作品紹介・あらすじ
呪われた孤独な王の元に、太陽のように眩しい
小人族の青年が輿入れしにやってきた!?
黒獅子王と小人族の青年の、種族を超えた
ラブ・ファンタジー!!
黒獅子頭を持つ王子のお前に、相応しい花嫁を
用意しよう――呪われた息子を厭う王が
指名したのは小人族。人間の半分の背丈しかなく、
娘のいない我らに一体なぜ…? 困惑する中で
立候補したのは、族長の息子・リラ。王宮で
孤独に生きるダルガート王子の味方になりたい――
戦から村を救われて以来、密かに王子に憧れていた
リラに、ダルガートは「私の運命に巻き込んで
すまない」と告げてきて!?
感想・レビュー・書評
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読みながら心が洗われるように癒される物語でした
表紙の金髪で小人族のリラは少女の様に愛らしく儚げに見えますが、その中身は誰よりも男らしく勇敢で強い意志のある戦士でもあります
獣人ものは苦手で表紙のリラの幼さに読むのを躊躇していましたが、読んで本当に良かったと思える作品でした
挿絵で描かれるダルガートの雄々しい黒獅子姿も人間の姿に戻った麗しい姿も凛々しくとてもかっこいいです
リラの活動的で美しく魅力的な姿も円陣闇丸先生は素晴らしく描写されています
2人の物語は父王の非道からくる呪いを受けたダルガートがその父王と義母である妃に謀られて小人族の男のリラを娶る事から始まります
孤独に慣れきってしまったダルガートはリラに最初は疎ましさすら感じていましたが、彼に憧れ敬愛するリラの真っ直ぐな愛情に接していくうちに、頑なで孤独だった心が氷が溶けるように柔らかく解きほぐされ初めての感情を幾度も経験し幸せを噛みしめていきます
ダルガートが初めて知る人の温もりと真の愛情に触れる様子に何度も涙を流して感情移入をしてしまいます
父王や周囲に疎まれ愛を知らずに生きてきたダルガートの心に温かな希望を与え続けるリラの真っ直ぐな愛情、屈託のない陽気で明るい前向きな心、ダルガートを信じる強い意志がやがて運命と人々の心までも動かしていきます
黒獅子頭のダルガートとリラの2人が拙いながらも初めてお互いの肌に触れ合い愛の営みに浸る姿は好きという気持ちと愛おしさが溢れ出していて官能的ながらも可愛いく微笑ましく感じます
初めて知った愛の喜びに包まれる2人の幸せが読者の心まで幸せに満たしてくれるようです
リラの気付きがきっかけで呪いを解く術を手に入れますが、国と民の平和の為にダルガートが選んだ選択に王となる者の真摯で気高い優しさを感じて心を打たれます
リラと出会ったことで忌まわしい己の運命も受け入れ肯定していくダルガートの心の成長が心から嬉しく思います
ダルガートにとって身体は小さくても大きな愛情を溢れるほどに与えてくれるリラは背中を預けられる唯一の宝物
リラの眩い太陽のように力強い明るさは、ダルガートだけではなく疲れ切った私達の心にも温かな光を運んでくれるようです
これからは輝く太陽の光を浴びる時、シャラシャラと鳴るリラの心踊る鈴の音とダルガートの慈愛に満ちた黄金の瞳を思い浮かべるような気がします
月東 湊先生、心が温まる素敵な物語をありがとうございます
できるならまた2人の伝説となった物語の続きを読ませて頂きたいです
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初読み作家さん。
タイトル花嫁だし表紙の受があまりに美少女然としているし、で、ちょっと不安でしたが見事に裏切られました。
BLで久々にちゃんとファンタジーを読んだ感じ。
ただ前王とか前々王とかにはしっかり反省してから旅立ってほしかったね!
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呪いは解いてほしいようなこのままでいてほしいような、最後までどうなるのかなと見守ってたけど、暖かくじんわりするお話でした。ありがとうありがとう。
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産まれながらに呪いをうけ、悪の象徴である黒獅子の頭部をもつダルガート王子
小人族を救ってくれたダルガートに憧れ嫁いできた族長の息子、リラ
リラの持つ明るさに読んでいるうちに癒されます。とても素敵なお話です。オススメです!!
生まれてからずっと一人で嫌がらせや嘲笑を受け入れてきたため、心を閉ざしながら淡々と生きてきたダルガートに、太陽の暖かさ、景色の美しさ、人の想いの優しさ、癒しを全身で伝え、ダルガートがダルガートのままで、伝説の王になれば良いと言いきるリラが素敵でした。
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はあ…良かった。
呪いのせいで黒獅子頭で生まれた王子と、王妃としてあてがわれた小人族の青年リラとのお話。
リラの明るさと誠実さに救われると同時に、自分には不憫攻にも萌えがあったと知らされたお話でした。
意外なラストにも、この二人なら…と思わされました。円陣さんのイラストも美麗で良きかな。
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よかった〜。小人族と黒獅子王とどんなことになるのかと思えば。孤独なダルガード王子を癒やしてくれるリラ。太陽のようでした。
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