緑の精にまた会う日

  • 徳間書店
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感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (249ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784198634667

作品紹介・あらすじ

英国の自然の象徴「グリーンマン」の伝説と民間伝承の妖精「炉端のロブ」をもとに、神秘的な存在と、都会に住む少女のふしぎなめぐりあいを描く物語。ガーディアン、カーネギー両賞のノミネート作。小学校高学年〜。

感想・レビュー・書評

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  • ルーシーはおじいちゃんの家にいた緑の精のロブにまた会いたい!と願っているけど、ロブの方はルーシーの置き手紙を読んだわけでも、おじいちゃんやルーシーに思い入れがあるわけではないのかな(思い入れがあるのは庭?)…というのがちょっと残念。
    とはいえ2人が最後によい形で再会できているのでよかった。
    いつの間にか庭仕事を手伝ってくれるロブ、いいなぁ。
    絵がとてもかわいかった。

  • (No.13-39) 児童書です。

    内容紹介を、表紙裏から転載します。
    『大都会ロンドンに住むルーシーは、田舎のおじいちゃんが聞かせてくれる、緑の精ロブの話が大好きだ。ロブは気に入った人間のところにとどまり、庭仕事などを手伝ってくれるという。今はおじいちゃんのところにいて、いつのまにか畑の雑草をぬいておいてくれたりする。けれど、たいていの人は、ロブの姿を見ることが出来ない。
    ところが、秋の終わりにおじいちゃんが亡くなり、家が売りに出されることになった。庭にいるロブはどうなるのだろう?
    「ロブさん、あたしのところに来てください。待ってます」ルーシーは手紙を庭に残してロンドンにもどった。
    やがてロブは、主をなくしあれはてた庭を後にし、何かに導かれるように、ルーシーの住む南へと歩きはじめた・・・・。

    英国の自然の象徴〈グリーンマン〉の伝説と民間伝承の妖精〈炉辺のロブ〉をもとに、神秘的な存在と、都会に住む少女のふしぎなめぐりあいを描く物語。』

    ルーシーのパパもママも、おじいちゃんの妻であるおばあちゃんも、ロブのことはルーシーのためにおじいちゃんが作ったお話だと思っています。ルーシーも大きくなったのだからいつまでもそんな話を・・・とか、でもおじいちゃんが楽しんでいるのならまあいいか、という感じの対応。ルーシーだけはロブがいることを信じていましたが、なかなか会うことが出来ませんでした。でもある日、見ることが出来たのです。そう、ロブのような存在を「見る」ことが出来る人と出来ない人がいるのです。

    おじいちゃんが亡くなってもおばあちゃんは一人で村に残ることを選びました。パパがロンドンで一緒に住もうと誘ったのですが。
    でも広い庭と家を、年取ったおばあちゃん一人で管理するのは大変なので、家は売って村の比較的便利なところに住み替えることにしたのです。
    こういう選択は、おばあちゃんにとって最良だなと思います。私ももし自分がパパの立場だったら、それが良いよと言うでしょう。長年の友人も村にいるし、慣れた環境で自立して暮らせたらそれが一番ですから。

    とても住んでいられなくなって歩き始めてからは、「見える」人なのにロブを邪険に扱う人、利用しようとする人、こういう存在を見ないことにしようと心の目をふさぐ人、いろいろな人とロブは出会います。
    ルーシーもだんだんロブのことを人に言わなくなります。ルーシーなりに、おじいちゃんの死とロブとの別れを克服しようとしているのです。
    ルーシーとロブは会えるのかなあ。その前にルーシーが「見えない」人になっちゃったらどうなるの。早く早く・・・・。

    とても素敵なお話でした!

  •  おじいちゃんの庭には、緑の精ロブがいて、庭仕事を手伝ってくれる。ルーシーは、おじいちゃんの語るロブのお話が大好き。秋の終わり、おじいちゃんがなくなる。おじいちゃんの庭も…。ルーシーは、ロブに手紙を書く。「よかったら、ロンドンへ来て暮らしませんか?」

  • グリーンマン、妖精炉端のロブのように不思議な者が見える人と見えない人がいる。見える人は少ない。
    畑や緑を愛し、信じる心を持つ女の子が再びロブにあうまでの日々
    季節の移り変わりと所々にある詩もステキでした。

  • 亡くなったおじいちゃんとの思い出、妖精ロブを待ち続けた女の子と、妖精ロブの旅の話。


    おじいちゃんとの思い出を大切にし、おじいちゃんの庭にいたロブが自分の家までやってくることを切に願うルーシーの純粋な心が胸をうちます。

    また、居心地の良い庭を求めてひたすら歩いて旅をするロブの話の様子が、素晴らしい。
    長い時を経て息づく、自然の中にあるものの存在であるロブの描かれ方がとても美しい。

    ロブのたどる道のりは辛く険しいけれど、ラストは穏やかで心地よい。

  • ★★★★★
    ルーシーと田舎のおじいちゃんには秘密がある。
    畑いじりの大好きなおじいちゃんには仕事を手伝ってくれるロブという妖精の友達がいるのだ。
    おじいちゃんの畑は魔法の力でいっぱいで、緑は元気よく、ルーシーもおじいちゃんもロブがいるときはウキウキとしてくる。
    しかし秋、おじいちゃんはルーシーやロブをおいて、亡くなってしまう。

    おじいちゃんの家は売りに出され、ルーシーは『ロブさん、あたしのところに来てください』と手紙を残し、両親といっしょに都会に帰る。
    ルーシーはロブさんが中々きてくれないこと、他にもいろんなことで傷つき、ロブさんと過ごした記憶も、ロブさんを信じる気持ちも細く途切れそうになっていく。

    一方ロブさんは住み慣れた土地を後にし、南へと道を歩きはじめる。

    ロブさんは気持ちを詩にするんですが、これがステキ。
    生命に満ち満ちたピッカピカの詩、心折れて腹がたって絶望の詩、満足して満ち足りた詩…。

    訳もすばらしいんですが、英語ができて原文を読めたらなあ!と。

    幸福感がじんわりと広がっていきます。

    あと、読む前は気付かなかったんですが、読んでから私にもロブさんが見えた!!
    ホントは近くにいつもいるんだけど、見えてないだけかもね´∀`
    (まっきー)

  • ルーシーは田舎のおじいちゃんが聞かせてくれる緑の精ロブの話が大好き。おじいちゃんはロブが見えるんだって!わたしもいつか見えるようになるかしら。でも、おじいちゃんが亡くなって、庭はこわされ、ロブはいるところがなくなってしまった。ルーシーはロブに手紙を書いた。「ロンドンのわたしに会いに来て!」
    ロブは誰によばれたのか、どこにいけばいいのかわからないまま歩き始めた…。

  • 淡々とした日常、大きな事件も起こらない、ズシリとした感情をさらりと描いていて…ちょっとうまく表現できません、なんだろう、なんだろうこの本~~モダモダ
    出だしが幸せすぎて途中読むのつらいんだけど、ラストは緑と穏やかさに満ちています。

    もう1回読んできます。

  • すてきな表紙の絵とタイトルに惹かれて。

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著者プロフィール

1952年イギリス、エセックス生まれ。8歳のころから作家をめざして物語を書きはじめる。いつも物語を書いたノートを自分の洋服ダンスに隠していた。国語の教師をしながら、作品を出版社に持ちこむようになり、1988年YA小説でデビュー。『Set in Stone』(未訳)でコスタ賞受賞、『The Shell House』『Sisterland』(共に未訳)がカーネギー賞最終候補に選ばれるなど、その作品は本国で高い評価を受けている。日本で紹介されている本に、『緑の精にまた会う日』(徳間書店)がある。

「2022年 『おもちゃ屋のねこ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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