AV神話: アダルトビデオをまねてはいけない

著者 :
  • 大月書店
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本棚登録 : 39
感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (237ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784272350285

作品紹介・あらすじ

最終的な被害は女性が受ける。膨大な映像を詳細に分析した批判的検証。

感想・レビュー・書評

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  • 日本の性教育は、性的同意やプライベートゾーンに関して教えていないほどお粗末。
    そんな日本の若者が、性の教科書にするのがアダルトビデオ。
    アダルトビデオは、男性を性的に興奮させて射精させるのを目的にしたメディアで、男性の願望や欲望や妄想に基づき作られている性の教科書には向かないメディア。
    「女性は顔に射精されると快感を得る」「女性はどんな相手でも興奮する」「女性は痴漢やレイプを欲し快感を得る」「女性は抵抗しても最終的に屈服する」などアダルトビデオで撒き散らされ男性たちが信じている「神話」を丁寧に検証して、アダルトビデオで取り入れた間違いを相対化して、男女平等としての関係や性を学ぶ「アダルトビデオ・リテラシー」を学ぶ為の性教育本。

    AV男優の大半が、女優との絡みの場面で激しくピストンするが、女性にとっては男優が自分の体内で激しく暴れているとしか思えない。
    むしろ抱き合い優しく愛撫すること、お互いの信頼関係が、必要。
    またアダルトビデオに登場する女性は、セクシーな服装や男性に媚びる言動をし男性を誘惑してセックスを欲していると描かれているが、この神話が男性が「女性がスカートの短い服を着ているから誘惑している」「部屋でふたりきりになったから、食事や酒に誘ってオーケーだから拒まない」と勘違いしてセクシャルハラスメントを起こす要因になっている。
    また女性が、フェラチオで快感を得るという神話も、レイプにより心は拒絶しても体が快感を感じる描写も単なる男性の妄想。
    アダルトビデオで描かれている性犯罪描写が、実際の性犯罪に参考にされ、また実際の性犯罪がアダルトビデオの内容の参考にされ、アダルトビデオと性犯罪はお互いに刺激し合い再生産する共犯関係にある。
    また痴漢やレイプが被害者に与える重いPTSDなどの被害が、しっかり描かれていて、また女性向け雑誌に掲載された女性が望むセックスのDVDの内容を通して男女対等で愛情を確かめ合う正しい性を教育する内容も含まれているので、学校での性教育の教材として若者も大人にも必読の「アダルトビデオ・リテラシー」本。

  • 2022年12月22日読了。インターネットを通じて世界中に・若年層にも一般化した「アダルトビデオ」が繰り返し流布する「神話」の危険性と、それとの向き合い方を説く本。自分は分別のついた大人であるし、「大人のためのファンタジー」としてAVを嗜んでいると思っているけど、確かに繰り返される「男性は女性をイカせるものである」「挿入されると女性はイクものである」「避妊しないことは性的満足につながる」「女性もレイプを求めているのである」などのAVのメッセージは、無意識下に刷り込まれている考え方なのかもしれない、特に女性経験のない若者についてはあまりに刺激・学習効果が強すぎるものなのかもしれない…。AVを超える、身近で楽しめる性教育の情報元がないのが問題なのか、もっとオープンに性について話し合うべきなのか。人権に配慮した欧米のポルノには興奮しないが、だからって日本が無法地帯でいいわけではないな。

  • えっと…一言で言えばうざい、きもい。かな。
    なんつーか、ねえ。
    正論もあるのだけど彼のネチネチした言質と
    くどいまでのふたりエッチやバクシーシ山下に対する意見が、ほんとうざい。
    帯広畜産大学(哲学)って…爆
    最後のアンアン付録DVDに関してなんて
    まじジジイ何言ってんの⁇的な重箱の隅隅隅…
    私は女ですが、そうだ‼︎って思うより
    そんなお前がきもい。としか思わず…
    うる星やつらにアラレちゃん、ダイの大冒険からドラゴンボールも有害どす。

  • 哲学研究者による本書。内容はタイトル通り。そう、タイトル通りだからつまらないのだ。いわゆるAVと実際のセックスの乖離を述べた本書だが、終始その話で一切「セックスのもつ意味とは?」ということに触れられていない。

  • これは読むべき本。

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著者プロフィール

1953年、埼玉県生まれ。帯広畜産大学教授(哲学・思想史)。
著書に『福沢諭吉と帝国主義イデオロギー』(花伝社)、『福沢諭吉 朝鮮・中国・台湾論集――「国権拡張」「脱亜」の果て』(明石書店)、『天は人の下に人を造る――「福沢諭吉神話」を超えて』(インパクト出版会)、『人にとってクルマとは何か』(大月書店)、『野蛮なクルマ社会』(北斗出版)、『クルマが優しくなるために』(ちくま新書)、『クルマ社会と子どもたち』(岩波ブックレット、共著)、『男権主義的セクシャリティ』(青木書店)、『クルマを捨てて歩く! 』(講談社プラスα新書)、『道路行政失敗の本質』(平凡社新書)、『レイプの政治学』(明石書店)、『「日本は先進国」のウソ』(平凡社新書)、『AV神話』、『買物難民』(大月書店)、『カント哲学と現在』(行路社)、『「買物難民」をなくせ! 』(中公新書ラクレ)、『逃げられない性犯罪被害者』(青弓社、編著)、『「3.11」後の技術と人間』(世界思想社)など。訳書にH・J・ペイトン『定言命法』(行路社)。

「2017年 『さようなら!福沢諭吉 Part2』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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