの心の扉が開かれる。イラストとともに生まれる書き下ろし小説。
感想・レビュー・書評
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鮎川沙月の母、川田藤子と作家の鮎沢渉の物語。
相手のことを考えるからこそすれ違ってしまい。自分の気持ちを偽ってしまう。
最後は、海王星のサラの力添えもあって、それぞれの気持ちに正直になれて良かった。
― 本音を認めること。
― 本音通りの選択ができない時は、その本
音を発している自分に対して事情をしっか
り説明し、そして、謝る。
― 自分の中で決意表明する。
― 自分を幸せにするのは自分だけ。
― 恋愛感情なんて、大きな愛の中の一つで
しかない。
今回もいろいろ気づかせてもらいました。
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シリーズ3作目。
今作では、とにかく母藤子の男前っぷりに惚れた!
身近にいたら、是非友達になりたいタイプ。
青春時代に藤子に会えた渉や、娘の沙月が羨ましい。
「全部ひっくるめて好き」と言ってくれる人の存在は、自分を強くしてくれるのだなと思う。
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この作品にもたっぷり癒やしてもらえました!相変わらず表紙から可愛いし、またカラーで描かれている満月珈琲店オリジナルの逸品にも目を奪われ、またしても「いいなぁ~!」です(^^)
この作品では、満月珈琲店を手伝うサラが活躍します!一作目にちょっとだけ登場した女優の沙月が再び登場、でも今作で主に登場するのは沙月の母藤子と作家の二季草…2人の過去と今の想いに焦点があてられます。
今作では、星詠みの場面は少なく、逆に私としては読みやすく感じました!!ラストは本当によかったです。今回も優しい心温まるストーリーで、この読後感たまりません。 -
満月珈琲店の星詠みシリーズ、第三弾。
今回も涙が止まりませんでした。
4作目も早く読みたいです。 -
海王星のサラの働きにより心の扉が開かれる。誰かを幸せにしたいなら、まずは自分を幸せにする。そのためには常に自分の心に問いかけること。伝えたいことはシリーズを通して一貫している。今回は短編ではなく、主に藤子さんと鮎沢くんの物語。二人の関係がとても素敵で、幸せを祈りながら読んだ。愛情深く心温まる話だった。
今を生きる、その連続が未来へ繋がっている。人生は選択の連続だけど、できるなら後悔のない選択をしたいもの。後悔にもいろんな種類があるけれど、私は言えなかった後悔が多いかな。ほんのちょっとの勇気とタイミングなんだよね。この本に勇気をもらった。言葉にして伝えていこう。 -
星詠みについては前2作ほどではなく、それぞれの視点からの長編でした。
鮎川さんの親の話で、とても真っ直ぐで強い藤子さんの過去から現在が書かれています。
「恋愛感情なんて大きな愛の中のひとつでしかない」なんて、カッコいいなぁと思います。
3作の中では1番好きです。うっすら涙しました。みんな幸せになってほしいですね。 -
今回は、一作目に登場した鮎川沙月に関係する話。まさか再登場するとは思わなくてびっくり。
鮎川沙月の父と母の話。母親の藤子の話と父親の話が交錯しながら進んでいく。
私は藤子の話が好きだったな。藤子の話を読んでたら、なぜか米津玄師さんの"Lemon"が頭の中に流れてきた。そして切なくなった。藤子の人柄に私は好感を持てたのだと思う。藤子の決断を応援したいと思った。
その余韻で父親の話を読み進めていくと「えっ⁉︎」てなって、正直ちょっとシラけた。これは男と女の考え方の違いなのか?若さ故なのか?男女の友情は成立するのか?などなど色々考えてしまった。「ひどいなぁ」と思いつつ、これどういう風に話が終わるのか気になり、イライラしながら読み進めていった。まさか『満月珈琲店の星詠み』を読んでイライラするとは思わなかった。
でも、最後までいくとそういう事かと分かり、そしてまた切なくなっちゃった。父親のずっと抱えてた想いを知ると悲しくて可哀想になった。そしてその想いを全て包み込む藤子の包容力。2人が分かり合うシーンがすごく良かった。最後はあのイライラが何処かに行ってしまった。やっぱりこのシリーズ最高。
初めて登場した海王星の遣い、ラプトゥヌス。仲間からサラと呼ばれるようになったんだけど、サラが迷える人間たちをどう導いていくのかも注目して読んだ。サラはどこか夢み心地でフワフワした印象。こんな感じで導いていけるのか心配だったんだけど、その心配は無用だった。ちゃんと導いてハッピーエンドを迎えさせた。というかこの"ライオンズゲートの奇跡"は前の2作とハッピーエンドの迎え方が違い、びっくり。これもパワーの強い海王星の遣いが2人を導いたからなのかもしれない。
"ライオンズゲートの奇跡"は驚きがいっぱいあり、なんか新鮮な感じでした。