- Amazon.co.jp ・本 (278ページ)
- / ISBN・EAN: 9784198608699
感想・レビュー・書評
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4つの福音書を元に、キリストの一生を聖書の区切りを使わずに小説風に表している。全くキリスト教を知らない人、聖書を読んだことがない人が、手っ取り早く新約聖書に何が書いてあるかを知るには便利かもしれない。「手っ取り早く」とはいえ、一ページは2つに段組されており、267ページに渡る本文は生半可な気持ちと時間では読めないと思うが。
これで物足りなかった人は、聖書を読むべし。(2005.7.30)詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
物語風でも無理だ
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わかっているようでよくわかっていない聖書というものを、小説としてなら読みやすく理解出来ると思い手に取った。
2段組みの単行本なので読み終わるのに思ったより時間がかかった。
また、前提知識が足らないせいか、ストーリーの内容がよく理解できない点も多々あり。
読む前よりは、全体像が少しは掴めるようになったかとは思う。
今後も他の本で知識を補い理解を深めたい。 -
以前、旧約編と合わせて読んでいたのだけど、神話や伝説を取り入れつつも基本は歴史を語る旧約(日本でいうと古事記)に対して、ひたすらイエスの生涯と奇跡を追う新約は、おとぎ話に過ぎるしイエスが偉そうであまりワクワクせず、読みあぐねた記憶が。
そして今回、イスラエル、パレスチナ、ヨルダンを旅するにあたり念のため再読し、あらためて苦労した…。なかなか進まず、行く前に全部読むつもりが結局読み終えたのは帰国して二週間後。
でも、帰国後読んだ後半部分は舞台がエルサレム周辺であり、そのあたりの風景が脳内で再現されたのでそれはそれでとても良かった。
しんどい思いをしてオリーブ山のてっぺんまで登って見学した「昇天教会」と、イエスが立ったという岩。あのときは「ふぅん…」という感じだったけれど、昇天のシーンを読んだときあの岩が思い出されて、なんだか心震えたよ。 -
新約聖書の小説版。
新約聖書って「イエス篇」だったのか。
神話に近くフリーダムすぎる旧約篇にくらべて、新約篇は人間ドラマの要素が強い。
しかもイエスが生まれて死ぬまでの短い時間に話がしぼられているので読みやすかった。
人物像は著者の解釈なのか聖書の通りなのかよくわからないけど、まちがいかたや悩みかたが人らしくて親しみやすい。
この本ではじめて知ったシカルの女のエピソードが好きだ。
大喜びしてイエスに駆け寄ってきた大きな女がよろけて、ささえようとしたイエスが顔面から地面にめりこむ。コントか。
アホな大型犬と涙目チワワみたいなシモン・アンデレ兄弟といい、夢見る暴走思春期なユダといい、絵画にえがかれたおじいさんたちのイメージががらりと変わった。
そういうキャラクターの物語として読むと、聞いたことのある格言も意味をもちはじめる。
たとえば「信じるものは救われる」は「信じない奴は地獄におちろ」ではなく、「自ら助くるものを助く」なんだと、腑に落ちた。
自分で動かない子をわざわざ探し出してなだめすかして助けてあげるほど親切じゃないよ、ってことなんだきっと。
だから「求めよさらば与えられん」なのか。
私は死人をぼんぼん生き返らせる奇跡よりも、生き物はみんな死ぬもんですと説く悟りのほうが好きだけど、はじめてキリスト教の教え自体に興味がわいた。
キリスト教圈の文化を読むときに便利だからとか、LGBTへのヘイトのカウンターに使えそうとか、そういう下心ぬきでもおもしろそう。 -
一応、聖書に書かれていることを概観できたのは良かった。
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キリストが誕生してから死んで復活するまでの聖書の新約篇。
マリアとかマタイとか同名が多くて誰が誰だかわからないことが多かったけど、これを読んだおかげてずいぶんとわかったような気がする。余りにもキリストの力が大きすぎて当時の権力者たちが恐くなって死刑にしてしまったんだね。 -
聖書がよく理解できた