夫は定年妻はストレス

著者 : 清水博子

• 青木書店 (1996年2月23日発売)

感想・レビュー・書評

[ヒギリさんの感想 · 2011年6月9日]

会社しか生きる場所のない人が会社から降りた後の話。
学校しか生きる場所のない子供が学校に行けなくなると自分を責めるように、会社しかない男も所在無く途方にくれてしまうのだろう。
そこしか用意しない社会の不備はあるんだけど、大人なんだからそこに甘んじてきたのは自分の責任でもある。
ただそれは不満を伝えなかった妻の側も同じことで、コミュニケーションを怠ってきたツケがあとからどっとくるのは当然のことだ。

当然のことだけど、こんなにも多くの夫婦がこうなってしまうというのは社会のあり方の問題なんだよな。
ただこういう問題がありますというだけじゃなくて、いいほうに向かおうとする姿勢が良い。

でもちょっと個人のこととして片付けすぎ（個人の努力による解決だけを目指しているよう）な気もするかな。