金融探偵

著者 :
  • 徳間書店
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本棚登録 : 309
感想 : 50
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  • Amazon.co.jp ・本 (317ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784198618711

作品紹介・あらすじ

名探偵はただいま再就職活動中。融資の専門家が経験と知識を生かしてミステリアスな怪事件に挑む。江戸川乱歩賞作家の新境地。

感想・レビュー・書評

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  • 大手銀行からリストラされた小原治郎は、ハローワークに通いつめる毎日だ。
    そんな中大家さんの営む銭湯が、銀行の貸し渋りにあい、なんとかならないかと相談を受ける。
    自身が銀行員だったことの経験を生かして、事件を解決すると、大家の娘に「金融探偵をしてはどうか」と半ば強引に勧められる。
    大原は金融のノウハウを生かして、金の動きを掴み事件の解決を目指す。

    —————-

    …しかし大原はつくづく運のない男だと思う。
    彼に舞い込んでくる依頼は、一癖も二癖もある内容で、事件に巻き込まれすぎて警察の顔馴染みになってしまった。
    事件については、フィクションとはいえちょっと無理がある設定もあったが、トラブルメーカーの大原が巻き込まれていく様子は大変面白かった。

    果たして彼は無事就職活動を終えられたのだろうか?
    金融探偵を続けるのか、新しい職場を見つけられたのか、今後の展開が少々気になる次第である。

  • 金融コンサルタントならともかく金融探偵というのは無理があるように感じました。
    コンサルタントと探偵のどっちつかずの中途半端ですね。
    交通課の警官がバディというのもね。

  • 銀行をリストラされた31歳大原次郎は、アパート大家が経営する銭湯の銀行融資について力を貸す事になり、その娘梨香の勧めで金融探偵業を再就職活動の傍らで始める事になった。
    ・賭博で借金を作った銀行支店長が粉飾決算の大型銭湯会社に不正融資する計画を暴く。
    ・次郎が交通事故を起こした相手狭山桂子は山崎美枝子だった。山崎の会社の隠し財産を知った狭山夫婦が山崎夫妻を焼死させ入れ替わっていた。
    ・角膜移植を受けた男が見る女の映像は、銀行員の自分に近づき殺して銀行の金を奪った女だった。
    ・有名画家の戸川がパリ在住時代に買い取った出納ノート3冊の持ち主は島崎藤村だった。
    ・藤村のノートに若き戸川の贋作行動と思われる記載について事件が発生。
    ・銀行人事部の男が取引先社長を殺した。それを隠すために次郎も利用され殺されかけた。
    ・鍼灸院の常連客に、銀行現金輸送車を狙う計画を知る女がいた。自動車販売社をリストラされた女だった。

  • 勤め先の銀行が倒産し、ハローワークに通いながら
    、再就職を目指す若者を描いた作品
    金融に関するエピソードを探偵の姿を借りながら、隠れた真実を描いている

  • 短編集はあまり面白く感じなかった

  • 金融を絡めた短編推理小説の連作。「プラスチックス」と「誰のノート?」「藤村の家計簿」が特に面白かった。

  • 元銀行員の探偵稼業短編作。

    ・銀行はやめたけど
    ・プラスチックス
    ・眼
    ・誰のノート?
    ・藤村の家計簿
    ・人事を尽して
    ・常連客

    銀行の倒産により失業した大原次郎は、下宿先のアパートの大家が経営する銭湯の銀行とのトラブルを解決したことを期に、金融がらみのトラブルを解決する探偵業を始める。

    帳簿や決算書からトラブルの解決の糸口を探り出していく。


    もう少し銀行員ならではのストーリーが欲しかったところ。
    「人事を尽して」が金融がらみの汚さをよく表していて好きだったかな。

  • 勤めていた銀行が潰れて就職活動中の元銀行マンが、様々な事件に巻き込まれて行く。

  • 大手銀行をリストラでクビになった大原次郎って何歳なんだろうなぁって思った。
    どこから手を付けていいかわからないような難問に、諦めず、しぶとく取り組んで行く姿が面白かった。
    また、探偵シリーズ続編が出ないかな。

  • あの倍返しだ!!でおなじみのドラマの、
    原作者の方の作品です。


    元銀行員の主人公が、望んだわけではないけれど?
    何やかやと舞い込む相談や事件に、
    金融的視点(て何)で謎解きをするお話です。


    短編の連作なので、とても読みやすかったです。

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著者プロフィール

1963年岐阜県生まれ。慶應義塾大学卒。98年『果つる底なき』で第44回江戸川乱歩賞を受賞し作家デビュー。2010年『鉄の骨』で第31回吉川英治文学新人賞を、11年『下町ロケット』で第145回直木賞を、’20年に第2回野間出版文化賞を受賞。主な作品に、「半沢直樹」シリーズ(『オレたちバブル入行組』『オレたち花のバブル組』『ロスジェネの逆襲』『銀翼のイカロス』『アルルカンと道化師』)、「下町ロケット」シリーズ(『下町ロケット』『ガウディ計画』『ゴースト』『ヤタガラス』)、『空飛ぶタイヤ』『七つの会議』『陸王』『アキラとあきら』『民王』『民王 シベリアの陰謀』『不祥事』『花咲舞が黙ってない』『ルーズヴェルト・ゲーム』『シャイロックの子供たち』『ノーサイド・ゲーム』『ハヤブサ消防団』などがある。

「2023年 『新装版 BT’63(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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