十皿の料理 (御馳走読本 2)

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  • 朝日出版社
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感想 : 16
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  • Amazon.co.jp ・本 (184ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784255910444

作品紹介・あらすじ

さりげなく究極の味。
最高級フランス料理レストラン「コート・ドール」のシェフが語り下ろす、創造性と誠実さに満ちた十皿の料理。究極の味わいに潜む料理への深い思いが胸をうつ。玉村豊男氏推薦。

感想・レビュー・書評

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  • ごちそうを作る人の美味しい本だと思って読み始めました。
    違いました。
    生き様の本。
    そして、人種差別されることを経験した方の回顧録でした。
    差別する国に行かなければわからない感覚…
    想像するしかないですが、すばらしいレシピと、そして差別する国の中にいながら差別しない人たちとの交流エピソードが、差別する世界の寒々しさを、むしろ際立たせていました。

    吉野朔実先生の読書案内本で知りました。
    コート・ドールでの食事は叶いそうにないですが、斉須シェフのような方がいるかも!といろんなレストランに行ってみようと思います。

    1992.2.10初版
    2013.10.10第7版
    2021.3に古書店で購入

  • 以前、NHKの『 #理想的本箱 』で紹介されていて読みたかった一冊。

    仕事本なのだけど、変わっている。

    まずは、ひとつひとつの表現がとても可愛らしい。
    たとえば「肉というキャンパスに刺繍をしている」、とか、「(いもが)縁の下の力もちになって仔羊のために一生懸命やってくれる」、「山はもう雪だけど野原はまだ緑ですよ、とインゲンに言わせます」とか。

    そしていちいち美味しそうな素材と、その料理の仕方と、出来上がった品々。

    なんだか詩を読んでいるような…レシピも付いてるし、お腹が空くエッセイだな、と思ったところで、最後に強い衝撃。

    東洋人が、フランス料理を作ろうと仕事に必死でしがみつくのに対し、言葉も交わしてくれないフランス人。
    僕はグラスで、グラスを壁に投げつけて唾を吐きかけられたような体験、と表現されていたのが何とも忘れられない。
    斉須さんはどれだけ地べたを這いずって、それでも料理に向き合ってきたんだろう、と思う。

    そんなフランスでの思い出も語られる本書。
    なにか仕事について思うところがある時、ぜひまた読み返したい。

  • 再読、内容はほぼ忘れていた
    日本の野菜も魚も味が薄い
    料理は以下の通り、酸味の強いワインをドバドバ使うものも
    牛尾の赤ワイン煮;季節の野菜のエチュベ;仔羊のロースト;根セロリとリ・ド・ヴォーの煮込み;トリュフのかき卵;ソーモンのタルタルモンブラン;おこぜのポワレ;しそのスープ;えいとキャベツ;赤ピーマンのムース

  • フランス料理の奥深さがわかる。料理人の真剣さが伝わる。

  • シェフの本を読むのは初めてです。とても丁寧にいろんなことが書かれてあり、想像をかき立てられました。コートドールと言う店に行って食べてみたいです

  • 十皿の料理に込められた仕事論。
    平凡を嫌い、
    素材の個性と勝負する料理人の矜持が溢れている。勇気が沸く本。
    個性的な素材、主役級じゃない食材の扱い方、人間関係にも通じるところがあると感じた。

  • 教授

  • 吉野朔実『お父さんは時代小説が大好き』にて。

  • 読まされ図書室で紹介されてた本
    ⭐十皿の料理

    理想的本箱

    将来が見えないと思った時に読む本

  • 醸成されたフィロソフィーに、圧倒的物量をこなし得た「手」がシンクロしたときにのみ、はじめて珠玉の一皿が世に産声を上げる。
    玄妙の境地を、所謂、「職人の勘」で済ませることなく、精緻に言語化することに努めるシェフの姿勢は、真に心を打つ。
    いつか、ここに行きたいと、切に思う。

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