勝つために戦え!〈監督篇〉

著者 :
  • 徳間書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (366ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784198629168

感想・レビュー・書評

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  • 押井守の映画論。これを読んで僕が『スカイ•クロラ』をいまいち楽しめなかった理由も分かった気がする。つまり僕は自分の中で定義した"押井守作品"を求めてあの映画を観たんだな、ということ。
    読んで良かった。

    図書館にて。

  • 目次
    常勝監督の悲劇
    キャメロンの冒険
    押井守の発明品
    三池崇史の気質
    手塚治虫の功罪
    ヴェンダースの祝福リンチの呪縛
    チャンバラ映画の消滅
    深作欣二の動機
    タルコフスキーの執念
    樋口真嗣の理論〔ほか〕


    押井守が語る宮崎駿やジェームズ・キャメロンの話が面白い

    宮崎駿について
    ビジネス的成功と名誉以外すべてを失った
    限りなく不幸になった。あれほど孤独な人間はいない
    仕事生活からの帰り道は自分でやらなければいけない
    自分は帰ってきたけど宮さんは行ったきり
    高畑勲は文化人。エンタメはなくなり興行からは限りなく遠い人になった
    誰かをスケープゴートにして結束を固めるのは宮崎駿も高畑勲もその世代の監督は得意技。そうしなければ成功しない
    上の世代が強烈で今踏ん張っているのは庵野だけ
    もののけ姫や千と千尋はレイアウトがダメになっている。宮さんが年をとったから
    宮崎駿はアニメーションの大衆化に対する抵抗心を持つ。アニメは年に1本できればいい。下手なアニメータはやめろ。国へ帰れ。大衆化で大量に作られたクズのようなアニメーションに唾棄。でもその大量に作られたロクでもないアニメーションのおかげでマーケットが広がり宮さんは映画監督になれた。そうでなければ延々とテレコムでくすぶっていた。
    アニメ作りは矛盾を抱える仕事。宮崎駿は長年それを考えている



    ジェームズ・キャメロンについて
    アバター公開以前と以後で意見がガラリと変わってる(笑)
    前:タイタニック以上の成功はもうありえない

    後:まだあれだけのパワーがあった。完敗。
    キャメロンは勤勉。
    自分は映画制作以外も充実している今のライフスタイルが気に入っている
    自分は映画を作り続けることが勝利になる
    だから違うことをやる
    こちらは規模1/100のものしかできない
    だからコンセプトで勝負する.それは得意だから
    そのことに関して生まれた時代と場所を恨む気はない
    キャメロンほど勤勉でない自分を反省する気もない

    鈴木敏夫との対談も巻末に収録
    汗まみれのポッドキャストでも公開された対談だけど
    ポッドキャストの方はカット編集されているんだなということを再確認した

  • 押井守さんによる、言いたい放題の映画監督論。
    作品やもの作りに対して、
    「作り手」「業界内部」という視線から語られていて、
    やはり作品を見るしかない観客の感覚とはちょっと違うなぁと。
    それぞれの監督作品の見方が変わりそうに感じる一冊です。

    映画監督もやっぱり人間。
    業績は「権威」でも、名前が権威なわけではない。

    樋口真嗣監督の「イス理論」が面白いw。

  • 言いたい放題(笑)

  • あいにく、押井監督の作品は一本も見たことがありません。多くの映画監督について語っていますが、なるほどと頷ける部分がいくつもありました。特に樋口真嗣監督については納得。

  • ブンデスリーガ 連邦制をしくドイツ語圏(ドイツ、スイス、オーストリア)での全国選手権リーグ

  • 押井監督の監督としての勝敗論。様々な監督を通して映画について語らています。

    詳細はこちら。
    http://blog.livedoor.jp/oda1979/archives/2610553.html

  • 押井映画をdisりたい人必読でえーす

    戦争のリアリズムから発想してるみたい、な監督が、
    どんだけ確信犯なのか、
    そこんとこきちんと理解した上で書かないと、
    この本の理屈を超えた説得力を示さないと、

    その書いたものは、
    「この人莫迦なんじゃね?」って
    あたしなんかにも思われてしまうものにしかなりませーんw

    ってことが明確になっちゃう本なのだな、これが。
    むっちゃ、面白いデス♪

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著者プロフィール

映画監督、作家。1951年、東京都大田区生まれ。
竜の子プロダクション、スタジオぴえろを経てフリーに。主な監督作品に『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』(84)『天使のたまご』(85)『機動警察パトレイバー the Movie』(89)『機動警察パトレイバー2 the Movie』(93)『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』(95)。『イノセンス』(04)がカンヌ国際映画祭、『スカイ・クロラ The Sky Crawlers』(08)がヴェネチア国際映画祭のコンペティション部門に出品。実写映画も多数監督し、著書多数。2016年、ウィンザー・マッケイ賞を受賞。

「2024年 『鈴木敏夫×押井守 対談集 されどわれらが日々』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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