死人の声をきくがよい(12)今度こそみんな死ぬ! ! 編 (チャンピオンREDコミックス)
- 秋田書店 (2019年2月20日発売)
- Amazon.co.jp ・マンガ (208ページ)
- / ISBN・EAN: 9784253236928
感想・レビュー・書評
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ついに、完結してしまったか、この名作ホラー漫画も
仮に、漫画読みを50人くらい集めて、「夏の夜に、読んじゃいけない、と頭じゃ解かっていても、読んじゃうホラー漫画は?」って質問をしたら、17人くらいは、この『死人の声をきくがよい』を挙げるんじゃないだろうか、と私は勝手に思っている
さすがに、私的な殿堂入りにはならなかったが、確かな衝撃は与えてくれた
怖い、気持ち悪い、も通り越して、深さすら感じる内容だった
ひよどり先生の体験なのか、ファンから寄せられたものなのか、それとも、世間に蔓延る噂を基にしたのか、その辺りは定かじゃないにしろ、ホラー漫画としては「本物」と言い切っても差し支えないだろう
単に、残酷な描写で、読み手の血の気を引かせるのではなく、個性の強いキャラたちの人間関係や、その変化、ハッピーエンドには向かっていないな、と察せるストーリー展開でも、読み手の肝は冷やされていた
好みど真ん中、と言えるものではないにしろ、結構、綺麗な終わり方をしているように思える
ただ、「その後」が気にならない、と言ったら嘘になる。なので、次に出すコミックスの巻末に、3pくらいでも構わないので、世界が終わる危機を乗り越えた岸田君の姿を見てみたい
五体満足でいるのか、それとも、四肢の一つくらいは失っているのか、はたまた、寝たきりになっているのか、もしかしたら、動く死人になっている可能性もある
また、ゴーストちゃんとの「それから」も興味がある
危ない女、であるのは満場一致の印象だろうけど、ここまで、好きな人を純粋に思える力は、素直に凄い、と尊敬する
善人ではないけど、ある意味、この世で、一番に幸せな女なのかな、彼女は
同じくらい、「自分」がブレずに生きていたのが、会長
絶対に関わりを持ちたくないタイプの女ではあるけど、いざと言う時の、危機突破力には光るものがある
医者よりも、政治家の方が向いているのではないだろうか
しかし、この人に権力なんか持たせた日には、作中とは違う「最悪」が訪れそうであるのも間違いない
やはり、病院と言う、閉塞的な空間の中で、女王様に祭り上げておく方が、世は平和になるだろう
ともあれ、ひよどり先生、お疲れさまでした
『死人の声をきくがよい』の執筆で溜まった毒が抜けてからで構わないので、もっと、おっかないホラー漫画を私らに読ませてください
この台詞を引用に選んだのは、やっと、タイトルに繋がったか、そう思うと同時に、含蓄があるなぁ、と感じ入ったので
正体こそ、最後まで不明のままだったけど、人生の先達である事は確かだ、賀露川先生は
目に見えているものを信じている、だけでは、真実には辿り着けない
声に耳を傾けてこそ、大事な「何か」を失わずに済むんだろう
「お前に、一つだけ言っておこう。岸田君、自分に自信を持ち、能力を磨け。死人の姿を見るだけではなく、その声を聞くがよい」(by加露川十三郎) -
唐突の終了に納得できない!面白かったの残念。。。
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"「魔子さんに言われてからずっと考えてたんだ
僕が早川さんを引き止めてるってことの意味
生前は普通の女子だった早川さんが
強力な守護霊になるのは変だと思ってた
たぶん僕の霊力が 君の霊体を保管してるんだろうね
君の何割かは僕が作り出したものなんだ
自分の身に何か起こる前に ちゃんと決断しなきゃと思ってる」"[p.181_青葉町黙示録[後編]]
第71話 ゴースト・ライジング
第72話 賀露川十三郎の夢
第73話 花咲けるアイドル
第74話 オカルト研究会 最後の夏[前編]
第75話 オカルト研究会 最後の夏[後編]
第76話 青葉町黙示録[前編]
第77話 青葉町黙示録[中編]
第78話 青葉町黙示録[後編]
完結。
今までに出て来た人たちが物事が再度出て来てくるくると回収していく感じ。
ついに訪れる早川さんとの決別、自分の能力に素直に向き合う純君。
ゴーストの言動や八代さんの様子から見て、最終的に勝てそうだったのがせめてもの救い。
決別後の鈍君の表情が、やっぱり無表情なのは変わらないけれども、ちょっと憑き物が落ちたように晴れやかに見えて良い。