- Amazon.co.jp ・本 (297ページ)
- / ISBN・EAN: 9784198925079
感想・レビュー・書評
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ユダヤ、キリスト、イスラムのそれぞれの言い分が読めて面白かった。
考え方に理解、同調できるかは別として。 -
三宗教を分かりやすく対峙。神が同じか違うかの意見の相違が特に。旧約新約聖書の粗筋を頭にいれておくとわかりやすい。宗教だけでも政治だけでもない、両者を総合した人間の営みが怖いということだろうか。
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それぞれの宗教リーダーへのインタビューとアメリカの友人からの手紙。どれも緊迫していて、興味深い。宗教者が宗教に対して、どういうスタンスを持っているのか?この問いは、非常に重要だ。かつ、その宗教の本質がえぐり出される質問でもある。これを読むと、宗教がいかに弱い基盤の上に、強大な権威を有しているかが分かる。宗教や思想に概して弱い日本人にもってこいの本だ。
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プロテスタント運動以降、一般の信者も自国の言葉で聖書を読めるようになり、一人一冊ずつ聖書を持つ時代を迎えました。聖書を重視するプロテスタントはローマ教会の権威を認めません。(…)プロテスタントは基本的にみな独立しているわけです。たとえばアメリカでも、クエーカーとかバプテストとか多くのプロテスタント宗派があります。多くの宗派ができるのは、同じ聖書でも自分たちはここの部分の解釈が違うということになると、そこで分かれてしまうわけです。55
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ホロコーストについては一般に誤解があります。ホロコーストは戦争犯罪ではありません。(…)もともとはドイツの国内政策として始まったことですから、これは一種の政治犯罪です。しかも、ナチスが勝手にユダヤ人を弾圧したのではありません。民衆の合意によって、戦争下ではなく、理性的、冷静に考えられる平時において始められたという点できわめて悪質です。65
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我々の目に神の働きは三つに映る。つまり、父(エホバ)が行動し、子(イエス)が行動し、もう一つは聖霊が何事かをなす。三者があって、それが相互に行動しているように見えるが、その根源は一つなのだというのが三位一体の考え方です。(…)カトリックもプロテスタントも九九%は三位一体説をとっています。そうでないと、イエスの神性を認めることが不可能だからです。70
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ユダヤ教とイスラム教は、全く離れているようで、じつは共通点もあります。その共通点とは、三位一体説の否定、つまり、イエスがキリスト、神であることの否定です。(…)そのただ一つの神は天地を創造した神、つまり同じ神様ですから、本来ならば、この三者は同じ宗教を信じていると言ってもいいことになります。それなのになぜ殺し合いになるかといえば、預言者が聞いてきた言葉がそれぞれ違うからです。76
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イエスの再臨は、すべてのユダヤ人がイスラエルに帰還を果たしたあとである。また彼らユダヤ人がみなクリスチャンに改宗したときであるという。そういう予言が新約聖書にあるから、クリスチャンたちはユダヤ人に親切をし、キリスト教に改宗するように手助けをしなければならない。そういう動機がある。このように福音派クリスチャンたちは、イエス再臨のためにイスラエルやユダヤ人が決定的に需要なことだと、考えているのです。(トケイヤー) 124
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ざっくりと3大宗教に触れ、その後、各宗教の伝導師らに話を聞いてまとめている点は凄く良かったと思う。
凄く地味で緻密な調査を重ねた上で完成したものなのだろうな、ということが伝わってくる。 -
<決定版>世界の[宗教と戦争]講座が良かったこともあり期待はずれ。
インタビュー相手と意見が一致せず議論になっていること、文章の体裁が整理されきれていないことの2点から非常に読みづらい。 -
彼らが本当のことを言っているのなら問題は根深い。果てしなく深い。だけど彼らの中にもお互いを認め合って生きている者も少ないながらいるはず。それが大事。
宗教戦争と呼ばれている現象の背後には誰かが何かしら利益を上げている。利益のために宗教を持ち出し戦わせ、一見宗教だけが問題かのように見せている。確かに宗教の相違が紛争に繋がっているのも事実だけど。
彼らの声を聞きたい。本に載ってない人達がお互いにどう感じ考えているのか知りたい。強烈に。 -
宗教関連の本は初体験でした。
私は日本史専門なので、世界史に非常に疎い・・・。
だから、ユダヤ教・キリスト教・イスラム教が歴史的に複雑に絡み合っていることを詳しく知らないまま生きてきました。
読んでいくうちに、歴史的事件・世界情勢と宗教の関係が浮き彫りにされていき、面白いな~と思いました。
ただし、対談のパートは話者の話し言葉をそのまま書いたせいなのか、ちょっと読み辛かった・・・。