神去なあなあ夜話

著者 :
  • 徳間書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784198635060

感想・レビュー・書評

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  • 三重県の山奥で、林業に取り組む平野勇気、二十歳。神去村の起源、住人の暮らし、もちろん恋にも、ぐいぐい迫ります。お仕事小説の旗手が贈る、林業エンタテインメント小説の傑作。
    「BOOK」データベース

    「BOOK」データベースのレビューはあっさりした感じだが、私的には静かに熱い!
    これこそ映画化してほしい.

  • 『神去なあなあ日常』を読んで、楽しみにしていた続編は裏切らなかった。山を守り、山に守られている。100年前も変わらない山への畏敬。100年後の山の姿を見据えている神去の男たち、カッコいい。
    勇気の優しさが伝わってくる。繁ばあちゃんとのやりとりも楽しい。そして恋路にハラハラドキドキ(笑)

  • 大好きなお話

  • やあ、みんな。ひさしぶり!神去なあなあ日常の続編ですよ。

    ってこんなノリだったっけかね、とやや戸惑ったものの
    すぐに懐かしい何かと再会したような気持ちになりました。
    前回「林業?」と思いながら読んだらすっごくおもしろくて、
    今回はそのすっごくおもしろかった記憶が残っているので
    ふつうに面白かった感じで何かすみません。
    「日常」読み返したいな。

    今回はよりお山とのつながりが深くなり、すっかり溶け込んで
    驚きにあふれていた前回より、深い部分に触れていくような感じ。
    恋愛事情も、クリスマス事情もおもしろく。
    日本昔話的ファンタジーも、シリアスな過去の出来事も飲み込んで
    全てなあなあと日々の暮らしは続いていく。

  •  2009年に出た「神去なあなあ日常」の続編。
     前作を読んでいないと、ちょっと分かりにくいかも。

     三重県の山間部、神去村に林業をするためにやってきた平野勇気。始めは弱っちくて林業の仕事もろくろくできなかったけれど、そんな勇気も見習いから正社員になって、うるさくてワイルドだけど仕事の腕は天下一品のヨキ、おやかたさんである清一さん、巌さんと三郎じいさんなど、仕事仲間に囲まれながら林業の仕事に励んでいます。

     その勇気が居候しているヨキの祖母、繁ばあちゃんに聞いた蛇神様の話、ヨキとその妻みきさんとのなれそめの話などが、勇気のパソコンに打ち込まれた日記の体で次々と展開しています。
     夜話というだけあって、繁ばあちゃんの言葉を借りれば「あだると」な話も。でも、全体として読むと、神去の人々の「なあなあ」な気質、神去の山々にある自然の厳しさ、などを感じます。
     また人間として「ちっちゃい」勇気の成長物語でもあるんですね。

     蛇神様や、お稲荷さんなどにあるような、まるで昔話の世界に入り込んだかのような神去村。のんびりとした牧歌的な部分にオイラ癒されます。

  • 前作同様「神去りなあなあ」なお話しでしたね。登場人物も相変わらず皆個性が豊かで愛すべき人々です。今回は前作みたいなメインディッシュがあるわけではないけど、高くはないけど老舗の美味しい和食を食した感じです。
    繁ばあちゃん最高!!

  • 全く予想もしていなかった三浦しをん「神去なあなあ」の続編が出たのでビックリするやら嬉しいやら。まさかこの日本初の「林業」小説がシリーズになると期待していなかったし、三浦しをんの唯一のシリーズものと言えばお笑い「まほろ駅前」シリーズだけだと思っていたので年末を前に望外のプレゼントだ。

    と、言うわけで買ってから即読破。舞台は三重県の奥深くの山に囲まれた神去村だ。前作では家族に騙されて林業見習いに出された平野勇気が神去村で仕事を学ぶ経緯が描かれる。そして諏訪の御柱祭を彷彿とさせる祭の場面では現実と幻想が一体化したような形でクライマックスが描かれていたのでちょっとばかりファンタジー系の香りもやや交えたものだったが、其処で好き嫌いが分かれるという感じであった。

    本作でも自然を相手にする仕事と云うことで当然のごとく自然を敬う気持ちや何気ない信仰心というものが物語の随所にも出てはくるものの、決してファンタジーでは無い。勇気も村での生活が一年を越え、晴れて正社員に採用されたと言うわけでは無かろうが、神去村の日常生活に根差したというか地に足を付けた形で描かれており「林業物語」から林業を背景にした「青春物語」という形に変貌を遂げより魅力的な小説になっている気がする。

    そしてそれ以上に勇気の周りの登場人物が勝手に動き出したとでも言いたくなるような活躍を始めた感が強い。勇気が居候する林業の先輩ヨギの繁ばあちゃんは特筆物だ。足も歯も悪いと言いながら地獄耳でなぜか勇気のPCのパスワードまで破って中の日記を読んだりするキャラクターが良い。勿論、がさつで愛すべきキャラクターのヨギも思う存分に暴れ回っているし、それ以外の登場人物も個性的な性格で本当に良い味が出ている。

    三浦しをんの最大のウリは男性描写・男性の会話を書かせても男の作家以上に言い回しが自然で上手い。山の仕事に携わる汗臭い男達を描かせても全く違和感を感じさせない上に口調には巧みなユーモアも混ぜ込んでいるのだから「まほろ駅前」のお笑い度数を超えそうな絶賛お勧め本になっている。こうなったら是が非で神去のシリーズ化をお願いしたいものだ。

    一方で、林業で飯が食えるのか、生活として成り立つのか、小説として無理があるのでは無いか?というのは最もな疑問ではあるが「日本の林業を立て直す-速水林業の挑戦」(速水亨、日経新聞社、2012/08)を読むと本当にあるのだ。家業として林業を継いで村人を雇用し(ナント東大卒も居る!)百年単位で仕事の成果を考えている商売だ。「神去なあなあ」を読んでいるとこの速水林業が舞台ではないかとまで勝手に想像してしまうのだが、こちらも併せて読んでもらうと嬉しい。三浦しをんが勝手に創作した世界ではないことが分かるであろう。

  • 田舎特有のズレ…
    美点だけど煩わしくもある。

    人の繋がりは深いよね。
    お稲荷さんの立ち位置が秀逸!
    これも田舎の知恵なんやろなぁ。

    なあなあってことで。

  • 二十歳になって、神去村にますます溶け込んでいる勇気くん、いい男になってきました。村の起源となる神話、お稲荷さんの霊験、いかにも神去なクリスマスパーティー、エピソードが素敵ですね。

  • 『神去なあなあ日常』の続編。

    前作でスッカリ神去村の虜になったので、読むのを楽しみにしていました。専門的知識豊富に書く三浦しをんさんですが、今回は林業のノウハウというより登場人物に比重を置いています。18歳で林業デビューした都会っ子で現代っ子の平野勇気が、20歳となり増々神去村で骨を埋めたいとまで心を奪われていました。

    素朴だけど暖かい三重の方言。野生的な面もある男衆。飾り気がないけど、男気溢れるとこに土地の内外の女性も惚れ惚れ。よくモテルというのにも頷けます。

    霊験あらたかで、日本昔話顔負けの神話も満載の村。そうしたものを信じ大切にしているところにも日本人ならではの伝承を感じ、どこかで懐かしく思いました。

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著者プロフィール

1976年東京生まれ。2000年『格闘する者に○』で、デビュー。06年『まほろ駅前多田便利軒』で「直木賞」、12年『舟を編む』で「本屋大賞」、15年『あの家に暮らす四人の女』で「織田作之助賞」、18年『ののはな通信』で「島清恋愛文学賞」19年に「河合隼雄物語賞」、同年『愛なき世界』で「日本植物学会賞特別賞」を受賞する。その他小説に、『風が強く吹いている』『光』『神去なあなあ日常』『きみはポラリス』、エッセイ集に『乙女なげやり』『のっけから失礼します』『好きになってしまいました。』等がある。

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