不便益という発想~ごめんなさい、もしあなたがちょっとでも 行き詰まりを感じているなら、 不便をとり入れてみてはどうですか?(しごとのわ)

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  • Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784295000921

感想・レビュー・書評

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  • 労力には物理的労力と心理的労力がある。不便じゃないと楽しくないものがある。
    紙の辞書は不便だが検索に連続性があるため気づきがある。
    不便であることは、気づきや出会いの機会を増大し、能動的工夫の余地が大きい、対象系を直感的に理解できる。
    古民家を改修した施設は急階段だが、慎重になるためむしろけがが起こりにくい、脳を活性化する。
    自動化の弊害はブラックボックス化。
    ユーザ中心設計(どんな行為ができるかが容易にわかるように、行為の結果が目に見えるように、システムの状態が評価しやすいように、意図とそれを実現する行為の対応、行為とその結果の対応、見えている情報とシステムの状態の解釈の対応が自然であるように)、行動中心設計。
    変わらずにすむのではなく、変わる機会を奪われている。
    仕掛学=直接的な指示出ない形で人を誘う方法が分類され体系化されている。
    ラクではないけど楽しい不便。
    不便益システムの発想方法=問題解決型、価値発掘型、創発型。
    不便益原理=アナログにせよ、時間がかかるようにせよ、操作数を多くせよ、大型にせよ、劣化させよ、限定せよ、疲れさせよ、無秩序にせよ、情報を減らせ、危険にせよ、刺激を与えよ。
    不便から得られる8つの益=対象系を理解できる、発見できる、工夫できる、主体性が持てる、上達できる、能力低下を防ぐ、安心できる・信頼できる、俺だけ感がある。

  • 金大生のための読書案内で展示していた図書です。
    ▼先生の推薦文はこちら
    https://library.kanazawa-u.ac.jp/?page_id=44153

    ▼金沢大学附属図書館の所蔵情報
    https://www1.lib.kanazawa-u.ac.jp/recordID/catalog.bib/BB23317947

  • 以前の情報がまとまっている感じ。
    いま必要な考え方ですね。

  • 世の中が進化して、どんどん便利になっていく中で失われていった(?)わくわくドキドキ感を思い出させてくれた。今でも敢えて「不便」を取り入れる事は可能。ちょっとだけ、発想を変えてみたくなった。

  • 丁寧な暮らし系かと思いきや人間工学的な本でした。不便益をとりいれることでリハビリや高齢者の衰えが防止されたり脳が活性化したり人間て面白いなぁ。

  • 先日、帰り道の急坂でドーナツ型の小さい窪みを見つけそれを避けながら歩いた。その時僕が酔っていたからという理由もあるが、感覚的には、その模様があったから、それを避けて歩いたのだ。
    これはこの本の中に書いてあった「仕掛学」という学問に分類される。仕掛学とは、「人を〇〇させるには、□□させれば良い」という人間の慣性を利用した、人の行動を直接的ではない形で誘導するという学問だ。例えば、駐車場で白い線が等間隔に引かれてあると、人は無意識にその線に沿って車を停める。男性用のトイレで◎のマークがあるとそこを狙ってしまうなど。自分がとった行動は、誰かが考えた誘導という環境によって支配されているのかもしれないなとこの本を読んで思った。
    紙の辞書は電子辞書と比べて不便ではあるが、言葉を調べるという過程の中に連続性があるので、気づきを与えられる。不便であることは、気づきや出会いの機会を増やし、役に立つ。

  • 不便益は自分が人間であること、自分には自我があることに気づくことかな。

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/741676

  • BOOKOFFで立ち読みした際に、”まえがき”で「ごめんなさい、長いタイトルをつけてしまいました。これには理由があるのです」と、つらつら読み進めていくうちに、ついつい買ってしまった本です。
    本書でわかりやすいなと思ったのは、自動化による弊害。つまりブラックボックス化されてしまっている事柄で、順調の時はいいけれど、何かあったときには修理等ができず、ちょっとした故障が大事に至ることもある、というもの。
    世の中、便利・効率だけでなく、「不便益」によって、益が生じる場合もあるんだよ、という主張です。楽じゃないけど、楽しいこともある、ということも確かにある
    と感じます。
    工学系の研究者の著者なので、その研究内容や考え方について書かれている本ですが、昔、会社のお偉いさんがいる飲み会(別名、社内接待ともいう)の時の台詞を思い出してしまった。営業マンの中から、誰を営業所長や支店長にするか、という話の中で「アイツはバカなんだけどな、かわいいんだよ」という衝撃のコメント。いや、実力で選んだれよ!と心の中で突っ込みながら、はは、そんなもんかもしれませんよね、とビールを注いだ瞬間がふと出てきて、このご時世ではあまりないかもしれないけれど、”手がかかるモノほど愛着が湧く”ではありませんが、人間関係にも(そんなこともあるかもなぁーと思っていたことを思い出し、不便なものの中に「益」があるかもしれない、と考えさせられた本でした。

  • 電子書籍より紙の本がいい、とか、最短距離で到着するより回り道しながら散歩したい、とか、手間を掛けるのが好きな人には面白い本。

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著者プロフィール

川上 浩司(かわかみ ひろし)
代表著者
京都大学情報学研究科特定教授,京都先端科学大学教授,博士(工学)

「2020年 『不便益の実装』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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